お休みどころ

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周産期懇話会で話す 2018年9月5日(水)

  僕の以前からの友人に瀬戸雄飛さんがいます。産婦人科の医師をされていますが、多方面に関心をお持ちで、精神科のことも学ばれています。すごく気さくですし、社会の問題に関わっていく姿勢をお持ちですから、僕にとっては話しやすい方なのです。
  瀬戸さんに初めてお会いしたときに、2つのことを言われたのを覚えています。ひとつはもともと学生時代から精神科に関心があったこと。もうひとつは、妊婦健診に全然来られない(支援が入らないハイリスクな)妊婦のケアができないか考えているということでした。共通の問題意識を感じてうれしくなりました。
  その後、瀬戸さんと協力して仕事をする機会がいつくかありました。妊産婦のメンタルヘルス問題のケアであったり、発達症がある妊産婦への虐待予防アプローチであったりしました。ちょうど産婦人科と精神科のはざまにある問題群に、それぞれの側から手を伸ばして取り組んだのです。
  産婦人科と精神科では診療スタイルの違いがあります。ひとつは時間のペースです。産婦人科は1日1日病状が変わったり、数時間で勝負したりします。ところが精神科は受診間隔も2週・1ヶ月・2ヶ月といった具合です。よくも悪くもゆったりなのです。もうひとつの違いは、診療の対象です。産婦人科は主に妊産婦や婦人科疾患の人を集中的に診療するのに対して、精神科は子どもから高齢者までと範囲が広いです。期間や対象を比較的限定して集中的に関わるのが産婦人科なのに対して、精神科は広く薄くといったところがあります。この違いがあるために連携しにくくなっていますが、互いに少しがまんすれば、乗り越えて協力することも可能なのです。
  さて、最近2つの勉強会がありました。僕が同僚たちといっしょに瀬戸さんを講師に招いた勉強会と、瀬戸さんが僕を誘ってくださっていっしょに話した勉強会です。たまたまなのですが、ほぼ同じ時期になりました。
  瀬戸さんをお招きしたのは、吉田病院の子ども支援チームが主催している発達症勉強会です。瀬戸さんは妊産婦のメンタルヘルスケアについて話してくださいました。なぜ産婦人科スタッフがメンタルヘルスの問題に関心を持っているのか?どのようなケアをしているのか?それが実証的に論じられていて、非常にためになりました。瀬戸さんは産婦人科医なのですが、自分たちよりも精神科の仕事のほんらいあるべき姿に近い診療をされていると感じました。
  瀬戸さんが招いてくださったのは、「周産期懇話会」という勉強会です。熊本大学附属病院の産婦人科医の方が呼びかけ人になっているもので、年に数回開催され、すでに200回以上の歴史がある集まりです。助産師・保健師・医師など産婦人科関係の方が広く集まるとのことでした。
  この場で瀬戸さんは妊産婦のメンタルヘルスケアを、僕はハイリスク妊産婦と発達症について話しました。意図したわけではないのですが、まさにいままで瀬戸さんとしてきたことの総まとめのような感じだったのです。
  僕が話してみて意外に感じたのは、産婦人科関係の方々も精神疾患の問題に困られていて、すごく関心を持ってくださっているということです。瀬戸さんとはたまたま仲良くなったのですが、産婦人科と精神科という2つの世界もつながりあうべき時期に来ているようです。
  僕は産婦人科関係の人たちに話すのは初めてでした。ですが分野の違いを越えて、共通の関心を持つ人とは仲良くなれるという確信をえました。知り合った方から、産婦人科の病院に話しに来てくださいとの依頼もいただきました。自分の分野のなかだけにいて、怖がって出ていかないようではいけないと反省しました。
  でもこのような新しい展開のきっかけには、やはり個人と個人の出会いがあります。新しい人と出会うと、新しい活動分野が開けます。人との出会いを大事にしていくことが、創造の土台になるのですね。どこに大事な出会いがあるかわかりませんので、普段からアンテナを張って生きていきたいと思いました。

 

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