お休みどころ

こころの相談活動を作り続ける
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体ほぐしについて 2019年10月16日(水)

   2003年にお休みどころを始めた頃には、心の相談だけでなくて、体をほぐす技法にも関心がありました。精神的な疲れを取るためには、体の緊張を和らげることも大事だと思ったからです。また体をほぐすことで、自然治癒力が高まるのではと思いました。
   まずは自分の体を柔らかくすることから学ぼうということで、故・上島聖好さんが好きだった体ほぐしの哲学「野口体操」の本を読みました。またオステオパシーという技法の達人の本『いのちの輝き  フルフォード博士が語る自然治癒力』(著:ロバート・C・フルフォード&ジーン・ストーン、訳:上野圭一、翔泳社、1997年)を読みました。どちらもとても深い内容で、さらに自分で取り組める柔軟体操も紹介されています。いくつか自分で選んだものを朝にしてみることにしました。ですが僕が体が堅いこともあり、なかなか体がほぐれる成果を感じることはできませんでした。
   その後精神科の仕事が忙しくなると、ストレスのせいかぎっくり腰に2回なりました。整形外科的には大きな異常所見はなく、はっきりした対策もわからないままでした。朝の柔軟体操は続けていたのですが、限界を感じました。そうして体ほぐしへの関心はしだいに薄れていきました。
   変化があったのは、1年ほど前からです。美紗さんが「ストレッチポール」を買ってくれたのでした。これは柔らかめの筒状の道具で、ポールの上に背骨を乗せるようにして仰向けに寝て、体を揺すってほぐします。僕は最初は効果があるのか半信半疑だったのですが、数ヵ月間ストレッチポールを使ううちに、肩甲骨がいままでよりも動くようになったと気がつきました。左右の肩甲骨を背中の真ん中に寄せることができるのです。以前はかばんを肩にかつぐ形で持つときに、急にグキッと痛くなることがありました。ですが肩甲骨の可動範囲が広くなると、なくなりました。何よりも肩こりが減り、さらにストレッチポールでほぐしたあとに床に横になると、気持ちがホッとして休めるのでした。  
   もう1つの変化は、トランポリンを使うようになったことです。息子の響が療育を受けるようになり、体幹を強くするためにトランポリンを買ってくださいと療育施設の方から勧められました。最初のうちは子どもたちが3人とも大喜びでピョンピョン跳んでいましたが、いまでは僕ばかりが使うようになりました。トランポリンは跳んでいるうちに体が揺すられるので、肩こりをほぐす効果が非常に強いのです。またストレッチだけでなく、全身運動にもなりますので、運動不足の僕には健康増進効果もあるはずです。大人になってからは運動をするのは難しいですが、トランポリンは天気に関係なく自宅ででき、かつ時間的にも短時間でできるところが魅力です。
   そういうわけで朝の柔軟体操の前に、まずはトランポリンを250回跳んで、それからストレッチポールを使うのが、僕の日課になりました。朝は起きるのが遅くなったり、子どもたちの世話などがあったりしますから、必ず毎日できるわけではありませんが、できる限りするようにしています。以前は体ほぐしの手応えを感じにくかったのですが、いったん成果を感じ始めると、急にやる気が湧いてきます。体ほぐしについて考えることが増えました。
   肩周辺がほぐれてくると、その影響なのか、骨盤周辺のほぐしが次の課題だと感じるようになりました。おそらく肩がほぐれて姿勢が変わると、その影響が腰にも及ぶのではないかと思います。猫背だったのが少しシャンと立てるようになったせいか、丹田に力が入り、お尻の筋肉が緊張し、股関節の凝りを意識するようになりました。
   体ほぐしの効果については主観的な面が強く、どのくらい一般性があるのかはわかりません。以前お世話になったヨガの先生が、「自分がぎっくり腰になったときにヨガだけで治そうとしたが難しかった」という話をされていました。また以前読んだ『腰痛のエビデンス』(著:菊地臣一、金原出版、2018年)によれば、整体やマッサージなどの代替療法の効果については実証的な根拠が不十分とのことでした。
   それでは意味がないかというと、そうではありません。むしろ気持ちを落ち着けたりリラックスするために役立つと思うのです。ヨガも歴史的には精神修養のために生まれてきました。体が柔らかいか堅いかということは大事ではなく、自分なりにほぐしていくなかで、くつろぎの状態を体験することが大事なはずです。
   現代社会は神経労働が中心になってきており、誰でもが精神的な疲労を抱えやすい状況にあります。日々の精神科の診療のなかでも、患者さんにストレス対処法やリラックス法を見つけてもらうことの重要性を感じる一方です。体ほぐしを続けながら、リラックス法のヒントを探していきたいです。脱力と緊張の両方をできてこそ、創造的な生き方をできるのでしょう。

 

写真1   ストレッチポール。この上に背骨を乗せるようにして仰向けになり、体を揺する。肩のまわりの懲りによく効く。

 

写真2   トランポリン。全身を揺すってほぐす効果があるうえに、運動になる。

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