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新潟の精神神経学会に参加する2 2019年6月20日(木)

   以下は精神神経学会で取った僕のノートです。発表者の名前も書かせていただいていますが、僕の聞き取りは正確ではありませんので、文責は僕にあります。

●シンポジウム「認知症とてんかんにおける記憶障害を探る」(司会:渡辺雅子、田中晋)
◎高齢者てんかんをめぐって(吉野相英)
・65歳を過ぎるとてんかんの発症率が高くなる。特に側頭葉てんかんが多い。
・原因は脳血管障害がいちばん多い。一方原因がわからないものも25%ある。
・高齢者ではけいれんのない発作が大半。突然動作が止まり一点を凝視したり、記憶が抜けたりする。自動症もあることあり。
・発作は1分ほどのことが多く、そのあとにもうろう状態になることがよくある。また発作後に集中・記銘力・見当識などが一過性に低下することが6割でみられ、認知症と間違われやすい。抑うつ症状を呈するものも2〜3割あり。
・鑑別すべき疾患は若年者の場合よりも多い。神経調節性失神が特に多い。
・レム睡眠行動障害では27%に脳波で鋭波が出てしまうので鑑別が難しいことがある。
・副作用も出やすい。
・高齢者てんかんの注意すべきケースとして、一過性健忘を呈する人もいる。
・非けいれん性てんかん重積もある。
・少量の抗てんかん薬で抑制できることが多い。ラモトリギン、レベチラセタム、カルバマゼピンなどが使われる。
◎認知症における記憶障害(數井裕光)
・アルツハイマー病においてはエピソード記憶の障害が多くの場合初発症状である。記憶障害は緩徐進行性であり、過去に延伸していく。
・記憶障害の自覚はゝ憶障害が強い、¬兪曚ある、ときに低下している。
・扁桃体の体積が大きいほどエピソード記憶が保たれる。
・若年性アルツハイマー病にてんかんの合併が多い可能性あり。
◎認知機能とてんかん性放電(塩崎一昌)
・横浜市総合保健医療センターに記憶障害を主訴として来院した人のうち、てんかんは1%だった(アルツハイマー病47%、軽度認知障害29%、血管性認知症3%、レビー小体型認知症3%、前頭側頭型認知症2%)。てんかんを合併が疑われるケースは5%だった。
・焦点意識減損発作がほとんどだった。
・てんかん性放電があると、精神症状を伴いやすい。
・てんかん性放電のあるアルツハイマー病の方が、ない場合よりも認知機能低下が早く進行する。
・抗てんかん薬での治療が、てんかん性放電で抑えられた認知機能を回復する可能性がある。
◎てんかん性健忘と認知症(鵜飼克行)
・一過性てんかん性健忘は中〜高齢者に初発し健忘発作を主症状とする側頭葉てんかんの特殊型である。
・一過性てんかん性健忘には焦点意識保持発作のものもあると推測される。またレビー小体型認知症と関連がある可能性がある。

●シンポジウム「てんかんと精神医療の新たな連携の形」(司会:山田了士、和田健)
◎てんかん外科と精神医療の連携
・一般にてんかんは第一選択薬で47%抑制され、第二選択薬で13%抑制される。しかし第三選択薬で抑制されるのは1%のみであり、2剤併用でも3%のみである。よって第二選択薬で抑制されない場合に診断を再検討し、難治性てんかんである場合には外科治療が検討される。
・海馬硬化症を伴う側頭葉てんかんの場合、内服薬のみでは1年後に発作を抑制できたのは8%だけであったが、外科治療では58%抑制できた。
・外科治療の術前から術後2年の間に精神障害の診断がつくのが4割。術後精神障害の予測は現時点では難しい。
◎「小児科と精神科の医療連携:てんかんのトランジション」(谷口豪)
・小児期のてんかんのうち50〜60%は小児期に寛解する。しかし40〜50%は成人になってからもフォローアップが必要。
・小児科のてんかん患者の多くは成人になっても小児科に通院している。そして小児科医が診療にいちばん困難さを感じているのが精神・心理的な合併症である。
・発表者の外来では、小児科からのトランジションがなされるケースは知的障害や発達障害を合併しているケースが多い。また発作以外にも複数の問題を持っているケースが多い。
●「精神科医療からてんかん医療へ〜てんかんと脳波を知っておく重要性〜」(渡邊さつき)
・てんかんや脳波の知識は鑑別を行ううえで役立つ。例えば,討鵑ん発作として精神症状が存在するケース。⊂播脆作、非けいれん性てんかん重積。睡眠や解離症。
・てんかんの約30%が精神症状を持つ。てんかんに伴う精神症状としては、デジャブ、メジャブ、幻視、幻聴、錯視、恐怖感、体外離脱、抑うつ感、恍惚感、笑い発作などがある。
・てんかん発作を疑う状況としては、〇続時間が短い、突然始まり突然終わる、A覆┐詁睛討毎回一定、がある。
・てんかんの2%に起こる発作後精神病では、発作後の数日間は症状がなく、そのあとに幻覚・妄想・情動変化が出てくる。

●シンポジウム「精神・発達障害者の就労支援に関わる精神科医(主治医・産業医)の必須アイテム」(司会:神山昭男、奥山真司)
◎「働き方改革とこれからのメンタルヘルス対策」(神ノ田昌博)
・今後は産業医のネットワーク化が必要では?産業医には産業保健活動のリーダーとしての役割に求められる。
◎「労働者の適性を重視した就労支援」(渡辺洋一郎)
・労働者の適性にあった仕事内容にしたり、働きやすい職場環境を作ることは、労働者の健康やパフォーマンスの向上につながり、結果的に事業所の業績向上につながる。
・休職者の復職先についても、本人の適性を把握したうえで、慎重に考える。
・「厚労省編 一般職業適性検査」が有用。
◎「嘱託産業医の立場から」(森口次郎)
・以前は産業医は就業規則を拠りどころにしてきたため、「休職事由がなくなったときに復職」というのが基本的な考えだった。しかしメンタルヘルス問題・難病・がんなどを抱える労働者の支援しようとすると、この考え方では十分に対応できない。
・合理的配慮は大まかには以下の3タイプになる。(理的環境への配慮(サングラスの使用、昇降機の設置)。意思疎通の配慮(私事を図示する)。ルール・慣行の柔軟な変更(放射線治療のための時間有休取得)。
・合理的配慮を行うときには、以下の流れをたどる。〇業者が障害労働者とよく話し合う。個別は障壁を把握する。事業者自身の負担とすり合わせながら、合意に至る。

●ワークショップ「脳波の基礎コース」(司会:山内俊雄、矢部博興)
◎「どんなときに脳波検査を考えるか」(山内俊雄)
・脳波検査を考えるのは、以下のような状況のときである。[彎仮評の理解に苦しんだとき。意識の障害が疑われるとき。N彎仮評のよりよい理解のために。た臾桶仞奪螢坤爐陵解のために。イ討鵑んなど脳波の異常が知られているとき。
・脳波の基礎律動は意識障害の程度を反映する。
・脳波は脳の機能を把握する鋭敏な検査である。
◎「臨床脳波の基礎知識」(矢部博興)
・単極誘導では「耳朶(じだ)の活性化」の問題が起こることがある。初学者は平均基準電極法で判読する方が間違いにくい。
・てんかん発作を起こす人で、初回脳波で発作波が見つかるのは50%。何回取っても最大で90%の確率でしか見つからない。
・逆に発作波があっても発作がでない人もいる。
・発作波が脳腫瘍のサインであることもある。
・脳波上の「成人」は25歳。それまでは後頭部に遅い波が混じる。
◎「脳波判読時に注意すべきこと」(渡邊さつき)
・初学者にありがちなこととして、,△譴發海譴瞼波に見える、低振幅の徐波の見落とし、がある。
・背景活動と棘波を区別するには、〜宛紊力続性を見る、⇔戮療填砲稜鳩舛噺比べる、棘波の基本形と比べる、が大事。
・ハンプを棘波と間違えないように気をつける。頭頂部に優位、両側性。
・筋電図アーチファクト。上行線と下行線がくっついている、振幅がバラバラ。
・電位には勾配がある。1つの電極だけで発作波が出るのはおかしい。
・迷ったときには専門医に紹介する。
・異常所見は再現性が大事。
・発作症状なしにてんかんの診断はできない。
◎「てんかん脳波の基礎」(原恵子)
・てんかんの脳波は変化するものである。
・精神科医が診断するのは、特発性全般てんかんと、症候性局在関連てんかんの2グループ。
・特発性全般てんかんには、ー稠欠神てんかん、⊆稠ミオクロニーてんかん、A竿牟直間代発作のみを示すてんかん、などが含まれる。
・局在関連てんかんの発作波は以下の特徴がある。.皀鵐拭璽献紊鯤僂┐討皸貭蠅任△襦↓2つ以上の電極を巻き込み、電位勾配を示す、再現性をもって繰り返し出現する、いれいなサイン波ではない。
・臨床症状を詳しく聞けばてんかんの発作型とてんかん症候群はほぼわかることが多い。一方で脳波なしには区別できない場合もある。仝部自動症+意識減損のケースで、側頭葉てんかんなのか若年欠神てんかんなのか?∈険差がある上肢の動きがあるケースで、局在関連てんかんなのか若年ミオクロニーてんかんなのか?A歓箸韻い譴鵑里澆鮗┐好院璽垢如⊂標性局在関連てんかんなのか特発性全般てんかんなのか?
・欠神てんかんは脳波所見が病勢を反映する。
・若年ミオクロニーてんかんでは、未治療の場合8割ぐらいが発作間欠期てんかん性異常波を呈する。光刺激に過敏性あり。発作を抑制しても断薬で発作再発率9割。
◎「非てんかん脳波の基礎」(太田克也)
・脳波判読のためには、まずは波を好きになることが大事。
・報告書を作成し、指導を受けることが大事。

 

写真1   学会会場である「朱鷺(とき)メッセ」の隣には信濃川が流れている。すぐそこが日本海への河口である。

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