お休みどころ

こころの相談活動を作り続ける
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禁煙について 2019年6月15日(土)

   僕は禁煙についてはあまり関心がありませんでした。身近な家族に吸う人がいなかったこともあり、タバコのにおいは不快で嫌いでしたが、強制的な規制までは必要ないのではないかと思いました。僕はもともと「人の行動を規制し過ぎるのは良くない」と思っていますので、「個人個人の選択に任せておけばいいのではないか」と思ってきたのです。また「タバコ=悪」というのは決まりきった図式過ぎておもしろくないといった思いもありました。
   ただ精神科の病院で勤務していると、タバコのことで困らされることが多くあります。)椰諭Σ搬押Ε好織奪佞料蠱未1日の喫煙本数が決まっているのに、しつこくしつこく「もっと吸いたい」と要求する患者さんが多い。患者さんどうしでの「あげた」「もらった」といった水面下でのやり取りが多く、トラブルがよく起きる。ライターをこっそり持ち込んだり、吸い殻をポケットに入れてやけどをしたりする患者さんがあり、火事ややけどの危険性がある。い金がないのにタバコを買うため、経済的に破たんする。
   アルコールやギャンブルの依存症の患者さんたちと普段接していると、「欲望のコントロールがきかなくなって生活全体が壊れてしまう」プロセスを肌身で感じることができます。喫煙もやはりニコチン依存症なのだとよくわかります。理性でのコントロールがきかないところに特徴があるのです。
   僕が勤務している吉田病院では7月から敷地内禁煙を実施することになりました。また産業医をしている役場でも衛生委員会で議論して、屋内禁煙をすることになりました。そして役場の職員向けに禁煙についての産業医講演をするように依頼を受けました。
   引き受けたものの、僕は禁煙について学んだことがほとんどありませんでした。産業医の研修会で、大手企業で敷地内禁煙を実現した方のお話を聞くことはありました。禁煙は相当入念に緻密に段階を踏んで進めていかないと難しいという内容でした。学べそうなテキストをインターネットで検索すると、『禁煙学 改訂3版』(編著:日本禁煙学会、南山堂、2014年)が見つかりました。これを読んで講演をすることにしました。
   ところが読むなかで痛感したのですが、普段自分が実践していることでないことは、読書をしても時間がかかり、理解が浅くなり、身につきにくいです。精神科領域の相談や支援については普段から試行錯誤していますので、その経験をもとにテキストをいろんな角度から検討しながら読めます。ところがタバコの害については普段の積み重ねがないので、テキストに書かれていることを受け取ろうとすることだけで精一杯です。これでは実のある読書とは言えません。期限までにテキストを要約するのはギリギリでできましたが、本の内容をもとにあれこれ考えることはあまりできませんでした。
   とはいえわかったこともいろいろあります。『禁煙学』の内容を要約しながら以下に書いてみます。
  タバコの健康被害はあまりにも激しく、受動喫煙の被害も大きい。ともに有害物質を規制すべきかどうかを通常議論するレヴェルからかけ離れている。例としては家庭での受動喫煙の被害がある。データによれば、受動喫煙は1〜2割の人を早死にさせる。いわゆる先進国の環境行政では有害物質への暴露で死亡するリスクの許容限度を一生涯1万分の1(職業暴露)〜10万分の1(日常生活暴露)としているので、家庭での受動喫煙の害は環境基準を2万倍も上回っている。
  妊婦と子どもの喫煙や受動喫煙の害も深刻である。特に生まれた乳幼児が将来肥満・心血管疾患・高血圧・糖尿病になりやすくなるということには驚いた。また以下の事実にも恐怖を感じた。妊婦の喫煙本数が多いほど閉経・不妊・稀発月経・多毛になりやすい。喫煙は胎児発育を阻害するため、出生体重が200〜250gほど軽い。奇形・早産・乳幼児突然死症候群・呼吸器疾患・ADHDも起こりやすくなる。小児の誤飲事故ではタバコがもっとも多く、約半数が0歳児による誤飲。乳児はタバコ0.5〜1本が致死量である。
  ニコチンは法で規制されている他の依存性薬物(覚せい剤・コカイン・ヘロインなど)と何ら変わりがない。ニコチンの依存性は強く、依存症形成のリスクはタバコで77%で、コカイン(36%)・覚せい剤(24%)より高い。
  受動喫煙防止法を制定すれば、すみやかに心疾患での入院者数が減少する。職場・レストラン・飲食施設を完全禁煙とする法律を施行した国では、心臓病などによる入院率が速やかに2〜4割低下する。
  世界的には「タバコ規制枠組条約」(FCTC)が日本を含む180か国以上で批准されており、この条約に基づいて禁煙促進が行われている。受動喫煙防止法の制定、小・中・高校・大学での禁煙教育、タバコの値上げ、パッケージでの警告表示、タバコの広告・販売促進・スポンサー活動の包括的な禁止などがその例である。日本政府もFCTCを2004年に批准しているが、全く守っていない。
   予防医学と言うのはなかなか成果の出ない分野であり、確実に立証された健康増進の方法は少ないと思います。そんななかで禁煙は確実にかつ強力に人々の健康状態を改善することがわかっています。医療者としては力を入れるべき分野だと思いました。また精神科スタッフとしては、タバコを減らすだけでなく、依存症支援に努力すべきでしょう。僕個人は発達症の人たちの支援に取り組んでいますが、発達症はゲーム依存を含む依存症を合併しやすいです。発達症+依存症のケースへの支援に努力していきたいと思います。

 

写真1   『禁煙学 改訂3版』(編著:日本禁煙学会、南山堂、2014年)。大変内容の濃い本だが、読み通すのは大変だった。

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新潟の精神神経学会に参加する1 2019年6月19日(水)

   精神科の最大の学会が日本精神神経学会です。この学会が専門医を認定してきたこともあり、専門医資格更新の単位取得には学会参加が必要(に近く)なっています。吉田病院でもドクターが順番交代で出かけるのですが、今年は僕が行けることになりました。
   ところが会場が新潟市なのです。子どもが小さいこともあり、できれば近くて行きやすいところが良かったのですが、とても遠いです。そうなると学会が始まる前日から行き、3日間の学会が終わった翌日に帰ることになるので、計5日間家をあけることになります。できるだけ早く帰ろうと学会プログラムができるのを待っていたのですが、8000人以上が参加する学会だけあって、飛行機も満員状態です。乗れる便が早朝の便しか残っておらず、結局よけいに長く家をあけないといけなくなりました。
   新潟市を含め、東北の日本海側には行ったことがありません。新しい場所に行くときにはだいたい楽しみなのですが、今回はなぜか気乗りがしませんでした。僕が好きで新潟に縁がある文化人がいないのも一因かもしれませんが、なぜかなかなか新潟市について調べることもしなかったのです。そのまま出発の朝になってしまいました。
   朝に携帯電話を見ると、ゆうべ美紗さんからメールが来ていました。なんと新潟で地震があったそうです。津波のおそれもあるとのことです。飛行機がちゃんと飛んでくれたらいいがと少し心配になりました。
   さらに偶然なのですが、鹿児島空港から飛行機が出発するときに、アナウンスが入りました。前の便に鳥が衝突したらしく、滑走路を点検するので、いったん離陸をやめて戻りますとのことです。結局はしばらくして離陸できたのですが、これもまた不吉な出来事でした。ですが変なのですが、不吉な出来事があることでやる気が湧いてきました。
   大阪経由で新潟に順調に飛行機はつきました。どんよりとした曇り空で、シトシト雨が降っています。日本海側の冬にはどんよりとした天気が多いと聞いたことがあります。空港バスで市内に向かったのですが、道幅が広く、ガランとした雰囲気があります。ドイツ映画に描かれていた冬の港町を思い出しました。木々の様子を見ても、九州よりもずいぶん寒そうです。緯度が違うので気候が違って当たり前なのですが、異国に来たような感じがしました。
   新潟駅前のビジネスホテルから、まずは会場である「朱鷺(とき)メッセ」まで歩いてみることにしました。裏道を通ったせいもありますが、シャッター街が目立ちました。もともとは駅前の商店街が中心地だったのでしょうが、おそらく郊外の大規模店舗にお客さんが移っていったのでしょう。新潟に限りませんが、以前の中心地の再活用が求められています。
   30分ほどで朱鷺メッセにたどり着きました。次に美紗さんと約束していた「新潟市水族館 マリンピア日本海」に行きました。ここで子どもたちのおみやげを買うように頼まれていたのです。マリンピア日本海は地元の海や川の魚の展示と、世界の魚の展示の両方をしようとする展示であり、学術的な内容になっていました。いちばん印象的だったのは地域の海の展示で、海藻や岩の様子や魚の種類が鹿児島とはずいぶん違うんだなと思いました。信濃川と阿賀野川という大きな2つの川の河口にあたり、川と海のつなぎ目であるのが新潟市の地理的な特徴のようです。
   時間があったので、水族館でポスターを見つけた「新潟県立万代島(ばんだいじま)美術館」に行ってみました。現代美術の展覧会「コレナニ?!びじゅつ    アートいろいろ 見かたイロイロ」でした。現代美術でも古典芸術と変わらず、この世界や生きている経験そのものを、既成概念を取り払った形で提示しようとしていると感じました。僕がいいなと思ったのは「山水(さんすい)ーくずるる2」(伊藤彬)という作品でしたが、描かれているすすきの野原は不気味です。生きていることと死んでいること、気持ちよさと不快さ、健康なことと腐敗することといった両極のどちらでもない姿が描かれています。ふだんは生きていることをあまり意識しませんが、例えば他の生き物を食べないと人が生きられないことをとっても、かなり不気味なことなのでしょう。
   最後に夕食を食べることにしましたが、お腹がまだあまり減っていません。レストランに入ろうかと迷ううちに、駅の一角のスーパーのようなところが目に入りました。デパートの地下の食品売り場のような感じで、お惣菜コーナーがごった返しています。タクシーの運転手さんが言っていた「新潟は食べ物が新鮮でおいしく、水もおいしい。お酒もうまい」ということが思い出されました。海の幸と山の幸とお米のすべてが手に入りやすいんですね。「ホタテ貝入り切り干し大根」「カニしんじょ」といったお惣菜を買いましたが、たしかに何を食べてもおいしいと思いました。おいしいごはんを食べたのもあって、明日からの学会への意欲が高まっていきました。

 

写真1   駅のそばの商店街はシャッター街になってしまっている。

 

写真2   会場である「朱鷺(とき)メッセ」のビル。高いので街のあちこちから見える。

 

写真3   「新潟市水族館 マリンピア日本海」の入り口。小さそうだがなかはすごく広い。

 

写真4   日本海の岩場の特徴や海の様子も展示されている。干満の差が小さかったり、夏と冬の水位が違うために、岩場の上の方にはフジツボなどが少ないのだそうだ。

 

写真5   人懐こいビーバーも展示されていた。

 

写真6   「新潟県立万代島(ばんだいじま)美術館」の展覧会「コレナニ?!びじゅつ    アートいろいろ 見かたイロイロ」のチラシ。既成概念を取り払うと、生きていることはそれ自体が不気味だ。

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新潟の精神神経学会に参加する2 2019年6月20日(木)

   以下は精神神経学会で取った僕のノートです。発表者の名前も書かせていただいていますが、僕の聞き取りは正確ではありませんので、文責は僕にあります。

●シンポジウム「認知症とてんかんにおける記憶障害を探る」(司会:渡辺雅子、田中晋)
◎高齢者てんかんをめぐって(吉野相英)
・65歳を過ぎるとてんかんの発症率が高くなる。特に側頭葉てんかんが多い。
・原因は脳血管障害がいちばん多い。一方原因がわからないものも25%ある。
・高齢者ではけいれんのない発作が大半。突然動作が止まり一点を凝視したり、記憶が抜けたりする。自動症もあることあり。
・発作は1分ほどのことが多く、そのあとにもうろう状態になることがよくある。また発作後に集中・記銘力・見当識などが一過性に低下することが6割でみられ、認知症と間違われやすい。抑うつ症状を呈するものも2〜3割あり。
・鑑別すべき疾患は若年者の場合よりも多い。神経調節性失神が特に多い。
・レム睡眠行動障害では27%に脳波で鋭波が出てしまうので鑑別が難しいことがある。
・副作用も出やすい。
・高齢者てんかんの注意すべきケースとして、一過性健忘を呈する人もいる。
・非けいれん性てんかん重積もある。
・少量の抗てんかん薬で抑制できることが多い。ラモトリギン、レベチラセタム、カルバマゼピンなどが使われる。
◎認知症における記憶障害(數井裕光)
・アルツハイマー病においてはエピソード記憶の障害が多くの場合初発症状である。記憶障害は緩徐進行性であり、過去に延伸していく。
・記憶障害の自覚はゝ憶障害が強い、¬兪曚ある、ときに低下している。
・扁桃体の体積が大きいほどエピソード記憶が保たれる。
・若年性アルツハイマー病にてんかんの合併が多い可能性あり。
◎認知機能とてんかん性放電(塩崎一昌)
・横浜市総合保健医療センターに記憶障害を主訴として来院した人のうち、てんかんは1%だった(アルツハイマー病47%、軽度認知障害29%、血管性認知症3%、レビー小体型認知症3%、前頭側頭型認知症2%)。てんかんを合併が疑われるケースは5%だった。
・焦点意識減損発作がほとんどだった。
・てんかん性放電があると、精神症状を伴いやすい。
・てんかん性放電のあるアルツハイマー病の方が、ない場合よりも認知機能低下が早く進行する。
・抗てんかん薬での治療が、てんかん性放電で抑えられた認知機能を回復する可能性がある。
◎てんかん性健忘と認知症(鵜飼克行)
・一過性てんかん性健忘は中〜高齢者に初発し健忘発作を主症状とする側頭葉てんかんの特殊型である。
・一過性てんかん性健忘には焦点意識保持発作のものもあると推測される。またレビー小体型認知症と関連がある可能性がある。

●シンポジウム「てんかんと精神医療の新たな連携の形」(司会:山田了士、和田健)
◎てんかん外科と精神医療の連携
・一般にてんかんは第一選択薬で47%抑制され、第二選択薬で13%抑制される。しかし第三選択薬で抑制されるのは1%のみであり、2剤併用でも3%のみである。よって第二選択薬で抑制されない場合に診断を再検討し、難治性てんかんである場合には外科治療が検討される。
・側頭葉てんかんの場合、内服薬のみでは1年後に発作を抑制できたのは8%だけであったが、外科治療では58%抑制できた。
・外科治療の術前から術後2年の間に精神障害の診断がつくのが4割。術後精神障害の予測は現時点では難しい。
◎「小児科と精神科の医療連携:てんかんのトランジション」(谷口豪)
・小児期のてんかんのうち50〜60%は小児期に寛解する。しかし40〜50%は成人になってからもフォローアップが必要。
・小児科のてんかん患者の多くは成人になっても小児科に通院している。そして小児科医が診療にいちばん困難さを感じているのが精神・心理的な合併症である。
・発表者の外来では、小児科からのトランジションがなされるケースは知的障害や発達障害を合併しているケースが多い。また発作以外にも複数の問題を持っているケースが多い。
●「精神科医療からてんかん医療へ〜てんかんと脳波を知っておく重要性〜」(渡邊さつき)
・てんかんや脳波の知識は鑑別を行ううえで役立つ。例えば,討鵑ん発作として精神症状が存在するケース。⊂播脆作、非けいれん性てんかん重積。睡眠や解離症。
・てんかんの約30%が精神症状を持つ。てんかんに伴う精神症状としては、デジャブ、メジャブ、幻視、幻聴、錯視、恐怖感、体外離脱、抑うつ感、恍惚感、笑い発作などがある。
・てんかん発作を疑う状況としては、〇続時間が短い、突然始まり突然終わる、A覆┐詁睛討毎回一定、がある。
・てんかんの2%に起こる発作後精神病では、発作後の数日間は症状がなく、そのあとに幻覚・妄想・情動変化が出てくる。

●シンポジウム「精神・発達障害者の就労支援に関わる精神科医(主治医・産業医)の必須アイテム」(司会:神山昭男、奥山真司)
◎「働き方改革とこれからのメンタルヘルス対策」(神ノ田昌博)
・今後は産業医のネットワーク化が必要では?産業医には産業保健活動のリーダーとしての役割に求められる。
◎「労働者の適性を重視した就労支援」(渡辺洋一郎)
・労働者の適性にあった仕事内容にしたり、働きやすい職場環境を作ることは、労働者の健康やパフォーマンスの向上につながり、結果的に事業所の業績向上につながる。
・休職者の復職先についても、本人の適性を把握したうえで、慎重に考える。
・「厚労省編 一般職業適性検査」が有用。
◎「嘱託産業医の立場から」(森口次郎)
・以前は産業医は就業規則を拠りどころにしてきたため、「休職事由がなくなったときに復職」というのが基本的な考えだった。しかしメンタルヘルス問題・難病・がんなどを抱える労働者の支援しようとすると、この考え方では十分に対応できない。
・合理的配慮は大まかには以下の3タイプになる。(理的環境への配慮(サングラスの使用、昇降機の設置)。意思疎通の配慮(私事を図示する)。ルール・慣行の柔軟な変更(放射線治療のための時間有休取得)。
・合理的配慮を行うときには、以下の流れをたどる。〇業者が障害労働者とよく話し合う。個別は障壁を把握する。事業者自身の負担とすり合わせながら、合意に至る。

●ワークショップ「脳波の基礎コース」(司会:山内俊雄、矢部博興)
◎「どんなときに脳波検査を考えるか」(山内俊雄)
・脳波検査を考えるのは、以下のような状況のときである。[彎仮評の理解に苦しんだとき。意識の障害が疑われるとき。N彎仮評のよりよい理解のために。た臾桶仞奪螢坤爐陵解のために。イ討鵑んなど脳波の異常が知られているとき。
・脳波の基礎律動は意識障害の程度を反映する。
・脳波は脳の機能を把握する鋭敏な検査である。
◎「臨床脳波の基礎知識」(矢部博興)
・単極誘導では「耳朶(じだ)の活性化」の問題が起こることがある。初学者は平均基準電極法で判読する方が間違いにくい。
・てんかん発作を起こす人で、初回脳波で発作波が見つかるのは50%。何回取っても最大で90%の確率でしか見つからない。
・逆に発作波があっても発作がでない人もいる。
・発作波が脳腫瘍のサインであることもある。
・脳波上の「成人」は25歳。それまでは後頭部に遅い波が混じる。
◎「脳波判読時に注意すべきこと」(渡邊さつき)
・初学者にありがちなこととして、,△譴發海譴瞼波に見える、低振幅の徐波の見落とし、がある。
・背景活動と棘波を区別するには、〜宛紊力続性を見る、⇔戮療填砲稜鳩舛噺比べる、棘波の基本形と比べる、が大事。
・ハンプを棘波と間違えないように気をつける。頭頂部に優位、両側性。
・筋電図アーチファクト。上行線と下行線がくっついている、振幅がバラバラ。
・電位には勾配がある。1つの電極だけで発作波が出るのはおかしい。
・迷ったときには専門医に紹介する。
・異常所見は再現性が大事。
・発作症状なしにてんかんの診断はできない。
◎「てんかん脳波の基礎」(原恵子)
・てんかんの脳波は変化するものである。
・精神科医が診断するのは、特発性全般てんかんと、症候性局在関連てんかんの2グループ。
・特発性全般てんかんには、ー稠欠神てんかん、⊆稠ミオクロニーてんかん、A竿牟直間代発作のみを示すてんかん、合併が含まれる。
・局在関連てんかんの発作波は以下の特徴がある。.皀鵐拭璽献紊鯤僂┐討皸貭蠅任△襦↓2つ以上の電極を巻き込み、電位勾配を示す、再現性をもって繰り返し出現する、いれいなサイン波ではない。
・臨床症状を詳しく聞けばてんかんの発作型とてんかん症候群はほぼわかることが多い。一方で脳波なしには区別できない場合もある。仝部自動症+意識減損のケースで、側頭葉てんかんなのか若年欠神てんかんなのか?∈険差がある上肢の動きがあるケースで、局在関連てんかんなのか若年ミオクロニーてんかんなのか?A歓箸韻い譴鵑里澆鮗┐好院璽垢如⊂標性局在関連てんかんなのか特発性全般てんかんなのか?
・欠神てんかんは脳波所見が病勢を反映する。
・若年ミオクロニーてんかんでは、未治療の場合8割ぐらいが発作間欠期てんかん性異常波を呈する。光刺激に過敏性あり。発作を抑制しても断薬で発作再発率9割。
◎「非てんかん脳波の基礎」(太田克也)
・脳波判読のためには、まずは波を好きになることが大事。
・報告書を作成し、指導を受けることが大事。

 

写真1   学会会場である「朱鷺(とき)メッセ」の隣には信濃川が流れている。すぐそこが日本海への河口である。

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新潟の精神神経学会に参加する3 2019年6月21日(金)

   以下は精神神経学会の2日目と3日目で取った僕のノートです。発表者の名前も書かせていただいていますが、僕の聞き取りは正確ではありませんので、文責は僕にあります。またあくまでも僕が関心を持ったところだけを記録しています。

●シンポジウム「ポジティブ精神医学の産業メンタルヘルスへの応用」(司会:大野裕、三村將)
◎ポジティブ精神医学的視点が企業や地域にもたらすもの(佐久間啓)
・精神科医療の実践をさらに広げて豊かな地域社会を作ることを目指している。
・医療施設・福祉施設に加えて、農場・レストラン・美術館なども作っている。
◎ポジティブ精神医学を活用した産業界におけるメンタルヘルス向上(須賀英道)
・精神科医は原因追求視点に傾きがち。今後は健康創生的な視点を持つ必要がある。
・働きがいとは、活力と熱意を持って仕事に没頭でき、仕事に誇りを持てること。
・モチベーションの向上が行動変容につながり、評価を受けることでさらにモチベーションが高まるという好循環を目指して介入する。
◎企業におけるメンタルヘルスプロモーションの現状と健康経営におけるポジティブメンタルヘルス(奥山真司)
・従来は職場環境の安全と身体面の健康が強調されてきた。それに加えてさらに幸福感の醸成まで目指している。
・幸福感の醸成は統制的なアプローチでは難しい。ー発的な相談、△△訥度自律的な教育、自主的な風土、を職場に定着させていくことが必要。

●シンポジウム「ASDとADHDの臨床的特徴と鑑別診断」(司会:岩波明、柏淳)
◎「小児期のASDとADHDの臨床的特徴と鑑別診断」(横山冨士男)
・ASDとADHDには似たような状態を呈しやすい。両方ともに全体を把握するのが苦手である。
・対人交流の面では、ADHDは広く浅い関係で表面的になりやすい。ASDでは好き嫌いが激しく、共通の興味を介して仲間を作ることがある一方で、他者です視点を持ちにくい。

●ワークショップ「脳波の応用コース」(司会:山内俊雄、矢部博興)
◎臨床脳波の持つ限界と解決法(山内俊雄)
・脳波では期待した異常波が出ずにがっかりすることも多い。理由としては以下のものがある。’承’修変動するため、タイミングが合わないと異常波が見つからない。脳機能の異常がまれにしか脳波に反映されない病気だから。F皮上脳波では拾える異常が限られているから。
・脳波の波形から診断がつくことはまれである。脳波は脳機能の一面を見ているに過ぎない。また脳の全体ではなく限られた領域の状態を表している。
・対策として以下のものがある。‐評から脳機能障害を疑ったらすぐに脳波を取る。1回だけでなく繰り返し取る。7于瓩鯆匹Δ海箸埜えてくることがある。の彎仮評と突き合わせることで脳波の意義が高まる。ド螻菲,魍萢僂垢襦β召諒法を検討する(長時間脳波、ビデオ脳波、頭蓋内脳波)。
◎「非てんかんの脳波」(太田克也)
・軽い意識障害でも脳波はよく反映する。
・昏迷では意識清明のときの脳波。
・意識障害が重くなるにつれて基礎律動が徐波化する。
・認知症では初期は脳波異常は目立たない。
◎「てんかんの脳波について」(原恵子)
・30歳以降の初発の多くは局在関連てんかん。そのうち半分が側頭葉てんかんであり、高齢者での初発に限れば7割が側頭葉てんかんである。
・側頭葉てんかんは4〜16歳での発症が多い。
・側頭葉てんかんを疑うときには必ず睡眠脳波を取る必要がある。90%以上でF7かF8に最大点がある。双極誘導ではF7かF8で位相の逆転がある。ときに側頭部に徐波がみられる。欠神てんかんとの鑑別のために過呼吸賦活は4分行う。
・初回脳波でてんかん性放電が見つかるのが30〜50%。数回繰り返して80〜90%にまで高まる。迷ったら再度脳波を行う。
◎「長時間ビデオ脳波記録」(渡邊さつき)
・目的には以下のものがある。,討鵑んの発作や分類の検討。⊂播隻位の推定。てんかんと非てんかんの鑑別。
・限界としては、発作頻度が低いと行えないことがある記録する数日から1週間の間に発作が起こることが予想されるなら行える。
・発作時脳波の典型的な特徴としては、進展がみられることがある。発作焦点から、/局が増え周波数が減る形での進展、他領域への進展、が起こる。
・前頭葉てんかんの特徴には、/臾加罎傍きやすい、∋続が短い、0貳佞鵬薪戮盞り返す、がある。
・心因性非てんかん発作の特徴には、“作時に閉眼、▲ぅ筌ぅ笋垢襪茲Δ兵鵑瞭阿、上半身と下半身の動きが同期しない、て阿の変動が大きい、セ続が長い、がある。

●シンポジウム「昨今の産業衛生のトピックスとメンタルヘルス的視点」(司会:工藤喬、渡辺洋一郎)
◎「『働き方改革』における精神科産業医の役割と課題」(小山文彦)
・職場のメンタルヘルス問題の支援にあたっては、情報共有が大事である。内容としては、^絣愿な症状、勤労状況のアセスメント、生活状況のアセスメント、せ業所側の懸念のアセスメント、がある。
・職員面接とその前後のミーティング(産業医・保健師・人事労務)で連携をはかることが大事。
・不調の原因として職場外の要因にも注意する。
◎「健康経営に関する精神科医の役割」(田中克俊)
・精神疾患は大きな生産性の低下をもたらす。勤務できないことによる労働損失率は、うつ病28%、気分変調症14%、併存22%。
・出勤できても生産性が落ちてしまうことによる悪影響はずっと大きい。うつ病やアルコール使用障害は11〜12%の低下。
・睡眠不足は注意力を低下させ、ミスを起きやすくする。予防のために、睡眠衛生の指導が行われている事業所もある。
・インターネットを利用した認知行動療法も効果的である。
◎「『障害者就労』における精神科産業医の役割と課題」(神山昭男)
・身体障害者の雇用が義務化されたのは1960年。知的障害者は1998年。精神障害者はやっと2018年に義務化された。
・ハローワークを通しての障害者就労では、精神障害者の割合が増えている。
・しかし定着率は65%程度と高くなく、50人以下の事業所ではさらに低い。定着率は発達障害>知的障害>身体障害>精神障害であり、精神障害がもっとも低い。
・また障害者求人>一般求人の障害開示>一般求人の障害非開示の順に定着率が低くなる。
・地域の支援機関と連携した方が定着率がよくなる。
・産業医の支援の例には以下のものがある。
・労務管理については、ともかく出勤できることを第一の目標とする。作業はシンプルで直列。45〜60分ごとに休憩を15分取る。定期的に席替えをする。病状が悪化しないように勤務時間を最適に。業務に個人差があってもよしとする。教育にはゲーム感覚を取り入れる。
・健康管理についてはセルフケアを基本とする。定期面談で生活指導を行う。心身両面を包括的にケアする。集団や個人の教育を業務時間に組み込む。 
◎「『労災医療』における主治医と精神科産業医の役割と課題」(黒木宣夫)
・精神障害(自殺ではない)の労災認定が増えてきている。
・顧客からのクレーム・退職強要・配置転換・嫌がらせ・いじめ・上司とのトラブルでは認められにくい。
・主治医の立場でも、産業医の立場でも、労災請求には全面的に協力するのがよい。しかし労災請求をすることで本人と企業の関係が悪化してしまうケースもあるので、よく考える必要がある。

●シンポジウム「精神科医は強度行動障害に何ができるか?」(司会:市川宏伸、會田千恵)
◎「精神科医は強度行動障害に何ができるか?」(市川宏伸)
・知的障害者入所施設には、実際には自閉スペクトラム症と知的障害をあわせ持つ人が多く入所している。
・異食・常同行動・自傷などがみられることがあり、ケアが難しい。
・「強度行動障害」は、もともとは福祉・療育から出てきた概念である。
・強度行動障害を持つ人は、以前は長期入院になってしまっていた。
・以前は福祉側には医療との連携に消極的な面があった。医療側には福祉現場への理解不足があった。
◎「精神科医が強度行動障害にできることを『行動』の視点から考える」(會田千恵)
・重い強度行動障害を持つ人は全国で8000人程度と推測されている。
・精神科病院への入院治療でできること。ゞ杁淅鯑馘な本人の保護。家族や施設スタッフのレスパイト。8〆困箙堝鮎祿欧良床繊ぬ物調整。イ海世錣蟾堝阿箙堝鮎祿欧離螢札奪函行動療法や構造化による介入。
・心理社会的な介入が第一選択。行動療法・コミュニケーション指導・地域支援機関との連携が有効。今後は非薬物療法を多くして、薬物療法と行動制限を適正化していく必要がある。
◎「精神科医が出来ること〜福祉施設における役割〜」(田中恭子)
・福祉施設は2つの問題に直面している。ゞ度行動障害。入所者の高齢化。
・入所者の入院理由はイレウスと肺炎が多い。しかし強度行動障害のために十分に医療機関に受け入れてもらえない面がある。
◎指定発言 (井上雅彦)
・重度や最重度の知的障害を持つ人の10〜20%に強度行動障害がある。
・スタッフのバーンアウトやいらだちにつながりやすい。
・隔離室などで刺激を減らすだけでは、望ましい行動の獲得にはつながらない。
・問題行動を客観的に記録できるようにツールを工夫する余地がある。
・強度行動障害のリスクファクターには、ー閉スペクトラム症+重度の知的障害、△海世錣蟾堝阿龍さ、2板躊超など環境面の課題、がある。リスクの高いケースには、早期からの継続的な支援が必要。

●シンポジウム「発達障害とてんかん:各診療科の立場から」(司会:曾根大地、谷口豪)
◎「発達障害とてんかん:成人てんかん科の立場から」(曾根大地)
・てんかんと発達障害は合併しやすい。
・てんかん外来では発達障害が過小評価されている面があるかもしれない。
・合併例では、てんかん単独とは違う課題が出てきやすい。)椰佑ら情報を得にくい。意識減損の発見が難しい。精神症状との区別がより難しい。だ人の診療科へのトランジションが難しい。
◎「発達障害とてんかんー成人発達専門外来診療医の立場からー」(中岡健太郎)
・自閉スペクトラム症とてんかんの合併率は報告によって差が大きい。幼児よりも児童思春期の方が合併率が高い。
・合併のリスクファクターには、|療障害(重くなるほど合併しやすくなる)、⊇性、症候性の自閉スペクトラム症である(遺伝子異常などの背景疾患がある)。
◎「てんかんの外科治療と認知発達機能への影響」(岩崎真樹)
・てんかん外科には根治手術と緩和手術がある。
・根治手術になるのは、ヽで蝋轍従鼻↓脳腫瘍、H藜膳狙障害、のケースが多い。
・てんかんのうちの約30%が薬剤抵抗性てんかんである。薬剤抵抗性てんかんのリスクファクターには、”分てんかん、高い発作頻度、D垢へ輊卒間、がある。
・海馬切除術を行っても、記名力は変わらない人が多く、一部に改善や悪化する人もいる。
・乳幼児の手術は片側巨脳症にたいしてのものが多い。
◎「神経発達症と小児てんかん」(中川栄二)
・神経発達の点からは、神経回路が形成される9〜10歳までにてんかん発作を抑制できるかがポイントになる。子どもの脳には大きな可塑性と代償性がある。なるべく早いうちに神経回路を再構築するのが大事である。
・てんかんの発症後にADHD特性が目立ってくるケースもある。

●シンポジウム「精神疾患の背後に発達障害特性を見いだしたとき、いかに治療すべきか」(司会:岡田俊、小平雅基)
◎「発達障害における強迫性と発達障害を背景とする強迫症状」(小平雅基)
・強迫性にはADHD・チック症・トゥレット症の合併が多い。
・認知行動療法の導入が難しいケースもある。また自閉スペクトラム症では感情に焦点を当てるのが苦手な子どもが多い。そこで以下のような工夫をしている。/搬隆恭个陵彖任鯱誕蠅砲垢襦陰性感情を持つことに対して肯定的に話す。4蕎霰聴のためのツールを活用する。
◎「発達障害に伴う不安と発達障害を基盤とする表現型としての不安症」(岡田俊)
・自閉スペクトラム症では不安が強い。例えば以下のものがある。/佑里泙覆兇靴琉嫐がわからない不安。∩蠎蠅良従陲箙堝阿琉嫂泙感じられない不安。これから起こる出来事が予測できない不安。せ廚い鬚Δ泙伝えられない不安。イ靴辰りしない社会的状況におかれる不安。
・ADHDでも不安が強い。ー分の行動や感情を制御できない不安。⊆分の望む関係性を自分で壊してしまう不安。失敗を重ねてしまう不安。ぬ榲に向けて順序立てて行動できない不安。
・特性が育ちに与える悪影響もある。〕椣藜圓隼劼匹發隆愀言。⊃搬料の発達。B亟超の関係性。っ膣峇愀検
・エリクソンの発達課題のうちして青年期までの課題を乗り越えられていない子どもも多い。
・社交不安症や選択制緘黙は背景に自閉スペクトラム症があることが多い。
◎「発達障害を有する患者のトラウマ関連症状」(岩垂喜貴)
・トラウマに暴露されたあとにも、他者との愛着があれば予後は良好である。しかし発達症の子どもは愛着関係を持つのが苦手な面があり、トラウマ後の症状も重くなりやすい。
・安全基地の確保と愛着形成の促進が治療の目標である。かわいいなと思えるようになったときに治療は進展する。
・治療の構造化と治療チームの生き残りが成功すると、子どもは抑うつ・不安・外傷体験の振り返りができるようになっていく。
・別れをていねいに扱うことが大切である。

 

写真1   新潟市美術館。「インポッシブル・アーキテクチャー」という企画展が開催されていた。実現しなかった建築の構想が集められていた。たしかに芸術は「できあがったもの」よりも「できあがらなかったもの」のなかにあるのかもしれない。

 

写真2   美術館の隣の公園には良寛の像があった。新潟県の人だったようだ。

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2019年6月日録1

6/2(日)   美紗さんの親族の法事に出るために、家族で鹿児島に出かけた。めったに顔を合わせない人たちが何人もいたせいか、子どもたちの興奮がすごかった。特に読経のときと、食事会のときがピークで、3人で大声を出したり走り回っていた。お行儀はきわめて悪かったが、「こんなに活発になれるんだ」とうれしくも思った。普段は見ることがないパワーを子どもたちは秘めている。未来の世代の成長を促しながら、人生のバトンは引き継がれるのだろう。
6/3(月)   響が通っている療育施設の方からトランポリンの購入を勧められ、美紗さんが小さなものを買った。子どもたちが楽しむのかはわからなかったが、さっそく競争して跳び出した。つられて僕もはねてみたが、両肩が揺さぶられるせいか肩こりに効く。首から肩にかけて「こなきじじい」のように重たい感覚があるが、ほぐされると感じた。子どもたちよりもむしろ僕に必要な運動だ。
6/4(火)   発達症の親の会である「くまっこくらぶ」に参加した。発達症の子どもを持つ親が集まって話す場だが、保健師や療育関係者も参加されていた。親は日々の生活のなかでさまざまなストレスを抱える。それは同じ立場の親だからこそ受け止められる面がある。長年続けてこられていることに敬意を感じた。
6/5(水)   成人の引きこもりの相談を受けた。いったん長期化するとなかなか変えるのが難しい。また生活習慣の問題は薬だけでの改善が難しく、通所・入所・入院などで環境を変えることが必要になる。いかに早いうちから介入するかが大事なのだが、地域で相談を受ける体制は十分ではない。市町村の保健師さんを精神科医がバックアップする形での支援を普及させることが重要だ。

 

写真1   トランポリンをする響。100回跳ぶのもできた。

 

写真2   ジグモの巣を取ろうとする響。

 

写真3   つかまえたジグモを手に乗せる。

 

写真4   「くまっこくらぶ」が開かれたおこば保育園。多目的に活用できるスペースも作ってあるそうだ。

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2019年6月日録2

6/6(木)   特別支援教育についての会議に参加して、現状と課題などを議論した。僕が感じた課題は以下の通りである。/裕筏緞畸楼茲倭澗里箸靴討澆襪閥軌蕕搬梢種の連携が進んだ地域である。⊂霆鑢未良坩堕蠅併劼匹發料加に、対応しきれていない面がある。対人緊張・こだわり・不登校・ゲーム依存・易怒性・暴力・盗み・性問題など発達症の二次障害が多発しているが、どのように連携して支援していくかは未確立である。L鮠貽發忙劼匹眤从課がある市町村もあり、学校から相談・連携しやすい面がある。他の市町村役場にも子ども対策課ができることが望まれる。と達症の子どもたちの進路指導が十分にできていない面がある。社会人になってからの病状や生活の安定のためにも、進路指導はきわめて重要であり、治療的な意義も大きい。ゲ板躊超の課題のために子どもの情緒面での不安定さが増幅されているケースもあり、保護者支援が重要である。一方で支援を無理に勧め過ぎてもこじれやすいので、困り感が出るまでじっくりと待つ姿勢も大事である。Π緡妬野においては産婦人科と精神科の連携支援が多くなってきており、課題を抱える妊産婦の支援や虐待予防の取り組みが進んできている。
6/9(日)   地区の清掃活動に参加した。道路に沿って生える雑草の草刈りをするのだが、皆さん熱心だ。ただ僕のいる地区は人手が豊富なのだが、他の地区は人手が少なくて除草作業が進みにくいところもあった。高齢化が進行していくと、地区の維持活動も難しくなるのではと予想される。地区の再編など、対策を考える必要があると思う。
6/13(木)   病院の新人研修で発達症の支援について話した。話しながら改めて感じたのだが、精神科の仕事は社会の動きと密接に関係している。精神科が関わる社会問題は多く、代表的なものだけでも、ー殺予防、引きこもり支援、I堙亶算抉隋↓ど郎ぢ从、サ埖塒祝匹覆匹ある。なのでいつも「いま人々がどんなことに困っているのか?」を考え続けないと、時代状況とズレてしまう。相談支援は精神科の活動の原点であり、最先端でもあるのだ。
6/18(火)   山江村の産業医講演会で禁煙について話した。禁煙について話すのは初めてだったので緊張したが、参加者が熱心に聞いてくださり話しやすかった。衛生委員会のメンバーで作り上げた会だったので、成功してうれしかった。衛生委員会が盛り上がれば必ずいい職場ができる。衛生委員会の重要性は高まる一方だ。
   10日ほど前に宮崎市の「アクアプラン金魚館」に出かけて金魚を買った。やすみは稚魚7匹、響は黒らんちゅうなど3匹だった。美紗さんが新たに水槽を作ったりして飼い始めたが、すでにそのうち2匹が死んでしまった。おそらく今後も死んでしまう金魚が出てくるだろう。金魚というのは元来のフナから特殊な変異種を抽出に抽出を重ねて人工的に作り出したものだ。かわいらしい姿の金魚ほど、気温や水質の変化に弱く病気になりやすい。壊れやすい芸術品のようなものだ。買ってきた金魚を定着させることはほんとうに難しく、まめさと根気のいることだと思う。

 

写真5   宮崎市にある金魚のお店「アクアプラン金魚館」。子どもたちが好きな金魚を選んでいる。

 

写真6   やすみは金魚の水槽の用意を手伝う。

 

写真7   水槽ができた。

 

写真8   死んでしまった金魚を埋めるために土を掘ろうとするしずく。金魚を飼うのは難しい。

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2019年6月日録3

6/26(水)   朝に近所の細い道を車で走っていたら、道路をのそのそ亀が歩いていた。このままでは車にひかれてしまうと思い、逃がそうとしたが、近くには池や川が全くない。このままでは死んでしまうと思い、車に乗せた。息子の響がいたく喜んで、「亀さんが歩いたよ」と連呼した。響も「亀さんを家に置いて」と言うので、美紗さんと相談して飼うことにした。僕は小さい頃から亀を捕まえたり短期間飼ったりしてきたが、それは水辺にいるクサガメで、今回拾ったのは陸生の強いイシガメだった。小さい頃から亀が好きだが、どこで縁が見つかるかわからない。
   球磨村の小・中学校の見学をさせていただいた。教育委員会や学校に歓迎していただき、授業の様子を見ることができた。僕は発達症の支援をしていることもあり、もっとも関心があるのは特別支援学級の状況だった。特別支援学級では生徒に応じた個別の学習がなされるのが理想だが、教員がマンツーマンで配置されているわけではないので、先生方がどうされているのかを知りたかった。教育面ではかなり工夫をされて、ペースの違う複数の子どもたちを同時並行で指導されていた。ただ情緒面の不安定さを持つ子どもへの対応には決定打がなく、苦戦されている印象だった。情緒面の不安定さを持つ子どもたちの学びをどうしていけばいいのかはまだ正解のない問題で、学校だけでなく支援に関わる多職種で考えないといけないことだと思う。
6/30(日)   熊本市にある慈恵病院の相談を受けに行った。産婦人科には「特定妊婦」という言葉があり、出産前から育児支援を準備していかないといけないケースを指す。その特定妊婦の支援が産婦人科的な枠組みだけでは難しく、苦戦されているそうだ。なかでも精神疾患や家族問題のあるケースへの支援には、精神科スタッフの関与が必要だ。今後ますます妊産婦支援が精神科スタッフの役割になっていくことが予想される。

写真9   鹿児島県霧島市にあるアスレチックスの公園「児童の森」。かなり難しいアスレチックスばかりだが、子どもたちは非常に喜んでいた。

 

写真10   拾ったイシガメを飼うことにした。

 

写真11   イシガメを庭に放して後を追うしずく。

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呉秀三の本を読む1 2019年5月6日(月)

   精神科スタッフであれば誰でも名前だけは知っているという人に「呉 秀三」(くれ しゅうぞう、1865〜1932、精神科の医師・研究者・教育者)がいます。日本の近代精神医学の土台を作った人で、治療・研究・教育・学会設立・制度設計など多方面に業績が渡っています。日本の精神科の歴史を学ぶと必ず出てくる人物です。
   その呉秀三の仕事のなかでももっとも有名なのが「私宅監置(したくかんち)」についての調査報告です。私宅監置とはいわゆる座敷牢のことで、自宅や離れの一角に木の檻を作り、患者を監禁したことを指します。当時の「精神病者監護法」のもとでは医師の診断書をもらったうえで警察に届けて手続きをすれば合法とされていました。呉は大学医局のスタッフを多数の県に派遣し、私宅監置の実態を調査するプロジェクトを進めました。その結果患者たちはあまりにも悲惨な状態で閉じ込められていて、しかも医療をほとんど受けられていないことが明らかになり、法制度を変える力になったのでした。
   実は僕は呉秀三の名前くらいしか知りませんでした。『現代語訳  呉秀三・樫田五郎 精神科私宅監置の実況及びその統計的観察』(訳・解説:金川秀雄、医学書院、2012年)を以前買いはしたのですが、ずっと読まないままでした。もしきっかけがなかったら、今後も読まないままだったでしょう。
   ところがきっかけが舞い込みました。呉秀三の映画『夜明け前』(監督:今井友樹、2019年、日本)ができ、その上映会をするので、映画を観る前に講演をしてほしいと依頼を受けたのです。映画のことは僕は知らなかったのですが、宣伝用の動画を見ると非常に内容が良さそうです。僕は喜んでお受けしました。
   主催者の方たちが事前に打ち合わせに来られました。僕と主催者の思いは一致していました。それは「呉秀三のことよりも、呉秀三が問いかけた問題について話したい」ということです。昔の問題について話すよりも、「もしもいま呉秀三が生きていたら、どんなことを課題と感じて取り組むだろう?」と考えながら話す方が、ずっと有意義になると思われました。過去よりも生きたいまの問題を語りたいのです。
   本の内容や呉秀三の問提起について簡単にまとめてみました(以下に載せます)。結果的にわかったのは、僕がしている地域での予防的な相談活動は、呉秀三の「問題提起の先にあるもの」の1つだということです。自分が手探りしてきたつもりでいましたが、実際には先人の探求に乗っかって、その少し先を見ようとしていたのですね。
   呉秀三の視野は広く、いまでも精神科分野で課題になっていることがたくさん問題提起されていて驚きます。私宅監置の犠牲になっている患者たちへのあわれみや、制度への深い怒りが伝わってきます。ほんとうに深い視点とは、知性と感情の両面が結晶化してできあがるものなのでしょう。偉大な先人の存在をいままでよりも身近に感じられてうれしく思います。

 

写真1   『現代語訳  呉秀三・樫田五郎 精神科私宅監置の実況及びその統計的観察』(訳・解説:金川秀雄、医学書院、2012年)。読み通すのは大変だが、大変に価値のある内容であり、多様な切り口から論じることができる。

 

写真2   本のなかに出てくる私宅監置の図や写真。

 

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呉秀三の本を読む2 2019年5月6日(月)

●内容の要点

・精神疾患は治らないものではなく、適切な治療を行えば改善しうる。
・当時の推定患者数15万人に対して、入院機関のベッド数が5000ほどしかないため、ほとんどの患者が十分な治療を受けられていない。
・病院での治療を十分に受けられていない人への対応のうち、私宅監置や民間療法が代表的。
・私宅監置の119例の調査報告。 民間療法についての調査報告(寺院・温泉)。
・患者の移送の調査報告。
・私宅監置の統計的な分析。
・私宅監置という制度は監禁に重点を置きすぎており、治療の必要性が無視されている。
・背景にある「精神病者監護法」にも同じ問題がある。
・今後は国が以下の4つに力を入れていくべきである。
      \鎖晴憤緡典ヾ悗覆瓢楡澆寮鞍
      ∪鎖声栖気亡悗垢詼[Г寮鞍
      精神疾患についての啓発活動
      ぜN鼎篁抉腓寮賁膺Δ琉蘋  

●呉秀三の問題提起(私見)
  本の中では現代にもつながる重要な問題提起がなされている。以下の,らГ僕が読み取った現代への問いかけで、その問題に対してどんな進展があるかを☆で書いた。

”郎い簣家颪量簑   
      貧困が背景にあると治療や支援が進みにくい。
      医療機関にもつながらないことが多く、つながっても経済的に続かないことが多い。
      貧困があると家族間での虐待につながりやすい。
      障害年金などを導入しても、浪費の問題があると支援が進みにくい。
      まずは生活を立て直すことが必要である。

☆貧困や浪費の問題⇒福祉的な支援
      現代においては福祉的な支援が活発になってきている。
      精神保健福祉士や社会福祉士が支援に参加している。
      役場の福祉課の方との連携支援も増えている。
      生活保護だけではなくて、社協の生活困窮者自立支援制度もある。
      浪費の問題に対しても、社協の権利擁護事業や成年後見制度などを活用できることがある。
      経済面での予防的な支援が増えている。 

家族関係の問題
      精神疾患の症状のために家族関係が悪化することもある。
      家族に精神疾患への理解がないケースもある。
      家族にも精神疾患があるケースもある。
      家族との関係が悪いと治療や支援が進みにくい。
      結果的に長期入院につながりやすい。
      家族の負担が大きすぎるのではないか?

☆家族関係の問題⇒家族支援・社会資源
      家族支援も増えてきている。
      地域や病院の家族会もある。
      家族向けの啓発研修などもある。
      家族だけが患者を背負うのではなく、社会資源をできるだけ活用していく。
      病院でも精神保健福祉士や看護師が介入している。

支援機関の不足
      医療支援機関の数が少なくて、必要な支援を受けられない。
      受診したくても数カ月待たないといけないことも。
      退院した人たちの入所できる施設が少ない(グループホームなど)。
      通所できる施設が少ない(デイケアなど)。
      就労できる施設が十分にはない(A型・B型事業所など)。
      医療機関や支援機関の数が、ニーズの増加に追い付いていない。

☆支援機関の不足⇒連携の強化
      急に数を増やすことは難しいので、いまある機関の連携を強化して対応力を高めていく。
      医療機関と保健師のつながりも強まっている。
      医療機関・入所先・通所先・就労先のつながりも増えつつある。
      地域全体の支援力を高めていく。

ぜ匆馘な問題行動 
      社会的な問題を起こした患者の治療や支援は難しい。
      法律や処罰といった司法的な観点と、治療や支援といった医療的な観点とのバランスが求められる。
      再発予防が強く求められる。
      家族とも疎遠になりやすく、キーパーソン不在になりやすい。

☆社会的な問題行動⇒多職種での継続支援
      警察が病院につなぐことも増えている。
      措置入院の患者の退院後には保健所が中心となってフォローしている。
      医療観察法の制度があり、触法患者を継続的に多職種で支援していく枠組みがある。
      医療機関と司法機関の連携も少しずつ進んでいる(例:少年院)。
      司法機関が通院・入院命令を出すという形もおそらく将来的には増えていく(薬物依存・窃盗症など)。

テ中活動の不足
      日中活動が無いと、病状が悪化しやすく、社会機能が低下しやすい。
      日中活動が無いと、対人交流の能力も低下していきやすい。
      生活リズムが乱れて昼夜逆転しやすく、再発につながりやすい。
      引きこもり・貧困・衛生面の問題などにつながりやすい。

☆日中活動の不足⇒通所・就労支援
      現代では適切な日中活動は再発予防やQOLの向上のために重要視されている。
      デイケアなどの通所施設がある。
      就労継続支援事業所も増えてきている。
      一般就労に移行していける例も出てきている。
      どうしても通所につながらないケースでも訪問看護などを行うことができる。

Π楞の問題⇒いまも未解決
      家庭内暴力・病識の不足・引きこもり・幻覚妄想の悪化などのために、状態が悪くても医療機関につながらないケースがたくさんある。
      かつては病院スタッフが収容を行うこともあったが、現在は禁止されている。
      民間業者があるが、法制度にのっとっているのかに課題がある。
      適切な制度がないのが現在の状態。
      将来的には何らかの公的な枠組みを作ることが求められる。

予防活動の不足⇒年々充実してきている
      一次予防      精神疾患の発生を予防する⇒啓発活動など
      二次予防      発生した精神疾患を早期発見して重症化を予防する⇒こころの相談など
      三次予防      社会復帰を支援し、再発を予防すること⇒自助グループ 交流会 ヘルパー 保健師 訪問看護 デイケアなど


●問題提起の先にあるもの
      呉秀三の問題提起の先にあるものとして、地域での予防的な相談活動がある。
      予防的な支援を行っていると、多問題ケースが多いことに気付く。
      なかなか支援につながりにくく、近隣や行政も疲弊していることが多い。
      共生社会の実現のためには、多問題ケースを支援していける多職種チームや仲間が地域に育っていくことが必要である。

 

写真1   人吉での上映会をチラシ。

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ダイエットについて 2019年5月9日(木)

   僕はダイエットにはもともと関心がなく、つまらないと思っていました。テレビのコマーシャルでもダイエット食品の宣伝を延々とやっていますが、なぜなのか不思議でした。個人が個人のやり方で食べて生活していけばいいとだけ思っていたのです。
   ところが僕自身がダイエットをする必要性が生じました。コレステロールや中性脂肪の数値が高いので、医師から減量を指示されたのです。ですが僕はダイエットについて真剣に考えていませんでした。美紗さんは野菜や魚中心のメニューにするなど工夫してくれたのですが、さらに少しずつ体重が増えていきました。そのうちに「医療でできるのはここまでです。あとは自分で生活を変えていかないと、どうにもなりません」といった最後通告のようなお話が医師からあり、さすがに僕もどうにかしないといけなくなりました。
   ダイエットと聞くと思い出すのが、『 ダイエットは人生の哲学』(著:リチャード・ワトソン、訳:横山貞子、昌文社、2000年)です。これはダイエットに取り組んだ哲学者の本なのですが、名著であり、いままでにも何度か読み直してきています。再度読んでみましたが、やはり優れた本だという思いになりました。ただダイエットの具体的な技法を学べることよりも、著者の生きざまや覚悟の全体が表れているがゆえに名著であり、読んだからすぐにダイエットをできるというものではありません。とはいえこの本から学んだこともあり、それは以下の点です。

‘団蠅凌べ物を食べ続けたりするダイエットでは持続性がない。もとの食べ方に戻ったら、すぐに体重が戻ってしまう。
⊆造里△襯瀬ぅ┘奪箸鬚垢襪燭瓩砲蓮∪犬方の全体を変化させないといけない。いままでと違った行動や考え方をすることで、結果的に食べるものや食べ方が変わることが本来のあり方だ。味の好みや食に対する考え方も変化するはずだ。
真剣にダイエットに取り組むことは人生を自己管理することにつながる。強い意志・大きな目標・継続的な努力・柔軟で現実的な実践などが求められるという点では、世界全体を変えようとすることと同じように難しい。ダイエットを通して人は自己を鍛えることができる。目標を実現するには多大な犠牲が求められる。

   この本を読んで励まされることは、ダイエットということが非常に難しいけれどもやりがいのあることだとわかることです。「自分のたるんだお腹をへこませたいという見栄でやること」というイメージを持っていたのですが、この本を読むと、「ほんとうに人々のためになる活動をしたいなら、ダイエットもできるようでないといけない」という気持ちになります。「地域にこころの相談を浸透させたい」ということと「ほどほどにやせたい」というのでは目標は全く違いますが、進展していくプロセスには共通性があるそうです。
   そういうことで僕のコレステロール値が安定するように意地でもダイエットを成功させないといけなくなってきました。といっても特別なことをするわけではなく、以下のことをするだけです。
〔邵擇箋を多く食べる。
∈能蕕北邵擇ら食べる。
M漆のときにはごはんやパンなど炭水化物を避ける。
せ劼匹發残した食事を「もったいないから」といって食べ過ぎない。
   やってみて結果的にわかったことですが、野菜から食べると、ガツガツ食べなくなります。野菜をあまり好きではないので、どちらかというと消極的に食べるからです。もし最初にハンバーグやコロッケ・カレーなどを食べるとすると、おいしいこともあって流し込むように食べてしまうのです。「食べるときによく噛みなさい」といままで何度も言われてきましたが、一度も実現できませんでした。それが野菜から食べるようにしたら、結果的にゆっくり噛んで食べるようになりました。「おいしい」「はやく食べたい」という気持ちをあまり持ち過ぎないで食べた方がいいみたいです。
   また胃袋はある程度いっぱいになると満足するんだということもわかりました。いままでは「白米はこのぐらい食べないと満足できないはずだ」とか「肉類もないと」といった思い込みがありましたが、野菜ばかりを食べてもお腹いっぱいの感覚になるのです。「野菜だけでは絶対に満腹感はないはずだ」と思っていましたので、意外でした。
   朝ごはんはしっかり食べないといけないということもわかりました。朝ごはんも野菜だけでいいのですが、外来診療のある日には昼過ぎになると疲れた感覚に襲われます。午前中に継続受診の人を診察し、13時とか14時とかに2件目の新規受診者や入院患者に対応するのが僕のスケジュールで、お昼ごはんを食べる前に精神的な力を要する仕事があるのです。ですので朝ごはんをいちばん多く食べるようになりました。以前は夜ごはんにいちばん食べこんでいたのですが、夜には激しい仕事もないですから、あまり食べこまなくてもいいのです。
   体重は以前は73圓世辰燭里、いまは70圓阿蕕い砲覆蠅泙靴拭まだ本格的にダイエットに取り組んで数か月にしかなりませんからなんとも言えませんが、野菜を多くとることは少なくとも体にいいようです。「63圓阿蕕い魄飮できれば薬も必要なくなるでしょう」と医師もおっしゃっていました。
   「ダイエットに取り組むことで生き方が変化していく」というのが上記の本の趣旨でした。たしかに僕もダイエットの副次的な効果があるのを感じています。
〇纏の効率が以前よりもよくなった。
∩蠎蠅亡鵑蠹困うとするばかりでなく、少し突き放して考えることがしやすくなった。
A瓩仕事が終わった日には早く帰ることに対して罪悪感を感じることが減った。
せ纏よりも家庭を優先できるようになった。
   つまり余分なものを省くことがしやすくなったのかもしれません。結局ダイエットは人生の整理や掃除につながるのではないでしょうか。不必要なことに手を出し過ぎず大事なことに集中するというのがその教えなのかもしれません。僕は「あれもこれも」と手を出しがちなので、ときには整理することが必要なのでしょう。ダイエットに取り組みながら、人生自体もスリムにしていければと思います。

 

写真1   『 ダイエットは人生の哲学』(著:リチャード・ワトソン、訳:横山貞子、晶文社、2000年)。故・上島聖好さんが訳者から寄贈されたもの。ダイエットと、著者の研究している哲学と、そして著者の生き方が一体となっているところがすばらしい。ダイエットの技術書ではない。

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