お休みどころ

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しずくの入院 2018年10月20日(土)

   やすみと響をさざなみ保育園に送ったり迎えに行ったりするときに、いろいろな掲示を目にします。遠足や芋掘りといった行事であったり、地域のお祭りであったり、子育て研修会の案内であったりします。冬になるとインフルエンザウィルスやノロウィルスの感染者数なども掲示されます。
   最近保育園に行くときに、「RSウィルスの感染者数」が書いてあることは目に入っていました。僕は知りませんでしたが、RSウィルス感染症は冬に流行して、2歳以下の子どもが悪化しやすいのだそうです。最初に熱が出ますが、あとでは痰がらみや咳が目立つ、とインターネットの情報にはあります。
   あまり気にしていなかったのですが、響がかかってしまいました。情報の通りにまずは熱が上がってぐったりします。さらに咳や痰が続きます。ただそれ以上に問題なのが、子どもが病気をすると甘えたり不機嫌になったり赤ちゃん返りをするので、非常に手がかかるということです。ささいなことで泣き出したり、ごはんのときにも、「パンがいい」と言い出し、そしてパンを持ってくると全然食べないといった具合で、親は振り回されてしまいます(泣)。
   響は病院に言ってRSウィルスと言われました。飛沫感染や接触感染があるので、当面は保育園は中止です。1週間から10日ほどかかるそうです。予想通りにしずくにも移り、病院に連れていくとRSウィルスでした。やすみが体調を崩さなかったのが幸いでしたが、響としずくがグズグズ言ってママの取り合いなどをするので、美紗さんも1日中子どもに付いていないといけなくなりました。
   そこまではまだ想定内だったのですが、想定外だったのは、しずくの熱が高熱になったことです。38度台後半から39度台になりました。また息をするときにヒューヒュー音がするようになりました。美紗さんは心配して「聴診してみて」と言ったのですが、僕は面倒がってしないままでした。
   僕が当直の夜に美紗さんから「陥没呼吸になってるよ」とメールがありました。僕は「チアノーゼになったら病院に行かないとだね」と返しました。次に美紗さんから電話がありました。あまり苦しそうなので病院に行ったら、入院になったとのことです。
   僕は頭が真っ白になりました。入院はいいのですが、美紗さんが入院に付き添わないといけなくなると、やすみと響の面倒をみる人がいなくなってしまうのです。去年響が入院したときも、この人手の問題に困らされました。夜でしたが美紗さんが鹿児島のお父さんに連絡し、幸いにもお父さんが来てくださいました。入院は急に決まるので、家族は準備が大変です。家族としては、付き添いをなくしてほしいと切に思います。
   僕は翌日も日勤でしたので、しずくのもとに行けたのは翌日の夕方でした。美紗さんの話ではだいぶ改善したそうです。体に酸素や点滴やモニターの管がいっぱい付いています。まだ元気がなくグッタリしていました。
   しずくは食事はまだ食べませんでした。内服薬を飲ませたり、ネブライザーをすると、あとは僕の役割は見守りぐらいです。最初はソファーベッドから様子を見ていたんですが、看護師さんから添い寝でもいいですよと教えてもらいました。添い寝をした方がしずくも安心するようで、落ち着いています。
   ですが自動輸液のポンプがピーピーなったり、三方活栓から薬を入れたりで看護師さんが1〜2時間に1回は来られます。その度に目が覚めるので、寝たような寝ていないようなでした。ですが看護師さんが親切な方で、子どもの様子をまめに見てくださっているのがわかり、ありがたく思いました。
   看護師さんが処置などをするときに、しずくは申し訳ないくらいに泣き出します。親に付き添ってもらわないと子どもが泣いてしまい、看護師さんは大変だと思いました。家族にとって付き添いの負担は大きいですが、このやり方しかないのでしょう。
   次に僕が付き添えたのは、入院4日目の昼間でした。食事は半分くらいとれるようになったのですが、まだ呼吸が速いです。主治医からは徐々にステロイド剤を減量していきますと話がありました。改善傾向と聞くと、親としてはホッとします。しずくが目に見えて元気にはまだなっていませんが、少しずつ回復しているようです。
   ところでやすみと響ですが、美紗さんのお父さんとの生活では、普段よりもお利口にしているみたいです。子どもたちなりに「何か大変だ」と感じているのでしょう。響のRSウィルス感染症は改善して咳も出なくなり、保育園への登園許可も病院でもらえました。やっと響も保育園に行けます。徐々に日常に戻っていきます。
   しずくは4日目の夕方には少し遊びが出てきました。僕の方に足を伸ばしたり、指を僕の口に持ってきてチュッとさせたり、酸素飽和度モニターのヒモを触ったりします。子どもの回復は遊びの出現という形を取るんだなぁと思いました。これは大人も同じかもしれません。
   次に付き添えたのは6日目の昼間と夜でした。モニターや点滴がなくなり酸素カニューレだけですし、しずくが元気でベッドから下りて過ごしています。僕の靴をはいて歩こうとしたり、携帯を触ったり、遊びが活発です。「パパ」「これ」といった発語も多く、普段と変わらない感じになりました。もうすぐ退院になるという手応えを感じることができました。
   子どもが病気をすると、普段の家族システムが崩れてしまいます。当たり前だと思っていた生活パターンを回していけなくなるのです。最大の問題は人手が足りなくなることで、僕たちの場合は美紗さんのお父さんに助けてもらえたので良かったのですが、両親や親族と離れて暮らしている人は大変だと思いました。危機のときに家族をサポートする仕組みが、安心して子育てをできるためには求められているのではないでしょうか。子育て支援の仕組み作りは奥の深い分野だと思いました。

 

写真1 入院2日目のしずく。グッタリしている。

 

写真2 入院4日目のしずく。食事がとれるようになってきたが、まだ呼吸が速い。

 

写真3 6日目。美紗さんのバッグを持って遊んでいる。

 

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