お休みどころ

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やすみの入学式 2019年4月9日(火)

   やすみは6歳になり、3月末に保育園を卒園してから自宅で過ごしていました。保育園のときには朝は6時に2階の寝室から1階に下ろしていたのですが、小学校になると7時に家を出るので、朝は5時半起きになります。僕は早めに5時半に下ろすように切り替えたのですが、下ろしてからもやすみは寝ていました。
   ですが次第に入学式が近づいてきました。大きな変化は近所の6年生の女の子が訪ねてきてくれたことです。集団登校がない代わりに、近くの6年生がお世話係になって、1学期の間は朝に迎えに来てくれるのだそうです。やすみが自分で歩いて登校するのが現実味を帯びてきました。
   実は美紗さんも僕も通学路はよくわかりません。というか学校まで2キロあり、僕たちも歩いたことがないのです。僕からすれば車で行くような距離であり、小学生にしっかり歩けるのかは半信半疑でした。でも近所の女の子は毎日歩いて通っているわけですから、徒歩圏内なのでしょう。
   やすみが通っていたさざなみ保育園は自宅から見て人吉市の反対側に位置しています。なのでやすみと同じ小学校に進学する同級生が誰もいないのです。やすみは「小学生になりたくない」「お友だちが誰もできない」とずっと言っていました。美紗さんや僕が「友だちはすぐにできるよ」と何度も伝えてきたのですが、あまり効果はありませんでした。
   そういうわけでやすみが不安を抱えたまま入学式の日を迎えました。受付を済ませたあとは教室の自分の机に座って待つのですが、やすみは不安そうです。仕方がないとはいえ、僕たちも少し心配でした。
   入学式は固い感じですが、思っていたよりはテンポよく進みました。30分前から先生が教えたように、子どもたちは「ありがとうございます」「よろしくお願いします」といった返事をしていました。集団に入れない子やジッとできない子は目立ちませんでした。とはいえ発達症の子どもたちにとっては、入学式は苦行の場(慣れない場所、先が見えない展開、異様な緊張感、拍手などの騒音、多数の大人からの注視)というのもよくわかりました。
   そのあとクラスに戻って担任の先生からガイダンスがありました。不思議なことに、あれだけ緊張していたやすみが非常に楽しそうにしています。「明日が楽しみ」と何度も言っています。その後写真を撮りに行くときも、家に帰ってからも、何度も「楽しみ」と言っていました。重圧感を乗り越えた喜びでしょうか。不思議なくらいの変わりようでした。
   次の朝は5時半にやすみも起きました。朝の準備も自分からできました。ごはんを食べて準備をして、お世話係の女の子を待ちます。「重いランドセルを背負って、学校まで歩けるのだろうか?」とこちらは心配ですが、女の子といっしょに出かけて行きました。学校からの帰りに迎えに行くと、ちゃんと先生たちといっしょに帰ってこれました。
   やすみは成長のある段階(ゲート)をくぐったんだなぁと感じました。子どもの成長は連続したジワジワとしたものだけではなく、ときには一気にワープするようなことがあるのでしょう。やすみは新しい場所で新しい人間関係を作り、自信を付けていくでしょう。そのぶん親は後ろに引いていかないといけません。少しさみしいですが、仕方がないです。「やすみがチャレンジするのを横で見守る」くらいの気持ちに切り替えていかないといけないですね。

 

写真1 入学式の前。まだやすみは不安を感じている。

 

写真2 入学式のあと。気分が高揚している。

 

写真3 いまから学校に歩いていく。

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