お休みどころ

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院内広報誌の原稿2 2017年12月24日(日)

  以下は僕が務める吉田病院の院内広報誌に書いた原稿です。発達症の1つである自閉スペクトラム症の支援がテーマです。
 
自閉スペクトラム症について
  「自閉スペクトラム症」も代表的な発達症の1つですが、名前がわかりにくいですね。「自閉症」という言葉は70年以上前から使われており医療者にはなじみがあるものなのですが、以後現在に至るまで「自閉症の症状を部分的に持つ、より軽症の状態がある」という方向で研究が進んできました。そのなかで「高機能自閉症」や「アスペルガー症候群」といった概念が作られたわけですが、いったん細かく分けるのをやめて一つにまとめようということで「自閉スペクトラム症」という名前になりました。
  「スペクトラム」というのは「薄いものから濃いものまで連なって並べた連続体」といった意味合いの言葉で、例えば虹は光のスペクトラムです。赤⇒黄色⇒緑⇒青⇒紫と波長が長くなるごとに光の色は移り変わっていきますが、ぷっつり切れるわけではなくて、ジワーッと移り変わっていきます。そんなようにいくつもの状態を含む連続体が「自閉スペクトラム症」になります。ややこしいですね(泣)。ですが一つにまとめられたことで医療の現場での混乱は減ったように思います。
  それでは自閉スペクトラム症の子どもの症状にはどんなものがあるのでしょうか。とりあえず箇条書きにしてみます。.▲ぅ灰鵐織トや身振り手振りといった「言葉をやり取りしないコミュニケーション」の苦手さ。⊂賁未両況把握や相手の心情の推測の苦手さ。集団に入ったり活動することの苦手さ。一人遊びを好むことが多い。げ燭に過度に没頭する。例えば車が大好きでそのことばかり話し続けるなど。ゥ好吋献紂璽襪紡个垢襪海世錣蠅あり、急な変更に弱い。ζ団蠅隆恭个過度に敏感なこと。例えば赤ちゃんの泣き声への苦手さ、においに過敏、服のタッグがチクチクして着れない、極端な偏食、光がまぶしくて外に出れないなど。
  こちらもわかりにくいですね。大まかな意味を一般の言葉で言えば、「空気が読みにくい」「マイペース」「こだわりが強い」「融通が利きにくい」といったことになります。ただ短所は長所でもあるので、逆に「周囲に流されずに自分の信念を貫ける」「興味を深く掘り下げるのが得意」といった面もあるのです。
  学校生活ではどうしても集団行動を求められます。そのなかで周囲との協調の苦手さが目立ってしまったり、孤立してしまうこともよくあります。また勉強の極端な得意不得意が出てくることもあります。不登校、引きこもり、ゲーム依存といったこともあわせて起きることがしばしばです。またうつや不安といった精神症状を合併しやすいことも知られており、だからこそ精神科的な支援が必要になるのです。
  ところで子どもたちが大人になったときには、自閉スペクトラム症の特性はどうなるのでしょうか。一概には言えませんが、基本的には社会適応能力が高まっていって得意不得意の凸凹がカバーされていきます。ですが大人になってからも課題が生じることもあります。発達症の支援は子どものときから始まり、必要によっては大人になってからも続いていくものなのです。

 

 

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