お休みどころ

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司法面接研修に参加する2 2017年3月13日(月)

  司法面接研修の2日目はさらに実践的でした。1つの面接の手順を学び、ロールプレイとその録画画像の検討が4回あり、その合間に講義がはさまっている感じです。講義だけでは学んだことは身に付かず、グループワークや実習が大切だと聞いたことがありますが、司法面接研修ではそれが徹底していました。仲さんは全国の多数の都道府県で何年間も講義されてきていますので、そのなかで改善を重ねてこられたのでしょう。
  参加者4人が1グループになり、実習を繰り返していくんですが、次第にグループのメンバーどうしも仲がよくなっていきます。僕のグループは児童養護施設の職員、児童相談所の心理士、警察の職員という構成でした。それぞれが違う立場で仕事をしていることもあり、物事の見方が違っていて興味深かったです。グループの構成メンバーが多様になるように仲さんは配置を工夫されていますが、多職種連携の土台となる相互の敬意を作るうえで大事な経験だと思いました。
  2日目に学んだポイントは以下の通りです。
・性虐待を立証するにはかなり詳細な聞き取りが求められる。また時間や場所や出来事を裏付けられる補助証拠が必要になる。
・できるだけ質問者が自由に報告する形の面接にする。これはウソの予防にも役立つ。
・性的な話題が出たときに聞き手がひるんでしまうと子どもが話しづらくなってしまうため、どんな話題にでも冷静に対応できる練習が必要である。
・実際には面接の場面で子どもが話してくれなかったり、「わかんない」を連発することもよくあるので、前もって「子どもが話してくれない場合」を想定して面接の計画を練る必要がある。尋ねる質問についても、「この質問でダメならこっちを」といった具合に具体的に考えておくことが大切。
・司法面接の前半の「質問に答える練習」の段階であまりにもうまく進まない場合には、面接をいったん中止して、もう少し時を待つ手もある。
・面接者は子どもに話してもらうことに集中しているので、別室でモニターを見ているバックスタッフが「面接の進め方」や「聞き足りないこと」などをアドヴァイスする。

  研修の最後の方になると、仲さんからの問いかけに対して参加者が答えていく形のやり取りが多くなりました。わずか2日で講師との対話型の勉強ができるようになったのはすごいことです。参加者にも意欲的な人が多く、チームワークも良かったです。とても楽しくて仲さん自身も研修を終わりたくないように感じておられる気がしました。僕自身も寂しく思いました。
  僕個人にとっての発見は以下の点です。
・医療の面接と司法の面接では、同じ「面接」ではあっても目的が違い、臨む姿勢や進め方も違う。
・僕の理解では、司法的な面接では以下の点が重視されている。「事実の確認が第一の目的であり、継続的な関係を作るのが目的ではない」「信頼関係や暖かみは必要だけど、基本的には適切な距離感を保って淡々と進める」「たとえ相手に負担をかける可能性があっても、どうしても必要な場合には事実の確認をする」「具体的な日時・場所・出来事を特定できるような情報を集める」「人間の記憶は確実ではないので、面接の結果だけでなくて補助証拠をたくさん集める」。
・精神科医療の面接で重視されている点は、僕の理解では以下の通りだ。「病気の特定や治療方針の決定に役立つ情報を集めるのが一番基本的な目的」「起こったことや感じていることを率直に話してもらえないと診療が進まないので、率直に話してもらえるような信頼関係作りが重要である」「治療が思うように進まず長期間に及ぶこともよくあるので、協力関係を継続的に保つことが求められる」「相手との会話の内容だけでなくて、相手の会話の進め方や話しぶりにも注目する必要がある」「事実の確認は主要な目的ではない」「面接そのものが治療の手段でもあり、症状の軽減に役立つことを目指している」。
・精神科的な面接の質を高めるためにも、司法的な面接の練習は大切である。自分の専門とは異なる種類の面接を学ぶなかで、普段の仕事を見直すことができる。面接技法の幅の広さを知るためにも、いろいろな面接法を学ぶことが大切である。
・今後も司法関係者とのネットワーク作りに努力していきたい。

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