お休みどころ

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ゲーム症の授業をする 2019年7月11日(木)

   子どもの診療とゲームの問題は切っても切れません。「ゲームの問題に悩む子どもや親がここまで多いのか!」というのが正直な実感です。発達症があるとゲーム症のリスクが高まりますから、精神科を受診する子どもたちにはどうしても多くなります。さらに不登校やいじめ・学習困難・ネグレクトといったケースでは、大半でゲーム症・引きこもり・昼夜逆転がつきまといます。かなり深刻な問題だと感じてきました。
   たまたまなのですが、人吉市内の2つの小学校から同じ時期にゲーム・ネット依存の問題について講演をしてほしいと依頼がありました。ただ教員が対象ではなく、小学4〜6年の生徒や保護者に向けての講演でした。僕はいままでいちばん小さくても小学6年生にまでしか授業で話したことがありません。もっと小さな子どもたちですので、僕の話にどのぐらい興味を持ってくれるかが心配でした。
   ちょうど手元に届いた児童青年精神医学会の学会誌『児童青年精神医学とその近接領域2019/vol.60/No.1』のなかにシンポジウム「インターネット依存の現在」(岡田俊、堀内史枝ほか)があり、その内容を引用させていただきました。子どもたちにも伝わるようにできるだけわかりやすい資料にしようと、美紗さんに頼んでパワーポイントの使い方(講演資料作成の方法)の本を注文してもらいました。ですが結局は読む時間がなく、いつもと大差ない資料になってしまいました。ですのでうまくいくのかは未知数でした。
   一校目では5・6年生と保護者に向けた講演でした。ゲームの話題となると思いのほか子どもたちの食いつきがよく、僕が質問をしても手を挙げて答えてくれました。時間配分も心配でしたが、子どもたちが質問する時間も取れました。子どもたちがシーンとするのがいちばん心配だったのですが、子どもたちから質問も出してくれました。とりあえず無事に終われただけでもうれしかったでした。
   その翌日が二校目での授業でした。今度は4・5・6年生の生徒だけへのお話です。こちらもどうなるか予測できなかったのですが、結果的にはすごく盛り上がりました。4年生の子どもたちに伝わるのかどうか全くわからなかったのですが、積極的に発言してくれました。また質問も以下のようにおもしろいものが出ました。「ゲーム症になりやすい時間帯はありますか?」「寝るときに音楽を聞くのは依存症ですか?」「依存症は一度なってもよくなるんですか?」。子どもたちが関心を持って聞いてくれているのがわかり、すごくうれしかったです。
   授業がうまくいったのは、どちらの学校も校長先生が問題意識を持って企画してくださったからだと思います。生徒がゲームを長時間していることや、オンラインゲームでのいじめ問題などに危機感を持たれたそうです。また普段から子どもの支援にいっしょに取り組んでいる校長先生たちで、僕と顔なじみになっていることも大きかったと思います。教育と医療のつながりが増えてきたからこそ実現した企画です。
   生徒が抱える問題について教員が関心を持ち、それに詳しい外部講師を招いて授業をするというのは、理想的な教育の流れだと思いました。僕が小さいころには決まった教育課程をこなしていくような授業スタイルだったと思うのですが、いまは問題発見・探求型の授業が増えてきています。時代とともに子どもたちはどんどん変化していきますので、それに応じた教育を探し、医療機関も含めた支援機関を活用していただきたいと思いました。

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