お休みどころ

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新潟の精神神経学会に参加する1 2019年6月19日(水)

   精神科の最大の学会が日本精神神経学会です。この学会が専門医を認定してきたこともあり、専門医資格更新の単位取得には学会参加が必要(に近く)なっています。吉田病院でもドクターが順番交代で出かけるのですが、今年は僕が行けることになりました。
   ところが会場が新潟市なのです。子どもが小さいこともあり、できれば近くて行きやすいところが良かったのですが、とても遠いです。そうなると学会が始まる前日から行き、3日間の学会が終わった翌日に帰ることになるので、計5日間家をあけることになります。できるだけ早く帰ろうと学会プログラムができるのを待っていたのですが、8000人以上が参加する学会だけあって、飛行機も満員状態です。乗れる便が早朝の便しか残っておらず、結局よけいに長く家をあけないといけなくなりました。
   新潟市を含め、東北の日本海側には行ったことがありません。新しい場所に行くときにはだいたい楽しみなのですが、今回はなぜか気乗りがしませんでした。僕が好きで新潟に縁がある文化人がいないのも一因かもしれませんが、なぜかなかなか新潟市について調べることもしなかったのです。そのまま出発の朝になってしまいました。
   朝に携帯電話を見ると、ゆうべ美紗さんからメールが来ていました。なんと新潟で地震があったそうです。津波のおそれもあるとのことです。飛行機がちゃんと飛んでくれたらいいがと少し心配になりました。
   さらに偶然なのですが、鹿児島空港から飛行機が出発するときに、アナウンスが入りました。前の便に鳥が衝突したらしく、滑走路を点検するので、いったん離陸をやめて戻りますとのことです。結局はしばらくして離陸できたのですが、これもまた不吉な出来事でした。ですが変なのですが、不吉な出来事があることでやる気が湧いてきました。
   大阪経由で新潟に順調に飛行機はつきました。どんよりとした曇り空で、シトシト雨が降っています。日本海側の冬にはどんよりとした天気が多いと聞いたことがあります。空港バスで市内に向かったのですが、道幅が広く、ガランとした雰囲気があります。ドイツ映画に描かれていた冬の港町を思い出しました。木々の様子を見ても、九州よりもずいぶん寒そうです。緯度が違うので気候が違って当たり前なのですが、異国に来たような感じがしました。
   新潟駅前のビジネスホテルから、まずは会場である「朱鷺(とき)メッセ」まで歩いてみることにしました。裏道を通ったせいもありますが、シャッター街が目立ちました。もともとは駅前の商店街が中心地だったのでしょうが、おそらく郊外の大規模店舗にお客さんが移っていったのでしょう。新潟に限りませんが、以前の中心地の再活用が求められています。
   30分ほどで朱鷺メッセにたどり着きました。次に美紗さんと約束していた「新潟市水族館 マリンピア日本海」に行きました。ここで子どもたちのおみやげを買うように頼まれていたのです。マリンピア日本海は地元の海や川の魚の展示と、世界の魚の展示の両方をしようとする展示であり、学術的な内容になっていました。いちばん印象的だったのは地域の海の展示で、海藻や岩の様子や魚の種類が鹿児島とはずいぶん違うんだなと思いました。信濃川と阿賀野川という大きな2つの川の河口にあたり、川と海のつなぎ目であるのが新潟市の地理的な特徴のようです。
   時間があったので、水族館でポスターを見つけた「新潟県立万代島(ばんだいじま)美術館」に行ってみました。現代美術の展覧会「コレナニ?!びじゅつ    アートいろいろ 見かたイロイロ」でした。現代美術でも古典芸術と変わらず、この世界や生きている経験そのものを、既成概念を取り払った形で提示しようとしていると感じました。僕がいいなと思ったのは「山水(さんすい)ーくずるる2」(伊藤彬)という作品でしたが、描かれているすすきの野原は不気味です。生きていることと死んでいること、気持ちよさと不快さ、健康なことと腐敗することといった両極のどちらでもない姿が描かれています。ふだんは生きていることをあまり意識しませんが、例えば他の生き物を食べないと人が生きられないことをとっても、かなり不気味なことなのでしょう。
   最後に夕食を食べることにしましたが、お腹がまだあまり減っていません。レストランに入ろうかと迷ううちに、駅の一角のスーパーのようなところが目に入りました。デパートの地下の食品売り場のような感じで、お惣菜コーナーがごった返しています。タクシーの運転手さんが言っていた「新潟は食べ物が新鮮でおいしく、水もおいしい。お酒もうまい」ということが思い出されました。海の幸と山の幸とお米のすべてが手に入りやすいんですね。「ホタテ貝入り切り干し大根」「カニしんじょ」といったお惣菜を買いましたが、たしかに何を食べてもおいしいと思いました。おいしいごはんを食べたのもあって、明日からの学会への意欲が高まっていきました。

 

写真1   駅のそばの商店街はシャッター街になってしまっている。

 

写真2   会場である「朱鷺(とき)メッセ」のビル。高いので街のあちこちから見える。

 

写真3   「新潟市水族館 マリンピア日本海」の入り口。小さそうだがなかはすごく広い。

 

写真4   日本海の岩場の特徴や海の様子も展示されている。干満の差が小さかったり、夏と冬の水位が違うために、岩場の上の方にはフジツボなどが少ないのだそうだ。

 

写真5   人懐こいビーバーも展示されていた。

 

写真6   「新潟県立万代島(ばんだいじま)美術館」の展覧会「コレナニ?!びじゅつ    アートいろいろ 見かたイロイロ」のチラシ。既成概念を取り払うと、生きていることはそれ自体が不気味だ。

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