お休みどころ

こころの相談活動を作り続ける
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2019年1月日録2

1/12(土)   外来や入院でてんかんを持つ人を診療することが増えてきているので、『てんかん診療スキルアップ』(吉野相英編集、医学書院、2014年)の一部を読み直した。名著であり、何度読んでも発見がある。この本ではてんかんを合併しやすい疾患も取り上げられているが、知的発達症・自閉スペクトラム症・ADHDといった発達症もてんかんを合併しやすいそうだ。僕は発達症を中心に診療しているので、結果的にてんかんと遭遇する率が高まることになる。典型的な発作症状であれば、てんかんはすぐに疑われるのだが、側頭葉てんかんの発作(吐き気がする・不安や恐怖を感じる・デジャブを感じる・ボーッとする・口をモグモグする・手をまさぐる、など)や部分発作のなかの精神発作では、てんかんだと気づかれにくい。てんか
んについては僕は体系的な勉強をしてきていないので自信がないが、経験しながら学んでいきたい。 
   発達症の子どもたちの発達を促進したり、社会性を高めたりするリハビリテーションを、日本語で「療育」と言っている。療育に関しての体系的な本を読んだことがなかったので、いい本がないか探していた。インターネット上で見つけたのが、冊子『発達支援の指針(CDS-Japan 2016改訂版)』(発行:全国児童発達支援協議会、2016年)だ。とてもコンパクトだが、療育についての教科書と言えるような内容だ。
   発達を効果的に支援するには、以下の能力が必要になる。〃鮃・人間関係・遊び・感覚・運動・言葉・表現・生活習慣などの発達の程度についてのきめ細かい評価、発達を促進するための手だての知識と実践経験、使える社会資源についての知識、っ楼茲了抉腑優奪肇錙璽を高めるための行動、イ海譴蕕粒萋阿力帆箸澆鯆蠅瓩詼[Г篝度に関しての知識。
   この冊子は具体的な技法集ではなく、支援活動の概略と枠組みを提示してくれるものだ。そして適切な見立てをする上では、個別の技法よりも、広く見渡せる視点の方が、より大切になる。僕自身も療育の経験がないので限界があるが、療育という分野はどういう分野なのかは、なんとなくつかめてきた気がする。今後は療育の専門家と連携して支援をしながら、療育の方法や強みについて学んでいきたい。 
1/14(月)   美紗さんの姉の令紗さんといっしょに、子どもたちを遊園地に連れていった。遊園地はもともとは子どもの遊びのための場所で、楽しい遊びの寄せ集めのはずだ。僕が小さい頃にも、遊園地に意味を感じたことはなかった。ただ遊べる場所というだけだった。
   ところが大人になったいまの視点で見ると、いい遊園地には何らかの思想や哲学が背景にあるような気がしてくる。祭りにも共通しているのかも知れないが、ただ騒がしければいいわけではない。ほんとうにおもしろさを感じさせる場というのには、何かより大きな目的のための「捧げ物」という面があるのではないか?
   遊園地には、子どもが日常とかけ離れた空間に投げ込まれて、初めてのことに挑戦する「冒険」の要素がある。遊びには創造的な生き方の原点が含まれる。いい遊園地は子どもを刺激したり、発達を促進したりする場所なのだろう。「遊び」ということを掘り下げて考えてみる必要があると思った。
   ただ最後に1つ疑問が残る。それは「この刺激感や探索感を、日常の平凡な日々のなかで持つことはできないか?」ということだ。遊園地の哲学が目標として示すものは、普段から遊びの精神を持って生きることだろう。どんなにささやかな挑戦でもいいので、日々のなかに冒険を見つけていきたい。

 

写真7   『てんかん診療スキルアップ』(吉野相英編集、医学書院、2014年)。基礎的・学問的な知識から、実務に直結する応用的な知識まで、コンパクトにまとめられている。とても使いやすく、かつ勉強になる本だ。

 

写真8   冊子『発達支援の指針(CDS-Japan 2016改訂版)』(発行:全国児童発達支援協議会、2016年)。療育についての総論がまとめられている。

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