お休みどころ

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響の療育 2018年12月6日(木)

   息子の響(3歳)については、以前から発達面での心配がありました。こども園に通うようになってしばらくのうちは、「まだ慣れていないから」とか「3月生まれで同じクラスの子たちよりも小さいから」と考えていました。ですが保育士さんの言葉での指示をよくわかっていないことや、一対一でないと作業できないことなどが手帳に書かれてあると、やはりガックリくるのでした。
   また姉のやすみや妹のしずくと比べても、発達のスピードが違うのを感じていました。例えばしずくはまだ1歳半なのに、スプーンを使って自分でごはんを食べようとします。でも響はスプーンで食べさせてもらおうとして、自分からはなかなか食べませんし、好きなものしか食べません。また響はウンチがまだうまくできません。お箸もうまく使えないです。
   3歳半健診の際にも保健師さんの指示がわからずに、スクリーニングが全然できなかったそうです。それで発達検査を受けることになっていました。いよいよ検査の日である12月6日が来たので、美紗さんといっしょに響を保健センターに連れていきました。
   検査をしてくださったのは、僕も何度も会ったことがある心理士さんです。美紗さんと僕は響と同じ部屋にはいますが、会話はせずに様子を見ておくだけです。検査はたくさんの項目に渡っていて、積み木で形を作ったり、物の名前を言ったり、折り紙をしたり、ジャンプをしたりといったことです。響は僕が思っていたよりもずっとよくできていましたが、どんどん集中力が切れて、イスをユラユラさせたり、姿勢が崩れたりしました。1時間集中するのは子どもにとっては大変なんですね。
   さらに保健師さんが美紗さんと僕から聞き取りをしてくださり、そのうえで結果の通知がありました。検査の種類は「新版K式」で、就学前の子どもによく使われます。同じ月齢の子どもの平均が100としたとき、いくつになるかを表します。響は姿勢運動が50台、認知適応が80台、言語社会が70台でした。普段の響よりもよくできたところがたくさんあったので、いい結果になるかと思っていましたから、意外でした。
   また他にも意外だったことがあります。僕は以前から響の知的な発達が遅れているのではと思ってきました。ところが検査結果からは運動発達が圧倒的に遅れています。そのつぎに言葉の発達に心配があり、認知面はいちばん心配が少ないとのことでした。言葉は最近急激に伸びてきていますので、僕たちはいちばん運動面に注意すればいいことになります。やはり親の立場になると、見立てがトンチンカンになってしまうのだとよくわかりました。
   心理士さんからは、「運動面の課題と言語面の課題がありますので、療育に通われてはどうですか?」と勧められました。また楽しみながら運動することが大事とのアドヴァイスもいただきました。そして1年後にまた発達検査を受けてみることになりました。
   美紗さんも僕も療育を受けさせたいと思ったのですが、実は問題がありました。療育の通所施設の空きがないのです。僕は児童発達支援センター「スイスイなかま」の嘱託医をしていますので、通所希望者が多くて満員なことはよく知っていました。「ダメもと」でスイスイなかまに問い合わせてみたのですが、やはり満員でした。 
   通わせる先がなければ、継続的に専門家のアドヴァイスを受けることができません。困っていたとき、去年までスイスイなかまのリーダーをされていた前村さんのことを思い出しました。定年になられたので、自分で通所施設を立ち上げられたのでした。
   さっそく前村さんにお願いしてみました。まずは見学をしてください、そのうえで決めましょうとのことで、通所できる可能性が出てきました。前村さんとは僕は以前から交流があり、エキスパートであられることはよく知っていますから、とてもうれしく思いました。
   ですが僕のように子どもの発達支援の分野に関わっていない人なら、通所先がなければ困ってしまうだろうなぁと思いました。療育の通所施設は近年急増していますが、長年子ども支援に携わっている方の施設もあれば、専門家のいない施設もあり、質の均てん化に大きな課題があることはよく聞いています。そういった情報がないままに通所施設を探さないといけなくなるのは大変だろうなぁと思います。
   発達症は特性の強い子から弱い子までさまざまあり、状態に応じて支援のあり方も変わるべきです。特性が強くて問題が大きい場合には医療+療育+教育支援となるべきですが、軽いケースでは療育だけで経過をみたり、保護者の支援のポイントを伝えるだけにすることが適切でしょう。療育といってもしっかり行えるのは就学前の段階で、小学生になると行える支援が減ります。中学生以上になると部活動などのために、ほとんど行えないことが多いのです。
   ですので3、4歳で発見して療育を入れてあげられる体制があるのが望ましいです。地域の全ての子どもが状態に応じて必要な支援を受けられることが大事です。僕が普段病院で診療しているのは5歳以上の子どもたちなのですが、より小さな子どもたちの支援体制の充実のためにできることが何かないかと思います。「困ったときにSOSを出せる」「自分1人でなんでもしようとせずに、必要なときには支援を利用できる」ことが生きていくうえでとても大事で、そういった能力を付けるうえでも小さいうちから支援を受けることになじんでおくのが大事だと思います。

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