お休みどころ

こころの相談活動を作り続ける
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「ふれあいまちカフェin人吉球磨」にご参加ください 2013年9月22日(日)

 僕の友人に岡山隆二さんがいます。岡山さんは「鐘ヶ丘ホーム」という特別養護老人ホームの施設長をされていますが、本領は福祉ネットワークの構築にあります。つまり幅広い人脈を作って、人と人との出会いの場を作っていき、そこから新しい活動グループができてくるような、「つなぐ」仕事をする人なのです。 
 岡山さんとの関わりは、岡山さんがこのブログにコメントをくださったときから始まりました。そのあとお休みどころで1回と「鐘ヶ丘ホーム」で1回お会いしました。「家での暮らしに近いような施設」を作られていて、入所者の方たちも穏やかそうでした(残念ながら何十人も入所待ちの状況だそうです)。
 岡山さんは非常にバランスの取れた人で、福祉分野に限らない広い知識を持ち、語りも理知的です。それでいて威張らず気さくで、しかも見た目も爽やかというオールマイティさがあります。あまりにいろいろ揃っているので、普通ならこちらが嫉妬の念を抱きそうですが、なぜかそうなりません。どこかサラっとしたところがあるのです。
 さて、その岡山さんから「集会を企画するので実行委員会に入ってください」と誘われました。もちろん僕はOKしました。どんな集まりになるのか楽しみにしていたら、先日「実行委員会を開きます」と連絡がありました。それで9月19日に人吉保健所の1室に出かけました。
 岡山さんらしいなと思ったのは、実行委員会が「会の運営を細々と話し合う場」ではなく、「人と人の出会いの場」として開かれていたことです。実行委員の面々の立場は公務員だったり病院の社会福祉士だったりいろいろでしたが、共通しているところは仕事を越えて人の輪を作ろうとしている人たちなことです。そういうネットワーカーたちのネットワークを作りたいというのが岡山さんの意図なのでしょう。 
 そういうわけで会場とか時間とか設営とかそういった実務はすでに決まっていて(岡山さんは高い実務力があります)、この日の話題は会のテーマとPRについてでした。会は「ワールドカフェ」という形式で進められます。参加者は4人がけのテーブルをあちこち移動しながら、いろんな人とテーマについてワイワイ語り合うのです。つまり一般の「壇上からの講師の話を聞く」という集まりに比べて、ずっと参加型で、テーマを掘り下げたりみんなで新しいアイディアを出したりするのに向いているやり方なのです。
 ただこのやり方ですごく発展的な議論が行われるには、的を得た厚みのあるテーマ(問いかけ)を設定する必要があります。その問いかけが参加者にとって切実で、強い関心を呼ぶものであるほど、話し合いが白熱するはずです。つまり「未来を作っていくためのキーポイント」を的確に突いた問いかけを見つける必要があるのです。 
 今回の「ふれあいまちカフェin人吉球磨」のキーワードは「助け合い」や「共生」と決まっていました。でもちょっと待って。どちらもあまりに抽象度が高くて実生活に響かない議論になりそうなワードでは? 僕としてはすぐにピンときにくいところがありました。
 そこで実行委員の皆さんと話していくなかでわかってきたのは、会の一番根っこにあるテーマが「多様な人にとって住みやすい地域とは?」なことです。年を取っても、病気をしても住みやすい地域とは何か? 子どもが住みやすく、子どもを育てやすい地域とは? 若者たちが夢を持って働ける地域って何? 過疎化や高齢化、若者の都市への流出という現実があるなかで、生き生きとした地域を作っていくために自分たちは何ができるのか? そこに福祉という言葉の原点があるはずです。そこにこそ参加者の皆さんに問いかけるだけの値打ち、そしてそれぞれの4人テーブルから湧き出した知恵を結集する必要性があるはずです。
 PRについては皆さん上手な方たちであり、すぐにも動き出す感じでした。僕も自分の職場や友人たちに紹介することを約束しました。インターネットを利用した情報発信もいろいろ行うそうです。 
 そういうわけで、「ふれあいまちカフェin人吉球磨」は熱気ある集まりになりそうです。開催は10月19日(土)の13:00〜17:30、場所は多良木町町民体育館、参加費は無料です。定員は300人ですから、どれだけたくさん来ていただいても大丈夫です(笑)。関心のある方はぜひおいでください。いっしょに「ワールドカフェ」方式で盛り上がれたらと思います。 

「ふれあいまちカフェin人吉球磨」の申し込み方法
電話09082287551
Fax0966456221
メールmachicafe.info@gmail.com

[追記] このイベントについて職場で紹介したら、病院長の村上良慈さんが1冊の本を貸してくださいました。それが『ワールドカフェをやろう』(香取一昭・大川恒著、日本経済新聞社、2009年)です。これは「ワールドカフェ」という話し合いの方式についてのとてもよくできた解説書で、理論的背景や創始者の人柄に始まり実際の「ワールドカフェ」の運営術に至るまで、非常にコンパクトにまとめられています。あまりにうまくまとめてあるので、「要領が良すぎて味わいが薄い」と感じる部分もありますが、実際にワールドカフェ方式で行った会議の実例などは迫力を感じさせます。
 僕がおもしろいと思ったのは、この本にも現代世界の大きなうねりが反映されている点です。多くの人が指摘していることですが、インターネットが広く普及した現在では、人は手持ちのコンパクトな百科事典を持っているようなものです。そうなると専門的な知識の量だけでは「権威」を保つことはできないのです。 
 例えば病院を例に取ると、医師の患者に対する権威は以前よりはずっと低くなりました。「知識をもとに判断して指示する」という診療スタイルは減り、「いっしょに話し合って治療方針を決めていく」というやり方になりつつあります。また医師と他のスタッフ(看護師など)の関係についても同様で、「治療法について指示する」やり方ではなくて、「さまざまな職種で話し合いを開きながら進めていく」ようになりました。つまり医療の場では、関わる人全員がより「対等」に近付きつつあるのです。
 これは他の職場についても同様でしょう。政治でもビジネスでも教育でも芸能でも、この「対等性」が浸透しつつあるのが見て取れます。だからこそ世界的に「対等な人たちが集まって、話し合いながら物事を進めていく方法」が求められているのです。「ワールドカフェ」方式もそのアイディアの1つです。僕たちは自分の所属しているいる集団がより「風通しのいい組織」になるように、工夫していく必要があるのでしょう。

写真1

写真1 「ふれあいまちカフェin人吉球磨」のチラシ(表の側)。

写真2
写真2 チラシの裏面。

写真3
写真3 『ワールドカフェをやろう』(香取一昭・大川恒著、日本経済新聞社、2009年)の表紙。
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『週刊ひとよし』投稿のお願い 2012年5月29日(火)

 こんにちは。僕の住んでいる九州の球磨地方には『週刊ひとよし』(http://www.hitoyoshi.co.jp/)という雑誌があります。原稿料は出ませんが、地域の言論文化を高めていこうという気持ちで皆さん投稿しています。投稿は人吉出身者に限るわけではなく、誰でも可能です。形式も字数も自由です。 
 昨日編集者の松本学さんと会ってきたのですが、新しい書き手を求めているそうです。松本さんは大変誠実な人柄なので、僕もぜひ応援したいと思いました。もしよろしければ日々やっていることや感じていることを書いて、メールで下記のアドレスまで送っていただけませんでしょうか?

週刊ひとよし編集部
松本学さん 
info@hitoyoshi.co.jp

よろしくお願いします。
      興野康也


Hello. In the town Hitoyoshi where I live there is a magazine named "Weekly Hitoyoshi"(website   http://www.hitoyoshi.co.jp/). It consists of journalistic articles and literature works. Although writers are not paid, people send messages to it voluntarily so as to cultivate the culture and enlarge the freedom of speech. You are free to join it. You can try to contribute to it in whatever form(essay,poem,diary…) and in whatever length.

I am a friend of one of its editors named Manabu Matsumoto.and he has been working hard to keep on publishing it weekly. He has a very good heart. 

So could you write a short essay for it? And I will add its Japanese translation and post it.

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結婚について 

  2011年5月8日(日)

 このブログの記事(お休みどころ2011年4月14日の日録)に書きましたように、僕は加藤美紗さんと結婚することになりました。美紗さんは僕がいま勤めている鹿児島市内の伊敷病院の看護師さんで、認知症病棟で働いています。美紗さんは6月いっぱいで病院を辞める予定で、それから入籍して今年度内は鹿児島とお休みどころを行き来しながらいっしょに暮らす予定です。僕も今年度いっぱいで伊敷病院を辞め、来年度からはお休みどころにより近い人吉市内の精神病院に勤めたいと思っています。 
 美紗さんと知り合った最初のきっかけは、お休みどころに遊びに来てくださった数人の看護師さんたちがみんな美紗さんのことを褒めていたことです。美紗さん本人は来たこともないのに、みんなが申し合わせたかのように彼女のことを「いい子だよ」「看護学校も首席で卒業した」などと言うのがふしぎでした。いま思うと偶然なのか、あるいは僕がそう勘違いしたのかわかりませんが、とにかく皆さんが美紗さんを薦めているように聞こえたのです。
 ただ僕の病院勤務時に美紗さんと話す機会はほとんどありませんでした。僕の伊敷病院での仕事は往診や外来診察が主であり、病棟に行く機会はどちらかと言うと少ないのです。さらに僕は精神科的な判断はできても内科的な知識に乏しく自信がないため、内科的なケア中心の認知症病棟に行くのを避けがちなのです。
 そういうわけで美紗さんと会う機会はほとんどなかったのですが、唯一の例外は夜勤の病棟回診時です。夜勤の日は夜の9時から全病棟の様子を見てまわるのですが、このときに夜勤をしている美紗さんとちょこっと話す機会が何度かありました。僕は霊感は全くないのですがこのときは例外で、美紗さんのまわりに薄い黄色の穏やかな癒しのオーラが出ている気がしました。これも単なる思い込みかも知れませんが…。
 去年の11月にちょうど僕が失恋したこともあり、僕の方から声をかけました。当初はさっぱり盛り上がらない恋愛で、お互いにもうダメだから別れましょうと言い出したぐらいなのですが、なぜか関係は復活して続きました。そして今年の1月からはお互いに「この人だ」と思うようになり、いまに至っています。
 美紗さんは温和でどちらかと言うと静かな人です。2人でいるときもたいていは僕がしゃべっています。小さい頃から看護師になりたく、社会人になってから看護学校に再入学しただけあって、体がよく動き人のお世話は苦にならないようです。性格も円満で、ほとんどケンカしたりすることはありません。それから料理も上手です。人のケアに向く人ですね。
 さて、すでに書きましたように、将来の計画はこんなふうです。美紗さんは6月いっぱいで病院を辞める予定で、それから入籍して今年度内は鹿児島とお休みどころを行き来しながらいっしょに暮らします。僕も今年度いっぱいで伊敷病院を辞め、来年度からはお休みどころにより近い人吉市内の精神病院に勤めます。そしてお休みどころに定住しながら人吉市の病院に通勤する…。
 という計画だったのですが、ちょっとした事件がありました。僕の父親が反対したのです。父親の心配は暮らしや子育てのためにはお休みどころは不便過ぎる場所だ、という点です。これはもっともと言えばもっともな意見ですね。 
 ただ、僕も人生を賭けてお休みどころを続けていますので、お休みどころに否定的(?)な意見を聞くと、すぐにカチンときてしまうのです。さらに従来父親とはいろんなことを十分に話し合わずにきてしまっていますので、なおかつすぐに腹が立ってしまうのでした。
 ですので僕1人なら父親の意見に逆ギレするか無視するか、というところで、実際そうしようとしたのですが、美紗さんの意見は違いました。「パパさんの意見に理があるんだから、それを取り入れて私たちが変わらないと」というものです。僕は元来かなり頑固で簡単に自分の意見を変えることはしないのですが、美紗さんの穏やかな説得(?)には何か気持ちを溶かされてしまい、美紗さんの妥協案を受け入れることにしました。
 それはこういうことです。人吉市の病院付近に部屋を借り、お休みどころと行き来する。そうすると現在との違いは、鹿児島市の病院に通うか、人吉市の病院に通うか、という点だけとなります。僕はやっとお休みどころに定住できるという気持ちでいたのですが、この案なら近所の皆さんや球磨地方の皆さんにも喜ばれるだろうと思われたので、飲むことにしました。もちろん父親も賛成でした。
 というわけで、来年度からはお休みどころと人吉市との往復生活が始まりそうです。人吉市には2つの精神科病院がありますので、どちらがより僕たちのライフスタイルに合った病院かを調べてみるつもりです。またできれば年内に結婚披露パーティーを鹿児島市で開きたいと考えています。いままでお世話になった友人たちに集まっていただき、交友の集いが持てればと計画しているところです。
 1人でいるのと2人でいるのでは大きな違いです。性格、体力(美紗さんの方が強いです!)、食事の好み、かける音楽、睡眠覚醒リズム、掃除の仕方、清潔不潔の考え方(?)…。何から何まで違う2人が、中間領域の新しい生活スタイルを作っていかないといけません。いろいろ話し合いが必要ですが、その話し合いが勉強になるとも言えます。皆さん「いまがいちばん幸せなときですね」とおっしゃいますが、実際いっしょにいるだけで楽しいです。今後また何か変化がありましたら随時このブログでお知らせしますので、ご意見やアドバイスをいただければ幸いです。 

興野康也と加藤美紗さん
写真1  興野康也と加藤美紗さん。
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第10回お休みどころ祭りのご案内 

 
日時: 2011年7月17日(日)
 午前10〜12時 座談会
 12時半〜3時 昼食会

会場: お休みどころ

講師: 八木義人(やぎよしと) 
  1967年生まれ。鹿児島市在住。精神科医。鹿児島市内の伊敷病院に勤務。興野の指導医である。傾聴を主体とした精神療法に定評がある。

 増山博之(ますやまひろゆき) 
  1957年生まれ。鹿児島市在住。カイロプラクティックの施術者。鹿児島市内で「あいかカイロプラクティックセンター 愛香院(あいかいん)」を開業して27年になる。

 渡邉典子(わたなべのりこ) 
  1951年生まれ。大阪府在住。看護学校教員(在宅看護学)。助産師でもある。在宅での看取り支援を続けている。

趣旨: お休みどころでは、来てくださった方が心身ともにくつろげる場を目指しています。今回の祭りでは、3人の治療者の方の座談会を開き、人が元気になるとはどういうことなのかを共に考えたいと思います。 

料金: 無料(食事会は1品持ち寄り形式ですので、ご協力お願いします)。

宿泊: 民宿「白水」(お休みどころから車で5分)にて1泊朝食付き4000円。他にも水上村内におすすめの民宿があります。

参加方法: 要予約。お休みどころにご連絡ください。

問い合わせ:興野康也(おきのやすなり)
868−0702  熊本県球磨郡(くまぐん)水上村(みずかみむら)江代(えしろ)1458−2  お休みどころ 
電話・ファックス 0966−46−1113(留守電もあります)
E-mail: yasunari-o@hotmail.co.jp

[追記] 増山博之さんと渡邉典子さんのことを以前このブログで取り上げました。ご参照ください。 
増山博之さんについて
URL:
渡邉典子さんについて 
URL:
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熊本日日新聞に書評が掲載されました

 上島聖好さんの高校同級生の小堀郁江さんの尽力で、『お休みどころ―上島聖好の世界』の書評が熊本日日新聞2010年4月18日版に掲載されました。ほんとうにありがたいことです。熊本は上島さんの出身地であり、何かの形で知り合った方も多いはずです。1人でも多くの方に手にしていただければと願います。
     2010年4月27日(火)  興野康也 
「お休みどころ」
上島聖好著
 上島さん(07年死去)は熊本市出身の文筆家、散文詩人。京都市で出版などを手がけた後、03年に水上村に移り住んで「お休みどころ」(心の保養所)を創設した。本書は友人らが編集した遺稿集。お休みどころへの思いや多彩な分野の友人との交流などをつづるエッセイ、手紙などを収める。(ぱんたか・1500円)
     「熊本日日新聞」2010年4月18日
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『お休みどころ――上島聖好の世界』出版記念会(第9回お休みどころ芸術祭)

主旨:多くの方の助けのもとに、上島聖好さんの遺稿集ができあがりました。出版記念会を開き、完成を祝いたいと思います。また篠原鋭一さんと神田橋條治さんに対談していただき、上島さんの仕事の意義と今後に残された課題について考えたいと思います。お集まりいただければ幸いです。

日時:2010年4月4日(日)午前10時〜午後3時ごろ
   午前10時〜 篠原鋭一さんと神田橋條治さんの対談
   午後0時半〜 昼食会

会場:お休みどころ(熊本県球磨郡水上村)

講師:
篠原鋭一(しのはらえいいち) 僧侶。千葉県成田市の曹洞宗長寿院(ちょうじゅいん)住職。自殺しそうな人の電話相談を受けたり、芸術家を招いて「長寿院サンガ月例コンサート」を開くなど、妻の篠原和江さんと共にお寺を開放して多彩な活動に取り組んでいる。著書に『みんなに読んでほしい本当の話』(興山舎)などがある。
神田橋條治(かんだばしじょうじ) 精神科医。九州大学精神神経科勤務とイギリス留学を経て、現在鹿児島市の伊敷病院に勤務。対話精神療法の第一人者。著書に『精神科診断面接のコツ』(岩崎学術出版社)ほか多数がある。

料金:無料(食事会は持ち寄り形式ですので、ご協力よろしくお願いします)。
参加方法:要予約。事前にお休みどころまでご連絡ください。前日の宿泊が必要な方はご相談ください。近くに「民宿白水(しらみず)」があります。

問い合わせ:お休みどころ 868-0702 熊本県球磨(くま)郡水上(みずかみ)村江代(えしろ)1458-2 興野康也(おきのやすなり) 電話・ファックス0966-46-1113

お願い:本は2,000部刷りました。約300ページ、価格は1冊税込で1,500円です。友人にすすめていただいたり、図書館へリクエストしていただければ助かります。
なお、発行日の4月4日以降はお近くの書店やインターネットで注文できるようになっています。それ以前でも出版社「ぱんたか」(〒116-0013東京都荒川区西日暮里2-21-1 MC88ビル2F 電話03-3802-3450 ファックス03-3802-8871)に直接申し込んでいただければ郵送することができます。ただしこの場合は送料負担となります。
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聖好さんの一周忌

(第8回 お休みどころ芸術祭)

日時:2008年11月3日(月・祝)午前10時から
     午前10時〜 林洋子さん公演「なめとこ山の熊」「賢治文語詩朗唱」
       12時頃〜 昼食会
     午後1時半頃〜 齋藤たきちさん講演
             齋藤さん・林さんの対談

会場:お休みどころ

講師:齋藤たきち 1935年山形市生まれ。定時制高校を卒業後、農業に従事。百姓のかたわら、文化、芸術、教育、民衆などの諸運動に参加。
 1991年、農協のありかたに絶望し、「齋藤農園」を発足。米、野菜、果樹などの複合経営で生きるも、現実は「果実」をメインに産直活動を行っている。
 詩人にして野の思想家と呼ばれた真壁仁に20代から師事し、詩作、評論も多い。『北の百姓記(続)』で第22回真壁仁・野の文化賞を受賞。山形県国民教育所所長でもある。

林洋子 お休みどころで毎年、宮沢賢治の作品の一人語り芝居をしていただいている林洋子さんです。全国各地への出前公演は1400回を超えます。1994年、第4回イーハトーブ賞を受賞。今回は薩摩琵琶演奏による「なめとこ山の熊」と文語詩4篇の朗唱をおねがいします。

主旨:上島聖好さんが亡くなって一年になります。林洋子さんと齋藤たきちさんの会は去年の11月10・11日に計画していたもので、聖好さんも力を尽くしていましたが、実現できませんでした。一年後の今年、それを実現して聖好さんを偲んではどうかとの林洋子さんの気持ちを受け、開催したいと思います。みなさんお集まりください。

参加方法:料金は無料。お供えはなしでお願いします。食事会は持ちより形式ですので、よろしくおねがいします。

問いあわせ:お休みどころ 興野康也(オキノヤスナリ)
868-0702 熊本県球磨(くま)郡水上(みずかみ)村江代(えしろ)1458-2
      電話・ファックス 0966-46-1113
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聖好さんの初盆の集い

日時:2008年8月25日(月)11時〜12時 読経、法話
                12時〜    昼食会

場所:お休みどころ 花の寺

僧侶:高原美都子(みつこ)さん(浄土真宗大谷派僧侶 滋賀県彦根市の西覚寺坊守)

参加方法:お供えはなしでお願いします。
     昼食会は持ちよりでお願いします。

主旨:8/25・8/26に聖好さんと親しかった高原美都子さんがお参りに来てくださることになりました。この機に、初盆の法要をしていただけないかお願いしましたところ、快諾をいただけました。いっしょに聖好さんを偲んでいただければ、ありがたいです。

問いあわせ:868-0702 熊本県球磨(くま)郡水上(みずかみ)村江代(えしろ)1458-2
            お休みどころ 興野康也(オキノヤスナリ)
       tel・fax 0966-46-1113
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聖好さんをしのぶ集い

日時:2007年12月16日(日) 午前10時から
場所:お休みどころ
参加方法:食事を一品持ちよりでお願いします。
主旨:12月17日(月)で上島聖好(ウエジマショウコウ)さんが亡くなって四十九日です。ひとつの節目ですので、皆で集まっておとむらいをしよう。そう、田嶋順子さんと鶴上うしをさんが言ってくださいました。
高台寺の立山康生和尚にお経をあげていただく予定です。
お昼ごはんをいただきながら、聖好さんのことを語らえたらと思います。
問いあわせ:868−0702
 熊本県球磨郡水上村江代1458−2
 お休みどころ
興野康也(オキノヤスナリ)(日・月・火のみおります)
tel・fax 0966−46−1113

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第8回 お休みどころ芸術祭

日時:2007年11月10日(土) 午後5時〜6時 林洋子一人語り芝居「なめとこ山の熊」
                     午後6時〜8時 夕食会
         11月11日(日)午前10時〜12時 講座(齋藤たきち・林洋子 対談)
                    12時〜2時 昼食会
会場:お休みどころ「花の寺」
講師:齋藤たきち 1935年、山形市生まれ。定時制高校を卒業後、農業に従事。百姓のかたわら、文化、芸術、教育、民衆などの諸運動に参加。
 1991年、農協のありかたに絶望し「齋藤農園」を発足。米、野菜、果樹などの複合経営で生きるも、現在は「果実」をメインに産直活動を行っている。
 詩人にして野の思想家と呼ばれた真壁仁に20代から師事し、詩作、評論も多い。『北の百姓記(続)』で第22回真壁仁・野の文化賞を受賞。山形県国民教育所所長でもある。
   林洋子 お休みどころで毎年、宮沢賢治の作品の一人語り芝居をしていただいている林洋子さんです。全国各地への出前公演は1400回を超えます。1994年、第4回イーハトーブ賞を受賞。今回は薩摩琵琶演奏による「なめとこ山の熊」と文語詩4篇の朗唱をおねがいします。
主旨: 齋藤たきちさんは北の百姓としてまた詩人として、俳優・林洋子さんは全国で宮沢賢治の語り部として、マコトノクサノタネヲマキ続けておられます。
 今回は、洋子さん(昭和5年生まれ)、たきちさん(昭和10年生まれ)、昭和をほとんど丸ごと生きてこられたお二人に、お互いのいのちの歴史を語り合って頂き、いま、未来について、私たちは考えたいと思います。どうぞみなさん、奮ってご参加ください。お待ちしております。

 精神歌     宮沢賢治 作
  日ハ君臨シカガヤキハ
  白金ノアメソソギタリ
  ワレラハ黒キツチニ俯シ
  マコトノクサノタネマケリ

料金:無料(食事会は持ちより形式ですので、よろしくおねがいします)
宿泊:民宿「白水」(お休みどころより車で5分)にて一泊朝食付4000円。
参加方法:要予約 事前にお休みどころまでご連絡ください。
問い合わせ:お休みどころ(代表:興野康也 主宰:上島聖好)
       868-0702 熊本県球磨郡水上村平谷
        電話・ファックス 0966-46-1113

 九州相良は人吉で「だんだんなの会」という自主独立の小さな生協を開いている鶴上うしをさんは語ります。「会員は40人程。生産者は十数人。有機、無農薬、自然農を営んでいる人たちが元気ないのです。」
 齋藤たきちさんのあたたかな、愉快なお顔が浮かびました。たきちさんほどの美男子は滅多やたらといない。そのお顔を見せてあげたい。足元の大地に。「だんだんな」の人たちに。きっと「だんだんな」(ありがとう)だよ。
 たきちさん、洋子さん、そして集うた人たちと持ちより芸術祭を開きましょう。「お休みどころ」で。「お休みどころ」?
 それは一体何なのか。 ふつうの家と庭をもつ、ふつうの場所。
 2003年5月1日に開家して五年目。
 まだいっこうに米作りもできていません。
「希望の種」は種のまま。発芽するのかしないのか。
「花は枯れないと実にならないのです。」
 賢治ゆかりの大沢温泉(花巻)にこの夏、林洋子さんの案内で旅をしました。その折、ひょいとつけたTVはそう語るではないか。
 未熟・成熟、何なのか。
「荒野
  みちのく山形は 霜月を迎えて
  蔵王の頂が白く化粧をはじめる
  紅葉した葉の 北風に飛ぶざわめきがせわしい
  赤く熟れた柿に野鳥がにぎわい
  村山盆地の田圃は 無人の野となる」
(たきち詩「十一月 しもつき」)
 十一月に待っています。ようこそ ようこそ。

   熊本の山村にいのちの出会いを求めて
 百姓くらしの私にとって、五月は一年のなかで最も忙しい季節でもある。「田起こし」から「代掻き」、そして大地に根を繋ぐ「田植え」で、田植えが終わったのが二十日の日だった。あれから十日ほど過ぎた今、あたたかい陽に育まれ土に根を張りはじめた幼苗は、天をめざして姿勢を正すまでになった。
 五月の初めに、“開花”を迎える果物の一群の内、りんご・プラム・ラ・フランス・桜桃・桃などの実は、大豆ほどの大きさから五円玉までの大きさとなった。桜桃は朱く色づいたものさえあり、野鳥が声をあげて早くも食べはじめている。これら果実の「摘果作業」に今は大忙しである。今年は、開花時の寒さなどは実付きはよいとはいえないが、りんごやプラムの「大石早生」はよく実がついたものもある。
 この月はまた、野菜の種を土に落とし、また茄子や胡瓜などを「定植」する時期でもある。「百姓」を自認しつつ“百種以上の作物”を栽培、“自給自足”をライフ・スタイルとする私にとっては、朝の四時前に起き夕方の七時過ぎまで働いてもなお、作業に追われている毎日であるから、夜は死んだように眠りにつく日常の暮らしでもある。
 この私に先日届けられた一通の「はがき」は、乾ききった喉元に注がれた一滴の清水でもあった。
 京都に住む友人のUさんが、共同者のO君ともども熊本県水上村に住みはじめた知らせであった。球磨川の上流にあるむらは、田も畑も荒れ荒れの地図の上からも消えようとしている地域で、そこに築百年をこえる雨もりのボロ家を借り、『お休みどころ』(茨木のり子の詩より)を開設する、というのだ。
 長島愛生園のハンセン病患者さんとの、長い交流に高校生や大学生を同行し、“日本の底辺”から「時代と人間」を視る眼を育てた彼女と、京都に生まれ育ち現役で東京大学理学部に入学するが二年で中退。「はだしの医者」となろうと医大に再入学、卒業したO君はまだ二十代の青年だ。国家試験にも合格し、はだしの医者を目指す「志」の人物である。
 この地には、徴兵拒否者にしてトルストイの信仰者、翻訳家である北御門二郎が農耕者として住む。アイヌ、エスキモー、インディアンなどの「先住民」と同じく地球の果てに追われつつあるわが「日本の百姓」の側に立つ、自給自足の根からの旅立ちをいつの日かこの地でお祝いしたいのである。今晩、颱風四号が山形を通過するという。仲間に作物の被害のないことを祈るのみであり、今夜もまた眠れぬ夜となろうか。(『北の百姓記』)
        (2007年9月16日記 山の神祭りの日に)
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