お休みどころ

こころの相談活動を作り続ける
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2017年12月日録3

12/10(日) アルコール使用障害の代表的な自助グループが断酒会(だんしゅかい)だ。全国組織であり、名前の通りに断酒を目指す人たちが継続的に会合を開いている(例会は1〜2週に1回ほど)。熊本県内にも13か所の支部があるとのことで、球磨地方にもいくつも団体がある(たしか7つ?)。それらの団体の年1回の合同集会が吉田病院であったので参加した(正式名は「球磨人吉地域合同断酒会」)。
  参加者が非常に多く、120の座席では足りずにスタッフが10〜20椅子を追加した。当事者・家族に加えて、保健師・福祉課・社協・A型事業所といった地域の支援者の参加が多かったのでうれしかった。内容の中心は5〜6人の当事者・家族による「体験発表」(飲酒によって引き起こされた問題も含めて率直に人生を振り返り、参加者の前で話すこと)だ。断酒歴の比較的短い人が多かったこともあり、強気の発言も多かったが、仲間といっしょに目標に向かって進んでいく力強さが感じられた。
  医師や支援職によるコメントは、「なぜ断酒会で継続的に語り合うことが治療効果を持つのか?」を掘り下げたものが多かった。特に岡田洋一さんのお話は深みがあり、「人が語りながら人生をとらえなおしていく」プロセスが強調されていた。自分の弱みも含めた事実は、経験してすぐに語れるわけではない。少しずつ少しずつ人生の歴史をとらえなおしていくなかで、大事なことが徐々に言葉になっていく。そして生きる支えになっていく。自分自身を正確にとらえる言葉を育てていくことには大きな意義があるのだと感じた。
12/12(火) 友人たちとの食事会があった。食品業界や教育分野など異業種の人たちと話せる貴重な機会だ。他分野の課題や取り組みが医療分野に応用できることもよくあり、ひらめきを得るためにも気楽な付き合いをできる仲間の存在は大事だと思う。また娘のやすみが2日後に5歳になるのも祝ってもらえてありがたかった。
12/13(水) 若い友人のA君の論考を読ませてもらった。まだ高校生なのに自分の考えたことを論文形式で記載してまとめようとするところに驚かされる。僕には高校生の頃に「自分の考えを人に伝えよう」というハッキリした意思はなかった。またきちんと形式を整えて表現しようとする緻密さや慎重さもなかったと思う。
  僕が初めてA君と出会ったとき、たしか対話の意義について2人で話した。人生でそんなに多くはないけど、自分を変える出会いを恵まれるときがある。そのときには、相手を通して自分と違った価値観や世界が流れ込んできて、未知の領域に自分を導いてくれる。そして経験や思考や表現の幅を広げてくれる。そんなような「出会いのすばらしさ」について話したように思う。
  それから時間が経ったが、やはりA君は深みのある出会いを貪欲に求めている。それはA君が「自分の殻を脱いでより成長したい」という欲求に満ちていることの表れでもあるし、A君の才能が大きくて、まだまだ開拓の余地があることを表してもいると思う。「自分を触発してくれる誰か」を探しているような感じだ。
  A君になによりも必要なのは、優れた「人生の師」や仲間を見つけることと、自分が長年かけて取り組む大事な問題を見つけることだろう。人生の師は未来の自分の姿を予見して引き出してくれる。仲間と意見をぶつけ合うことなしには、学びの広がりに欠けるだろう。そして大切だが困難な課題に取り組むことなしには、自分の限界を見極めることはできないと思う。
  僕にできることは、残念ながらエールを送ることぐらいだ。短期間で答えが見つからなくても、自分の疑問をゆっくり育てていってほしい。回りの人たちの理解はすぐには得られないかもしれないが、自分の見つけた問題をじっくり掘り下げていけば、いずれは違った形で出会い直せるはずだ。
  いまからA君は危険もある「踏みならされていない獣道」を歩むことになるかもしれない。そのときにふっと感じられる追い風になれたらと思う。あるいは迷ったときや疲れたときに休みに来れる泉のようでありたい。

 

写真13〜14は友人たちとの食事会の際の写真です。


写真13 パティシエールの友人がケーキを作り、やすみの5歳を祝ってくれた。

 

写真14 友人たちと走り回って遊ぶやすみと響。

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