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強度行動障害の研修に参加する2 2017年9月14日(木)

  以下は研修で学んだことのまとめです。要約ではなく、僕にとって興味深かった講義のなかの興味深かったことだけを取り出してあります。また事例報告やグループワークについては少ししか書いていませんが、実際にはそれらがいちばん勉強になりましたし、楽しかったです。いろんな立場の人と話せるのが良かったでした。


強度行動障害を持つ自閉症及び知的障害児(者)に対する行動療法研修会(2017.9.14〜2017.9.15)
●「強度行動障害の医療機然杵澄繊廖偏鯏沈薹叩
・病棟では激しい自傷・異食・他害などがよくみられる。
・強度行動障害を持つ人の約8割は自閉スペクトラム症+(最)重度知的障害。
・強度行動障害の支援の歴史を見ると、施設や病院中心  ⇒  入所施設中心  ⇒  地域生活支援、と移行してきている。  
・精神科病院は発達レヴェルに応じた支援が弱い面がある。
・強度行動障害は医学的な診断名ではなく、状態像である。定義の一つに以下のものがある。「直接的他害(噛みつき、頭突つきなど)や間接的他害(睡眠の乱れ、同一性の保持例えば場所・プログラム・人へのこだわり、多動、うなり、飛び出し、器物破損など)や自傷行為などが、通常考えられない頻度と形式で出現し、その養育環境では著しく処遇困難な者をいい、行動的に定義される群である」(飯田雅子ら、1989)。
・医学的な診断は以下のように多面的に行う。\戸茲両祿果勝知的・発達レヴェル。E喘罎ら合併してきた精神疾患。た搬療な合併症。
・知的障害の合併精神疾患としてはうつ病が多い(1〜3%程度)。ただし症状には典型的なうつ病とは異なる部分がある。他にも双極性感情障害、強迫性障害、統合失調症などがあるが、いずれも典型的なものとは異なる面があるので注意が必要。
・行動障害の理解の枠組みとして、「氷山モデル」がよく使われる。これは目の前の問題行動に注目するのではなく、背景にある本人の特性と環境の相互作用に注目する見方である。
・自閉症や知的障害の人が行動障害を起こしやすい環境としては、以下のようなものがある。見通しがきかない、やることがない、命令される、スケジュールの急な変化、簡単すぎる課題や難しすぎる課題、衣食住に関する不快。
・行動療法とは行動を変化させるための技法の集まりである。大きく分けて、行動に至る前の部分に注目・活用するもの(レスポンデント条件付けに基づくもの)と、行動の結果に注目・活用するもの(オペラント条件付けに基づくもの)がある。
・病棟の構造によって違いはあるが、入院の意義には以下のようなものがある。緊急避難的な本人の保護、家族や施設スタッフの休養、身体合併症への対応、行動や情緒面の状態評価、薬物調整、強度行動障害のリセット、行動療法による介入。
・薬物療法に関しては、以下の点に注目して、少量から始めて少しずつ増やしていく必要がある。大量処方は望ましくない。目標(軽減したい症状)をはっきりさせる。自覚症状を訴えることができない人が多いため、副作用に気づきにくい。脆弱性があり、もともと副作用が出やすい人も多い。
・出現しやすい身体合併症には以下のものがある。てんかん発作、イレウス、外傷、皮膚疾患、齲歯、呼吸器感染症。
・絵カードなどを利用した視覚支援(構造化と呼ばれる)も有効。
・強度行動障害医療の課題には、高齢化と身体合併症増加、地域移行の促進、などがある。


●「ASDの理解と支援の概要」(西村泰亮)
・自閉スペクトラム症の人の認知的な側面の特徴には以下のものがある。生活の中で混乱しやすい。他者の言動の背後にある気持ちや意図を読み間違え、極端なとらえ方をしやすい。一度思い込んだことをなかなか修正できない。未整理なまま蓄積している強い感情とその場面がセットになり、小さなきっかけで生々しく再現される傾向がある。
・自閉スペクトラム症人の感情的な側面の特徴には以下のものがある。感情が極端な形であらわれやすく、気分が極端に上がったり下がったりしやすい。なので抑うつ状態、躁状態、強度の不安状態、爆発的な怒りなどがみられやすい。
・環境の意味をわかりやすく整理して伝えること(構造化)が支援において重要である。
・視覚化も大切である。書字情報、写真、絵、具体物などを活用する。
・支援のポイントには以下のものがある。こだわりや好みを利用する。予告を徹底する。落ち着くための場所(カームダウンエリア)を用意する。新しい行動の形成にむかって少しずつ段階的に進めていく。望ましい行動は具体的にほめる。望ましくない行動は、より適応的な行動に変形させる。禁止をする際には、代わりの行動を提示する。他者への関心を育てる。コミュニケーション技術を段階的に高めていく。感情や衝動のコントロールなど自己管理能力を育てる。肯定的な自己像を描けるように支援する。


●「行動療法と自閉症支援」(山下葉子)
・行動療法の考え方では、以下の2つの視点から、適切な行動を増やし、不適切な行動を減らそうとする。ヾ超を整える。適切なフィードバックを行う。
・手順は以下の通りである。_霪の目標である行動を決定する。▲侫ードバックに使うもの(強化子)と使い方を決める。L槁弦堝阿隆兒,筏録を行う。ぬ槁弦堝阿髻屬っかけ」「行動」「結果」に分けて分析する。ゴ超やかかわり方を工夫する。Ν〜イ魴り返す。
・目標行動を決める際には、できるだけ具体的に表現することを心がける。「食事中に席を立たない」といった否定文ではなく、「椅子に座って食事をできる」といった肯定文で表現する。
・強化子にはシールやポイント、本人の好きな物や活動などがある。
・不適切な行動を減らそうとするとき、決して罰は使わない。
・行動の結果として起こっていること(機能)には以下のようなものがある。好きな感覚が得られる、スタッフの注目を得られる、嫌な活動から逃避する。例えば同じ「自分の頭をたたく」という行動にも、上記のどの機能が起こっているかによって、介入の仕方が違ってくる。


●グループワーク1「目標行動の設定の仕方」
・起こっている問題のなかから課題をいくつか抽出し、そのなかでどの課題に介入していくかを決める。そのうえで目標行動を記述し、強化子も決める。


●強度行動障害の看護(青山瑞穂)
・国立病院機構の役割として、民間病院・施設・在宅ではアプローチが困難なケースの医療がある。
・強度行動障害に対応する病棟が、現時点では全国で9施設、700床ある。
・強度行動障害を持つ人たちは、施設や精神科病院などに4000人以上入所している。
・主病名には(最)重度知的障害・自閉スペクトラム症・てんかん・脳性麻痺が多い。
・行動障害の内容には、粗暴行為・パニック・騒がしさ・多動・排泄の問題・食事の問題・睡眠の問題・物壊し・こだわり・他害行為・自傷行為などがある。
・看護目標には〃鮃管理、∋故防止、9堝鮎祿欧悗梁弍、の徹蕕悗了臆叩↓タ邑△梁砂鼎ある。
・健康管理においては、身体ケアや検査の実施が大切である。うまく訴えられない人が多く、また感染症などの身体疾患への脆弱性を持っている人が多い。
・事故防止においては特に仝輒瑤遼瓢漾↓異食の防止が重要である。異食の対象は無数にあり、特に衣類や食器(スプーン・箸・フォークも含む)に注意する必要がある。
・行動障害への対応としては、々堝偉屠,亡陲鼎統一された対応、構造化の視点からの対応、などがある。


●「強度行動障害の療育」(酒井英佑)
・「療養介護(重症心身障害病棟)」とは、医療機関であり、障害福祉サービス事業所でもある。医療と福祉の両面を兼ねている。
・療育介護の強みとして、療育を提供しながら医療を行えることがある。
・肥前精神医療センターで行われている療育の内容としては、以下のようなものがある。散歩・園芸・遠足・粗大運動・手芸・製作・貼り絵・ワーク・調理・スヌーズレン・アロマトリートメント・カラオケなど。
・参加人数の点からみると、集団療育(20名以上)、グループ療育(4〜8名)、個別療育(1〜2名)に分かれる。
・視覚化・構造化・スケジュールの明確化・強化子の活用などが大切である。


●「実践報告ー強度行動障害への対応ー」(黒木麻美)
・激しい行動障害を持つ利用者への対応の報告。
・視覚化や構造化を徹底している。ツールもここに応じて手作りしている。布をビリビリ破いてイライラを発散できる「ビリビリボックス」、排泄について理解するための冊子、言いたいことをカードを手にして伝えられる「コミュニケーションカード」などが紹介された。
・さまざまな支援を通して、行動障害が減っただけでなく、本人の笑顔や活動範囲が増えている。


●「グループワーク◆
・介入が上手くいかない時の、方向修正のやり方を検討した。


●「強度行動障害の地域移行」(井村裕司)
・退所先には、在宅、施設、精神科病院があるが、入院中に死亡する方もある。
・退所先の決定は時間がかかり、二転三転することも多い。
・家族支援が重要である。
・地域の施設との連携やバックアップも大切である。

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