お休みどころ

こころの相談活動を作り続ける
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フリースクールの親の会に参加する 2018年8月1日(水)

 フリースクール「学びの杜学園」(連絡先〒8992201鹿児島県日置市東市来町湯田4477-2 皆田地区公民館2階、電話Fax0992734623、携帯09034146065、メールinfo@manabi-mas.co.jp)は友人の江口直美さんが立ち上げた、不登校の子どものための学びの場です。もう6年目になり、教育や支援の成果が出て、ネットワークも広がっているそうです。
  ここ1,2年の新しい動きに、在校生や卒業生の保護者会ができたことがあります。「親育ち学び合いの会」です。これは理にかなったことで、子どもを支援しようとすれば、育児に悩む保護者を支援する場もどうしても必要になります。中核となるメンバーが準備を重ね、年に3回ほど大きな集まりを開いているそうです。
  その第5回の集まりに招いていただきました。最近はフリースクールに行く機会もなかなかありませんでしたから、喜んでお引き受けしました。うれしい理由のもう1つは、フリースクールから比較的近くに海水浴場(江口浜海浜公園)があることです。講演の日の朝は早めに出発して、子どもたちを海に連れていくことができたのでした。
  さて「親育ち学び合いの会」ですが、驚いたのは参加者の顔ぶれです。フリースクールの保護者に加えて、教員過程で学んでいる大学生20人ほど、さらに保健師や福祉課職員、養護教諭といった支援者が参加していました。つまり保護者と教育者と支援者がうまく混ざっていたのです。この三者が基本的な認識を共有するのが、子ども支援のスタートでありゴールです。そして不登校支援の課題を教員の卵である学生さんに知ってもらえることがとてもすばらしいことだと思いました。
  僕の話のあとに臨床心理士の冨田恵子さんのお話があり、そのあとにグループワークがありました。僕のグループは保護者の方たちのお話が中心だったのですが、聞いていてつらくなるものも多かったです。話題の焦点は教員の言葉かけの大切さになりました。教員の方たちは子どもの人生の一時期しか関わらないのですが、その時期における影響力には絶大なものがあり、子どもを励ますこともできれば、絶望させることもできます。いかに教員の言葉で子どもが傷ついたかと切々と話される保護者が多く、学生さんたちも真剣に聞いていました。
  子ども支援の究極の目標とは何なのでしょう?1人1人の子どもに対して、「その子にあったペースで、成長への刺激を受けられる、その子に合った環境」を提供できるのが理想です。でも子どもは1人1人違いますから、子どもが求める環境も千差万別です。どうすればできるだけ多くの子どものニーズに応えられるのか?苦しみ続けるのが教育者の宿命なのでしょう。
  医療ははじめから個人に対するアプローチですので、個別の支援にはなじみやすいです。その意味で医療は教育を補完する立場にあるのでしょう。究極の教育はいくら追求しても砂漠の蜃気楼のように逃げていきますが、教育がまわりの他の分野と協力できれば、少しずつではあっても、理想の教育に近づいていけると思うのです。現代は教育者に外部機関と連携するコーディネート力が求められているのかもしれません。そして子どもと保護者と教育者のそれぞれをサポートするのが医療者に求められていることなのでしょう。

 

写真1 「第5回 親育ち学び合いの会」の会場である「日置市東市来文化交流センター」。

 

写真2 臨床心理士の冨田恵子さんの講演のひとコマ。前に並んだ3人が同時に話すことを全て聞き取るのは難しい。感覚過敏の体験が狙い。

 

写真3 江口浜海浜公園で子どもたちは海水浴ができた。

 

写真4〜6は「フリースクール 学びの杜学園」で撮った写真です。

写真4 廃校になった学校の校舎を利用している。

 

写真5 教室の様子。

 

写真6 ホワイトボードに落書きをする子どもたち。

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2018年8月日録1

2018年8月日録1
8/1(水) 『医療ミスを防ぐ技術』(Kevin Barracloughほか著、竹本毅訳、日経メディカル、2017年)は何かの医学雑誌で広告を読んで購入した。題名からはミスを予防する技術の解説書のように思えるが、典型的な訴訟事例40例の分析が主な内容だ。内科のかかりつけ医の初期対応についての案件が多く、精神科の話題は少なかったので、ある意味では僕の仕事とのつながりは少なかった。でもいろいろ考えさせられた。
  いちばん感じたのが、僕が自分の仕事の評価を受けていない点だ。本来なら先輩医師から医療的な面についてアドヴァイスを受けられる仕組みがあることが望ましい。さらに行政の視点から僕が逸脱していないかを見てもらうことが必要だ。病院全体は監査を定期的に受けているけれど、個人でも指摘を受けた方がいいと思う。
  また医療事故や訴訟事案について、継続的に学ぶ仕組みもあるとありがたい。最近は医療事故調査・支援センターから死亡事故の起きやすい病状についての冊子が届くので、非常に勉強になる。さらに医療の仕事の枠組みを作っている法律や制度の基礎についての勉強もできたらありがたい。
  医療の仕事は臨床での診断・治療だけにあるのではなく、倫理的・法的・制度的な側面も意識しないといけない。僕はすぐに枠組みから逸脱したくなるので、反省させられた。この本のように間違いから学び続けることが大切だと思う。 
8/4(土) 娘のやすみが通うさざなみ保育園の「夕涼み会」があった。保育園の最終学年の子どもと保護者1人が集まるイベントだ。わが家では美紗さんも僕も参加したかったが、僕に譲ってくれた。やすみと2人で過ごすことはほとんどないので、うれしかった。
  子どもが主体になってカレーライスの野菜切りをしたり、スタンプラリーをして子どもたちがなぞなぞを考えたりした。5歳の子どもはこんなにたくさんのことをできるんだ、と驚いた。状況判断の能力は大人とは全然違うが、学んだり話したりする力は大人とあまり変わらない。逆に言えば「周囲に配慮する能力」はとても高度な能力なのだ。学校に上がってからも、集団生活のなかで、適応性を高めるように鍛えられるのだろう。
8/5(日) 家族で髪を切りに美容室「レッドヘア」に出かけた。1時間ほど時間があったので、「くま川鉄道」の「おかどめ幸福駅」にできたという「黒豚キッチンKUMAKURO おかどめ幸福駅店」(〒8680415熊本県球磨郡あさぎり町免田西1438、電話0966456604)に行ってみた。ひなびた無人駅だったところに、しゃれた販売店やレストランができている。KUMAKUROは黒豚専門の農家の娘さんが出しているお店なので、肉の味わいが非常に強い。みるみるお客さんで埋まっていったが、納得がいった。

 

写真1 『医療ミスを防ぐ技術』(Kevin Barracloughほか著、竹本毅訳、日経メディカル、2017年)。訴訟の際に診療がどのように評価され、賠償額がどのように検討されるのかが勉強になった。

 

写真2 さざなみ保育園の夕涼み会にて。カレーライスの野菜切りをやすみは上手にしていた。

 

写真3〜4はあさぎり町にある「黒豚キッチンKUMAKURO おかどめ幸福駅店」で撮った写真です。

 

写真3 くま川鉄道の無人駅だったところにお店がある。

 

写真4 黒豚専門の農場の直営店だけに、肉そのもののうま味を味わえる。

 

写真5 あさぎり町にある美容室「レッドヘア」にて。生まれて初めてのカットだったが、しずくは動じずに座っていられた

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2018年8月日録2

8/7(火) 2つの町村の「教育支援委員会」に参加した。主に来年度から小学校や中学校に進学する子どもと保護者を対象に、通常学級か特別支援学級かどちらが適切かを面談しながら話し合う。以前は特別支援学級をちゅうちょする保護者の方が多く、僕は多少強めに勧めることが多かった。いまは少し気持ちが変わり、特別支援学級でも通常学級でも保護者の方が真剣に考えてくださるならありがたく、むしろ面談自体を拒否したり、養育に不熱心だったりするケースを支援しないといけないと思うようになった。保護者が学校や教室委員会と話し合えるなら、いろいろあっても解決策を見いだしていけることが多い。教育支援委員会の面談は時間もかかり大変だが、やりがいを感じることができる。
8/8(水) 人吉市の地域包括支援センターの職員を主な対象に、妄想の勉強会をした。妄想をきたす疾患は高齢者にも多く、認知症だけでなく妄想性障害のケースが支援対象になることもときどきある。資料を調べてまとめたので、話しながら僕自身の勉強になった。疾患ごとに症状や経過や治療方針が異なり、最初の見立てを間違うとうまく進まない。病院で正式な診断が付く前にも、ある程度考えられる疾患を頭に置いて支援することが大事だ。病院スタッフと地域の支援職がいっしょに学んでいくことにはとても大きな意味がある。
  鹿児島県の湧水町にあるラーメン屋さん「あら木 里山の麺処と和布あそび」(8996104鹿児島県姶良郡湧水町川西1280-3、電話0995754102)に出かけた。湧水町は名前のとおり湧き水がいくつもある町で、お店の近くの風景は、昔話に出てきそうな里山だ。奇妙だが、田舎に里帰りしたような気持ちになる。お店は普通のお家の一部なので、最初来たときにはビックリした。何回来てもラーメンはおいしいし、それ以上にくつろげる雰囲気がある。娘のしずくも他のお客さんやおかみさんにかわいがってもらってうれしそうだった。
  「あら木」で教えていただいたのが、「霧島アート牧場」だ。馬の牧場があり、乗馬も楽しめる。しずくが生き物を好きなので、動物と触れ合えるところを探していた。しずくを抱っこひもで抱いて、引馬に乗れた。馬の背中は上下に激しく動いて、車酔いしそうな感じがした。しずくは馬のたてがみや背中を何回も触っていた。
  すぐそばに「霧島アートの森」がある。展示は見ずにカフェに行っただけだったが、しずくがアート作品を喜ぶのに驚いた。アートは子どもにも届くし、むしろ子どもの心に響く作品こそがほんものの価値を持っているのだろう。
8/11(土) 祝日当番で病院に勤務したが、内科合併症への対応が多かった。精神科医は会話を中心に診断や治療をしていくせいか、身体所見や検査を駆使して治療を進めていくのが苦手な面がある。でも社会全体が高齢化しているため病棟にも高齢の患者さんが多く、高齢者は身体合併症があることが多い。肺炎や糖尿病といったよくある病気への対応力を高めていく必要がある。

 

写真6 鹿児島県の湧水町にあるラーメン屋さん「あら木 里山の麺処と和布あそび」。景色も店内の雰囲気も、田舎に里帰りしたような気分にさせる。

 

写真7〜8は鹿児島県湧水町にある「霧島アート牧場」で撮った写真です。

写真7 しずくを抱っこひもで抱いて引馬に乗れた。

 

写真8 しずくはポニーに近づいたり触ったりして、非常に喜んだ。

 

写真9 「霧島アートの森」。至るところにアート作品が飾ってある。しずくがうれしそうにするのが意外だった。

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2018年8月日録3

8/12(日) 子どもたちが見たがっていたアニメーション映画『インクレディブル・ファミリー』(ブラッド・バード監督、2018年、アメリカ)を見に行った。前作『ミスター・インクレディブル』でもそうだったが、アクション中心というよりも、日常生活や家族関係などの難しさがテーマにされている。非凡なヒーローの活躍よりも、一見「平凡な」人たちの日常のなかに冒険があるんだというメッセージを受ける。
  前作では父親が主役だったが、今回は母親が主役になっている。母親が中心のヒーローの物語はどんなものになるのか?悪を倒すことよりも、世界の調和が目標になっている気がした。
  最近の映画では超人的な主人公が活躍するものよりも、弱さを持った普通の人が成長していくストーリーが多いと感じる。「遠い理想に憧れる」よりも「身近なところから出発する」というのが、現代の哲学なのだろう。そこで重視されるのは謙虚さ・配慮・知恵だ。理想を押し付けるよりも、いまここを生きた豊かな場にすることが大事なのだろう。
  宮崎県立美術館で開かれている「スタジオジブリ・レイアウト展」に行った。スタジオジブリのアニメーション映画を美紗さんが好きだ。映画作りの秘密がわかるとチラシに書いてあったが、たしかにそうだった。レイアウトとは1つ1つの場面のデッサンのようなもので、絵のまわりに「こんな風に動かす」といったメモがたくさん書き込まれている。まるで人物が動いているように描かれているのに驚く。これを1枚1枚積み重ねていくのだから、気の遠くなるような作業だ。あらゆる芸術がそうだが、やはり「取りつかれたような人」でないとできないと感じた。尽きない創造のエネルギーを持った人にしか芸術の神は心を開かないのだろう。
8/15(水) 家族で「人吉花火大会」に出かけた。日中に小雨が降っていたので開催されるか心配だったが、開催された。花火大会の間にも何度か「雨が降りだした」と思ったが、幸いにして本格的な雨にはならなかった。開催者の方たちはさぞ安堵されたことと思う。
  人吉市の場合、花火の間近で見れるのが特徴で、轟音と衝撃が強い。幼児や感覚過敏のある人にはきつい面もある。でも花火の爆発を体全体で感じられるのが魅力であり、一般的な花火大会以上に記憶に残る。地域の人たちにとっては夏の終わりの「季節の節目」になっているようだ。季節感を強めることは漫然と日常を過ごしてしまわないための先人の工夫である気がした。
8/18(土)  2017年の1月に熊本県八代市の公園でやすみと遊んでくれた女の子がいた。その子のおばあちゃんから「息子が芦北の海水浴場のそばでペンションをしているので、いつか来てください」と聞いたので、美紗さんといつか行きたいと話していた。それから月日が経ち、僕は忘れていたが、美紗さんが「ペンション鳥江」(8695454熊本県葦北郡芦北町大字鶴木山1656-3、電話0966825675)のことを思い出した。そこで急きょ泊まりに行ってみることにした。
  ペンション鳥江のおばあちゃんは覚えていてくださり、うれしかった。建物はかなり古く、老朽化している面もあったが、親切にしていただきありがたかった。また真下が海水浴場「芦北マリンパークビーチ」になっており、アクセスが非常によかった。海水浴は準備と後片付け(シャワー、水着の汚れ落とし、浮き輪などの片付け)が大変だが、ペンションを拠点にできたので、やりやすかった。そして海水は非常にきれいで、しかも人が多くなかった。すぐそばの「鶴ヶ浜海水浴場」の方にたくさんの人が流れていたが、こちらの方が穴場だった。

 

写真10〜12は「スタジオジブリ・レイアウト展」で撮った写真です。


写真10 会場の宮崎県立美術館。総合文化公園の一角にある。

 

写真11 暑いので子どもたちは床に寝そべり出した。

 

写真12 映画のキャラクターと写真を撮れる。

 

写真13〜14は人吉花火大会の際に撮った写真です。


写真13 暗くなるにつれて人が集まりだした。

 

写真14 花火をすぐそばで見るので、音と衝撃が強い。

 

写真15 芦北町の「ペンション鳥江」。海水浴場のすぐ上にあり、アクセスがいい。

 

写真16 「芦北マリンパークビーチ」。鮮やかな空の青さがある。

 

写真17 海水の透明度もすごく高く、泳いでいるとそばに魚が見える。

 

写真18〜19は「芦北うたせ直売食堂  えび庵」で撮った写真です。


写真18 海の間近にある。

 

写真19 えび料理もおいしいが、館内の活気ある雰囲気もすばらしい。

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2018年8月日録4

8/22(水) 役場の産業医講演で「成人の発達症の支援」を取り上げた。職場のメンタルヘルスに関わっていてよく直面する問題なので、僕にとっては重要なことだが、聞き手の皆さんにとっても関心がある話題かどうかはわからなかった。でも「本人に自覚がない場合、どのように支援すればいいのか?」といった大事なポイントをついた質問が多く出て、うれしかった。おそらくどの職場でも起こっている問題なのではないかと思う。 
8/28(火) おいの「そうちゃん」やめいの「こはるちゃん」といっしょに、鹿児島県指宿市への小旅行に出かけた。僕たち2人では子どもたちを十分にみれないので、美紗さんの姉の令紗さんにも来ていただいた。行き先は「いわさきホテル指宿」だったが、プールが立体的にデザインされていて、野性味があってすばらしかった。またそばに温泉と海があって直接水着で行けることに驚いた。温泉が湧き出しているので、海に入ると海水が温かい。だからこそ砂蒸し温泉もできる。マグマのエネルギーが溢れていることに、指宿の特異性を感じた。マリンスポーツやボウリングなど、子どもたちに初めてのチャレンジをしてもらえたのがうれしかった。
8/30(木) 地域の農業系の高校に研修会の講師として招いてもらえた。自閉スペクトラム症の支援をテーマに講義やグループワークをした。教員の皆さんは非常に熱心に参加してくださった。議論のなかで出た意見で印象に残ったのは以下のものだ。“達症の子どもたちが増えているので、高校でも少人数の教育をできる体制にしていくことが必要。▲押璽爐侶措阿魘軌蕕房茲蟾んでいくことがおそらく必要になっていく。F或∧との触れ合いを発達症の支援に活用できるかもしれない。これは動植物が豊富に存在する農業系の高校ならではの支援法だ。
  子ども支援チームの発達症勉強会で、産婦人科医の瀬戸雄飛さんに、「妊産婦の メンタルヘルスケア」について講演していただいた。非常に幅が広く内容が濃い講演で、ためになった。参加者も多く、特に保健師さんや教員の方たちがたくさん来てくださったことがうれしかった。内容の要点を絞りこんで抜粋すると以下のとおりだ。‘本は妊産婦死亡率が非常に低く、世界的に見ても安全にお産ができる状態である。∋坐阿隼左1年の死亡のなかで、産婦人科疾患による死亡よりも、実は精神疾患による自殺が多いことがわかってきた。産婦人科では主に3つの質問紙を使ってスクリーニングしている。でセ塞悗暴个江豺隋∪鎖晴覆量瑤任魯丱襯廛躬澄▲螢船Ε燹▲侫Д離丱襯咼拭璽襪要注意。ジ精神薬による多少のリスク増加よりも、母体の精神的な安定をはかる方が、胎児にとって有益と判断されることがほとんど。Φ埖團螢好がある場合、産婦人科から小児科・精神科・行政・地域の支援職につなぐことが大切である。

 

写真20 夏の終わりに花火をした。

 

写真21〜22は鹿児島県指宿市にある「いわさきホテル指宿」のプールで撮った写真です。

写真21 デザインが立体的で自然の渓流のようだ。

 

写真22 滝もプールの一角にある。子どもたちがおもしろがっている。

 

写真23 発達症勉強会「妊産婦のメンタルヘルスケア」。産婦人科医の瀬戸雄飛さんのお話は幅が広くて内容も濃かった。参加者も多くうれしかった。

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初心について 2018年7月7日(土)

  精神科の世界で最大の学会と言えば「日本精神神経学会」です。精神科の仕事を始めた当初、僕は学会には関心がなかったのですが、同僚の強い勧めで入りました。学会誌を読めることに加えて、研修会やeラーニングを通して、診療技術やいま起こっている問題などを学べます。また専門医の認定などもする団体ですので、専門医になるためには所属が必須ですから、学会に入っておいて結果的にはよかったのでした。
  その学会誌は毎月届きます。テーマはさまざまです。7月に届いた学会誌(第120巻、第6号、2018年6月)の特集は「精神科臨床における聴きかたと尋ねかた」でした。僕はパラパラ見て捨てるつもりで何気なく手にしました。
  そのなかの最初の論文「精神科臨床における聴きかたと尋ねかた」(松木邦裕,布施泰子,渡辺俊之,吾妻壮、488〜513ページ)を読みました。精神科医としてどのように患者さんの話を聞けばいいのか?またどのように練習すればいいのか?について書かれていました。論文というよりもエッセイに近く、魅力的な内容でした。
  この論文のなかで特に僕の注意を引いたのは「初心」という言葉でした。論文のなかでは「初心として、患者さんの言葉に異論をはさまずにただ聞いていくということを、徹底的にしないといけない」といったニュアンスで使われています。僕自身は、「あなたの初心は何ですか?」という問いかけとして受けとりました。
  僕はもともとは「相手の心の相談に乗り、少しでも楽になってもらえれば」と思っていました。次に「患者さんの話を深く聞き、回復してほしい」と思うようになりました。ですが精神科の現場で仕事をするうちに、「対話だけでよくなる精神疾患は少ない、適切な投薬も必要だ」と感じました。いまでは「内服してもらったり、環境を調整したり、自分の病状について知ってもらうためには、こちらの対話力が必要」と感じています。また他の職種と連携支援をすることが日常になったいまでは、「他の職種から気楽に相談してもらえる話しやすい雰囲気が大事」とも感じています。さらには外来でも病棟でもたくさんの患者さんのケアをしないといけない現状から、「長くお話を聞きすぎずに、必要なことをテンポよくやり取りしないといけない」とも感じています。1人の患者さんばかりに長々話していても、成果が上がりませんし、平等にケアする原則から外れるからです。
  そんなわけで対話についての考え方も時間とともに変わってきたわけですが、やはり原点は大事です。患者さんの話にていねいに聞き入るということが仕事の中心にないといけません。セカセカと業務をこなす日々のなかでは消えてしまいそうな原点ですが、すり減らないように大事に守っていこうと思いました。
  そしてその一方で、理想と現実のバランスを取るように、実務的な対話もテキパキできるようにしていきたいです。患者さんにとっては、「いくらていねいに話を聞いてもらっても、診療が遅くて待たされると嫌だ」というのが大事なニーズです。僕自身も病院に行ってまず感じるのは「早く順番が来てほしい」です。すばやくこなすことも患者さんのためになる大事な技術なのだと思います。
  さらには病院の組織が生き生きするようなコミュニケーション力も求められます。また地域の関連職と連携しながら励ませるような力も必要です。また家族のなかでのやり取りも大切です。そう考えると、対話というのは人間が生きていることの中心にあるとも思えてきます。
  僕たちが生きていることは、常に対話の練習をしているとも言えるのでしょう。何かの目標を持ちながら日々の小さな対話をしていけば、少しずつでも目標に近づいていけるのではと思います。僕の場合、さまざまなレベルで身の回りの人たちを元気付けられればと願っています。目標を持つことが対話の技術を高めるうえで何よりも重要なのでしょう。

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2018年7月日録1

7/1(日) 子どもたちを公園に遊びに連れていきたいが、天気が曇りで雨が降る可能性があった。そこで屋内の遊び場である「kid's US.LAND(キッズユーエスランド)イオンモール宇城店」(〒8690606熊本県宇城市小川町河江1-1 イオンモール宇城店、電話07054509532)に出かけた。遊具やスポーツ器具、ゲームなどがたくさん置いてあり、入場料を払えば時間内は自由に遊ぶことができる。子どもたちが飽きるまで遊べるのがいいところだ。
  しばらくいると他の子どもたちとその家族の関わりも見えてくる。家族の関わりが薄くて、さみしそうで、いっしょに遊んでくれる子を探している子もいる。養育のやり方は人それぞれだが、心配になるケースもある。子育ては社会全体の課題であり、親の養育力だけに頼ってしまってはいけないと思う。「子育てがしやすい社会とは?」が今後のとても大事なテーマだと思った。
  「幸せになるためには、前提条件として、周りの人と感情や経験を共有できる態勢でないといけない」。虐待を受けた子どもたちの治療や支援に関わるようになって感じることだ。繰り返し深く傷ついてきた子どもたちにとって、いちばん難しいのが「人に心を開くこと」なのだと思う。また「建設的な未来・目標・希望などを思い描くこと」も同じように難しい。「人に心を開くこと」と「未来を信じられること」は、「過度な恐怖心がなく、未知な状況に自然体で臨める」という意味でつながっている。どうすれば心のその部分の回復を促進できるのか?今後考えていかないといけない問題だ。
7/3(火) 多良木町で講演の予定があったので、午後は美紗さんと多良木町に出かけた。時間があったので、いままでに行ったことがない「M's cafe(エムズカフェ)」(8680501熊本県球磨郡多良木町多良木上迫田882-1、電話0966356619)に寄ってみた。喫茶店をイメージしていたが、レストランに近く、肉類などのメニューが豊富だった。シェフが1人で切り盛りしていたが、お客さんが多くて大変そうだった。
  多良木町では近年新しいカフェやレストラン、パン屋さんなどが次々とオープンしている。まちのなかにホッとできる居場所が増えることはすばらしいことだ。心の休み場も兼ねられるようなお店ができていってほしい。
  夕方、地域包括支援センターの連絡協議会で話させていただいた。テーマは成人の発達症支援だった。いまのところ市町村の地域包括支援センターは高齢者の相談や支援を中心に活動しているが、いずれは全年齢の支援をしていくことになるだろう。認知症だけでなく、困難事例になりやすい疾患を全般的に学んでいく必要がある。今後は妄想をきたす疾患、高次脳機能障害、依存症なども学んでいければいいですねと話した。

 

写真1 「kid's US.LAND(キッズユーエスランド)イオンモール宇城店」にて。有料だが、ボールプールやトランポリンなどの遊具で自由に遊べる。

 

写真2 多良木町の「M's cafe(エムズカフェ)」の店内。喫茶店よりもレストランに近く、メニューが豊富だった。

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2018年7月日録2

7/4(水) 時間があったので、自宅の内装の変更をした。障子を外してしまったり、ブラインド取ったりといったことだが、いったん変えてみると、「なんで以前からしなかったんだろう?」という気持ちになる。でもこのちょっとした変更をするためにも、美紗さんとあれこれ話しながら、「家の空間を良くするアイディア」を出しあう時間が必要だ。ほんの小さな改革のためにも、大きな手間が必要だと感じる。
  教育支援委員会の面談に参加した。主に来年度小学校に入る予定の子どもと保護者を対象に、どのような教育が最適かを話し合う集まりだ。教育委員会の方や療育機関の方ともお会いできるので、勉強になる。保護者の方に少しでも安心していただければうれしくなる。人手と時間のかかる話し合いだが、地域の子ども・家族・学校のためには大切だと思う。
7/6(金) 娘のやすみの七夕会が保育園であり、美紗さんのご両親に来てもらう予定だった。ところが天気予報で西日本を中心とする大雨が降ると言っていたので、心配した美紗さんのご両親が来れなくなってしまった。結果的にはこの日の昼間には雨は降らなかったので、来れないことはなかった。「お父さんは心配しすぎだ」と僕と美紗さんは思っていた。
  でも翌日には大雨が深刻になり、洪水のおそれの警告メールが頻繁に届くようになった。幸いにして人吉市の被害はなかったが、高速道路が通行止めになった。球磨川沿いの国道も止まってしまい、僕たちが予定していた小旅行にも行けなくなってしまった。
  はじめは大雨のおそれの報道だったが、次第に死者が20人となり、それが時間と共にどんどん増加して、200人以上にまでなった。異常な大雨が来るとの天気予報は当たっていた。もしも人吉市の天気だけを見ていたなら、ここまで深刻な被害が起こるとは全く予想できなかっただろう。インターネットを利用できる現在は災害対策もしやすくなっているが、それでも現実の災害はもっと突然やってきて、人々の命を奪ってしまう。自然はまだまだ人間には制御できないんだと感じた。
7/10(火) 上球磨の認知症初期集中支援チームに鹿児島県のさつま町の方たちが見学に来られた。認知症の支援の課題は全国共通のように思えるが、実は地域によって課題が全然違う。人吉市は医療・介護機関が豊富でつなぎやすいが、反面医療・介護機関どうしの連携が難しい面がある。さつま町は行政の取り組みが非常に進んでいるが、医療機関の数が少なくて大変そうだ。支援に困っておられる具体的なケースを聞ければもっと地域の課題がわかったのだが、時間が足りずに残念だった。違う地域の初期集中支援チームの方と交流すると自分達のチームの特徴が見えてきて、何に苦しんでいるのかがわかる。今後も相互交流の機会をどんどん見つけてほしい。
7/11(水) 認知症の初期集中支援チームに参加した。よく感じることだが、支援につながりにくいケースは、本人の病状よりも、家族関係・人間関係・経済面といった取り巻く状況の課題が大きいことが多い。なので地域の支援者は本人の状態だけでなく、回りも含めた状況をつかむ力が求められる。病院での治療とは違ったアセスメントが必要であり、そこに支援者の専門性があると思う。

 

写真3 友人の絵本読み聞かせに聞き入る子どもたち。

 

写真4 大雨がどんどん強くなった。幸い人吉市では被害はなかった

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2018年7月日録3

7/13(金) 認知症初期集中支援チームの懇親会に参加した。警察の生活安全課や交通課の方も来てくださり、お話しできてよかった。高齢者支援の文脈で言えば、交通課が運転免許の問題で関わるし、妄想に基づく電話は生活安全課が対応する。警察と地域包括支援センターの連携が必要なケースは多く、普段からの顔見知りになっておく必要がある。地域の支援体制が向上するのを感じてうれしくなった。
7/14(土) 娘のやすみと息子の響が通っているさざなみ保育園の夏祭りがあった。やすみは年長のクラスなので踊りや太鼓などの発表があった。響は美紗さんと簡単な踊りに参加した。子どもたちのできることが増えていて驚いた。子どもはどんどん成長していく。ペースが速くてこちらの気持ちの切り替えが追い付かない。
7/16(月) ゆうべたまたまつけたテレビで、ガブリエル・マルクスという哲学者が日本の哲学者やロボット工学者と議論する場面を放送していた。途中から見ただけなので詳しくはわからなかったが、1つ僕にとっても納得の行く指摘があった。それは科学中心主義の弊害についてだ。科学技術の分野に携わる人は、科学技術の発展だけを目標にしやすい。その背景には科学技術の発展が人類に幸せをもたらすはずだという信仰のようなものがある。でも実際には科学技術がもたらした弊害も多く、公害や核兵器、サイバー犯罪など科学技術に関連した問題がたくさんある。それだけに科学者にも自分自身を縛る責任が必要で、それは倫理という分野を掘り下げて考えないと見えてこない。科学者の倫理は現代の大きな問題だと思う。
7/17(火) 家族で旅行に出かけた。旅行は小さなものでも大きなものでも難しい。行く目的だけでなく、子どもたちの体調や機嫌、天候、時間、お金といったいろいろな状況を見ながら、選択することがいくつもある。予定外の状況になることもあるし、時間があまって工夫を要することもある。非常に小さな規模ではあるが、家族の哲学・政治・経済・教育と呼べるもののせめぎあいなのだ。
  病院の職員旅行でも同じことが起こる。メンバーの意見交換がスムースで意思決定がうまくいけば、行き先に関わらず楽しくなる。逆にメンバーの欲望がバラバラで噛み合わないと、どんなにいい場所に行っても盛り上がらない。
  その意味では旅行は旅行以前に、普段からのやり取りがどのぐらい充実しているかで決まるのだろう。

 

写真5〜7は鹿児島市にある「いおワールド かごしま水族館」で撮った写真です。


写真5 ジンベイザメを間近に見ることができる。網にかかった個体を水族館で引き取り、ある程度成長したら放流しているそうだ。

 

写真6 変わった魚がたくさんいる。

 

写真7 イルカのショーは楽しいだけでなく、イルカがどんな風にコミュニケーションしているのかがテーマになっている。

 

写真8〜9は人吉市の「さざなみ保育園」の夏祭りの様子です。

写真8 娘のやすみは太鼓の発表をした。

 

写真9 響は金魚すくいに苦労していた。

 

写真10 床に寝転がって遊ぶ子どもたち。

 

写真11 やすみが手書きのお皿とカップを僕の誕生日に贈ってくれた。

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2018年7月日録4

7/20(金) 以前同じ病院で働いていたOさんは精神保健福祉士でありながら、新聞記者や雑誌のライター、さらには教員までしたことがあるという異色の経歴を持っていた。いまはまた新聞記者に戻って活動している。精神保健福祉士という存在は現代の精神科医療・支援の中核でありながら、一般の人たちにはまだよく知られていない面がある。そこでOさんは精神保健福祉士のリレーエッセイの企画を考え、実現させているそうだ。やり方は違っても、心の相談支援を受けやすい社会を目指して動いている点で、Oさんの存在はとても励みになる。こうした独自で自主的な動きをできる人はやや風変わりな面を持つことが多いが、僕にとっていちばん信頼できる人たちだ。
7/22(日) 子どもたちをどこか遊びに連れていけるところがないか探していたら、鹿児島県のさつま町にある「薩摩びいどろ工芸」(〒8952203鹿児島県薩摩郡さつま町永野5665-5、電話0996580141)のネット記事を見つけた。ガラス細工の体験もできるそうだ。さつま町には以前1度研修で行ったことがあり、親しみを持っていた。それで家族で出かけてみた。
  丘に近い低めの山が延々と連なるなか、ぽっかりあいた盆地がさつま町の中心地だ。そこから外れたところにびいどろ工房はあった。入ってみると、クジラのオブジェやおしゃれなお皿など、非常に創作的なガラス細工が並んでいる。美紗さんは金魚、やすみはカエルの置物を買っていた。
  子どもたちは万華鏡作りの体験をしたがった。3枚のガラス板を組み合わせて三角錐を作る。万華鏡のなかみが意外とシンプルなことに驚いた。途中難しいところがあったが、結果的にはうまくできた。
  びいどろ工房は観音滝公園という公園の一角にあったが、その公園の中を走る川で子どもたちが川遊びをしていた。「河川プール」が7月と8月はオープンしているそうだ。子どもたちも入りたがった。水に入る用意はしてこなかったが、美紗さんが機転をきかせて、響はズボン、やすみはパンツだけで入らせることにした。美紗さんもズボンをまくって川に入った。石が多くて足裏が痛くなり、サンダルを履くハプニングはあったが、やすみも響も大声を出して遊べた。来てよかったと思った。
7/24(火) 小中学校の特別支援学級の先生たちとの勉強会に講師として招いていただいた。今回は病院の「子ども支援チーム」の仲間10人ほどで2か月前から内容を検討して準備した。100人以上も先生方が集まってくださり、会場には熱気があった。アイスブレイク・スタッフ紹介・講義・グループワークと進んだのだが、病院スタッフ1人1人に自分の仕事や趣味について話してもらえたのがよかった。また僕はできなかったが、病院スタッフは先生たち6人ほどのグループに加わり、いっしょに事例の課題や支援策について検討できた。病院と学校の相互理解の促進のために、非常によい機会をいただけて感謝した。また病院にスタッフの派遣を認めてもらえたこともありがたかった。病院と学校を隔てる壁はかなり低くなったことと思う。

 

写真12〜14は鹿児島県さつま町にある「薩摩びいどろ工房」で撮った写真です。


写真12 建物の外観。

 

写真13 子どもたちは万華鏡作りの体験をした。

 

写真14 薩摩切子の製作工程が見学できる。

 

写真15〜17は鹿児島県さつま町の「観音滝公園」で撮った写真です。

写真15 川で子どもたちが川遊びをしていた。

 

写真16 美紗さんと子どもたちも川に入った。

 

写真17 川べりのお店で流しそうめんを食べた。

 

写真18 鹿児島県さつま町にある「北薩広域公園」。ものすごく広い公園で、きれいな遊具があった。

 

写真19 さつま町にある温泉旅館「玉の湯」。泉質がよくて硫黄の臭いが強かった。

 

写真20 しずくはペットコーナーで子犬を見て喜ぶ。

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