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強度行動障害の研修に参加する1 2017年9月14日(木)

  「強度行動障害」という言葉をご存じでしょうか?これは医学的な用語ではなく、主として重度の発達症に関わる福祉現場から出てきた言葉だそうです。大まかに言えば、「自傷行為や他害行為、危険な行動などがしょっちゅう起こり、特別な対応が必要な状態」を指しています。文字だけで読むとサラッと読めてしまいますが、本人・他の入所者・施設スタッフの安全を守るために大変な注意とエネルギーを要する深刻な状態です。
  僕が勤務している吉田病院にも発達症や身体障がいの方がたくさん受診されます。入院もよくあります。強度行動障害のレヴェルの方は少ないですが、入院される方には自傷行為や他害行為、浪費、盗み、性的な問題などがよくみられます。また背景に理解力の低下やこだわりの強さなどがあるので、なかなか対策を立てにくいのです。さらに精神薬の効果にも限界があり、あくまでも対症療法的に使われているのが実情です。
  一般的に言えば、重度の発達症の方の治療は難しいと言えます。ですが地域ではすごくニーズがあるのです。なので僕は「どうすれば重度の発達症の方の衝動行動を軽減できるのだろう?」と以前から思ってきました。少しでも改善できる方法があるなら、病院や施設のスタッフたちも絶望せずに済むと思うのです。
  そう思っていた時に、「強度行動障害を持つ自閉症及び知的障害児(者)に対する行動療法研修会」の案内が来ました。会場は佐賀県にある「肥前精神医療センター」です。以前にも2回研修に行ったことがある病院ですので、行くのも気が楽です。研修は2日間ですので、家族で泊りがけで行ってみることにしました。ただ病院の勤務日を2日間開けるのは、仕事がたまってしまって後が大変なのですが、我慢することにしました。
  9月14日の研修初日は午後からです。午前中に早くついてしまったので、会場から車で20分ほどの公園「わんぱく王国  そよ風の丘」(〒8420201佐賀県神埼市脊振町広滝1472, 高取山公園、電話0952519020)に行きました。山の急斜面を利用してかなり長い滑り台が設置されています。残念ながら上に上るリフトは土日祝日しか運行されないとのことでしたので、子どもたちと歩いて登れる範囲で遊びました。滑り台とアスレチックが組み合わさったような遊具で、子どもたちは興奮していました。
  いよいよ研修です。ちょっと意外だったのは、医師の視点からの研修があまり多くなかったことです。内容的にも概論といった感じでした。一方で内容が非常に充実していたのは、看護の研修と、通所施設の方の講演、ソーシャルワーカーの方の研修でした。これがまさに強度行動障害の支援の本質を表していると思います。診断や投薬面での進歩は現代はあまりなく、むしろ日々の行動の指導や特性への配慮、入所や通所施設の充実の側面が大きく進展しているのです。
  環境面での配慮・行動改善へのアプローチ・療育的なアプローチ・福祉施設との連携の4つを取り入れているところが、病院としては珍しいところではと思いました。これはなにも強度行動障害に限ったことではなく、今後も精神科病院全体の進むべき方向性だと思います。これらを充実させると、発達症の人が入院した際にも多面的にアプローチできるのです。職場の仲間たちといっしょに、少しずつ取り入れていきたいなと思いました。

 

写真1〜2は佐賀県にある公園「わんぱく王国 そよ風の丘」で撮った写真です。


写真1 山の斜面を利用して、長いスライダーが設置されている。

 

写真2 すべり台を滑るだけではなく、アスレチックスの要素もある。斜面が急なので怖い。

 

写真3 会場の様子。入所施設や通所施設のスタッフ、精神科看護師など多様な立場の人たちが集まっていた。

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