お休みどころ

こころの相談活動を作り続ける
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看護学校の講義を準備する 2019年9月8日(日)

   もともと学ぶことも教えることも僕は好きです。子どものころに小学校で学ぶことも基本的には好きでしたし、中学校のころは塾で学ぶのが楽しかったので、塾の先生になりたいと思っていました。自然科学が好きでしたので、高校を卒業する頃には自然科学の先生になろうかと思いました。大学生のときには教員過程を受けようかと考えたのですが、なぜか受けませんでした。そしていまに至っています。
   ただ教えるのがうまいかと言われれば、あまりうまくないと思います。塾での個人指導の経験が少しだけあるのですが、受験勉強の成績が上がったと言われたことはありませんでした。ですが教えるなかで、相手が自分のほんとうにやりたかったことを見つけて進路変更することはよくありました。ですので僕は受験勉強のような決まった枠組みのなかで教えることよりも、相手を刺激して創造的に考えてもらうことの方に向いているのではと思います。
   さて、精神科医になってからは教える機会はないと思っていましたが、意外なことにそうではありませんでした。鹿児島の伊敷病院に勤めていたときには、2つの看護学校に精神科の講義に行きました。どちらも教えがいがあり、生徒さんたちも質問をたくさん出してくれました。卒業してから精神科に進んだという人たちのことも聞き、うれしく思っていました。
   人吉市の吉田病院で働くようになってからは看護学校に行く機会はありませんでしたが、地域で講演をするたくさんの機会に恵まれました。これも広い意味での教育活動で、結果的に地域に支援者の仲間がたくさん増えました。聞き手が一般の方か専門職かで話の細かさは変わるのですが、内容は本質的には変わりません。地域で人々がどんなことに困っていて、それに対して精神科の分野からはどんな支援ができるのか?ということをさまざまな切り口から話すだけなのですが、やってもやってもまだ奥の深さや広がりがあるのでした。背景には、現代が精神科への社会的ニーズが非常に増大している時代であることがあると思います。
   そこへまた、看護学校で講義してほしいとの依頼が舞い込みました。僕が鹿児島で初めて講義に行った学校で、10年以上ぶりになります。美紗さんの友人が教員として勤めているので、推薦してくれたそうです。とてもうれしく思いました。
   ただ一方で、鹿児島で教えに来てくれる精神科医が見つからないということでもありますから、寂しいことでもあります。教えることは自分の知識や経験を体系付け、客観的に見直す機会を与えてくれますので、診療の実力向上に必ずつながります。また教えるための資料を作る際にはいろいろ調べますので、勉強になります。というか教えないと忙しさに流されて全く勉強しないというのが実情です。ぜひ教えることに興味を持つ精神科医に増えてほしいと思います。
   残念なことに教えるコマ数は減っており、以前は8回ぐらいで話していたところを、5回で話さないといけなくなりました。通常精神科の講義は、歴史から始まり、精神症状や症候群、検査、疾患、治療、その他の支援、社会的な課題と進んでいきます。ですが5回ではとても話せませんので、いま精神科での支援が社会に必要とされている分野にしぼることにしました。
   具体的には,Δ追造反場のメンタルヘルス、認知症とその困難事例、H達症と子ども支援、ぐ預絃匹伴匆駝簑蝓↓ヅ合失調症と精神科リハビリテーション、の5つです。これらは比較的新しい分野であり、まさにいま支援体制ができつつあるところです。精神科という分野が社会問題に直接関与できること、また生きて変化を続けていることを感じてもらいたいです。
   講義をするだけでは生徒さんたちとほとんど触れあえませんが、生徒さんたちの関心や考え方を聞いてみたい気持ちもあります。普段10代後半から20代の人と話すことは多くありませんので、興味があります。学ぶ意欲がある人は誰でも精神科分野に来てほしいです。そして議論しながら仕事ができればうれしいです。ぜひいっしょに盛り上げていきましょう。

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