お休みどころ

こころの相談活動を作り続ける
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医療の背景にある諸分野の問題について 2017年1月1日(日)

   精神科の仕事をしていると、判断に迷う場面がよくあります。それが病気の診断や投薬といった医学的な問題なら、解決はできなくても問題のありかは見えやすいです。でもそうでない場合も多く、狭い意味の医療とは違う問題が背景にあることがあります。例えば法律的な問題であったり、社会制度であったり、経済的な問題だったりします。精神科の現場にどんな問題が絡んでくるのか、思い付く範囲で書いてみます。

^絣悄Π緡電な問題
   症状を漏らさずに把握できているか?
   疑われる病気を漏らさずに検討できているか?
   処方は適切か?
   心理的な側面に配慮できているか?
   家族関係・人間関係・経済面・仕事の面などに配慮できているか?
   本人の希望や意向を聞き取れているか?
   本人(や家族)に治療についての情報を伝えられているか?

医療制度的な問題
   「医師法」・「医療法」が基盤。
   カルテの記載は適切か?
   専門職の配置は適切か?

K‥な問題
   「精神保健福祉法」が精神科医療の土台。
   非自発的な入院や隔離など、個人の人権の侵害を含む場合がある。
   法的に定められた手続きにのっとって診療を行えているか?
   非自発的な入院制度については、制度そのものの整理と改善が必要。

げ搬牡愀犬量簑
   家族関係に問題はないか?
   意思決定のための適切なキーパーソンが決まっているか?
   家族間の意向は一致しているか?
   面会が多すぎたり少なすぎたりしないか?
   家族が精神科医療に抵抗を持っていないか?

ヂ仗祐愀犬量簑
   対人交流はあるか?
   集団活動の苦手さはないか?
   ストレス源になるような人間関係はないか?   

Ψ从冖未量簑
   浪費や借金の問題はないか?
    医療費は負担になっていないか?
   金銭管理が難しい状況の場合、外部からの金銭管理システムの利用を検討しているか?(社協、後見制度)
   ギャンブル障害などの依存症や発達症、躁状態などでは浪費の問題につながりやすい。
   不払いの問題につながりそうなケースでは、場合によっては行政などを含めてのケース会議が必要。

Ы∀の問題
   就労はできているか?
   職場環境の問題はないか?
   職場の対人関係はどうか?
   一般就労が難しい場合、就労継続支援事業への参加を検討しているか?
   本人の疲労は大きくないか?
   状態の悪化時には、休職して復職支援プログラムを使ってもらうこともある。

┛緡泥好織奪佞量簑
   スタッフ間の情報共有や方向性の統一はできているか?
   研修の機会は十分にあるか?   
   スタッフのメンタルヘルスへの配慮はできているか?
   過剰な残業はないか? 

経営の問題
   病院の経営は健全か?
   過剰な利益追求の状態になっていないか?
   広報はうまくいっているか?

地域貢献の問題
   「もうからないが地域のために必要」という活動はたくさんある。
   組織として以下のような活動に積極的に人員を派遣できているか?
   市町村の「こころの相談」事業。
   精神保健関係の会議。
   教育支援委員会。
   認知症の初期集中支援チーム。
   啓発のための研修や講演会への参加。

地域連携の問題
    地域の支援機関との連絡は取れているか?
   ケース会議などに参加してバックアップできているか?
   文化祭など地域の人たちに来てもらえる行事はあるか?

倫理的な問題
   平等性が医療の大原則。
   暴力や不払いや問題行動が頻発するケースでは場合によっては診療拒否とせざるを得ないが、その基準は?
   個人情報の保護と、支援職間での情報共有のジレンマ。

   このように精神科医療の背景にはいろいろな問題郡がありますね。医療という分野では極端に走るのを求められるわけではなく、バランスを取りながら落としどころを探っていくのが大事なのです。でも僕は偏りやすいので気を付ける必要があります。「自分には関係ない」と思ってきた分野に問題解決の鍵があったりするのです。

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小児精神医療研修会に参加する 2017年1月9日(月)

   発達症の子どもを診療することが増えましたので、子どもの精神科医療に関する研修会にいろいろ参加するようにしています。1月には福岡市の九州大学で日本精神神経学会の「小児精神医療研修会」がありましたので出かけてみました。これはシリーズで開催されている研修会で、今回は7回目だそうです。日常の診療に応用できる点が多くおもしろかったです。過去の研修会では子どもの診療の土台になる精神発達のプロセスなどがテーマだったそうですから、参加してみたかったと思いました。
   以下は僕の印象に残った点をまとめたものです。演題と講演者を出していますが、あくまでも僕が聞き取ったことですので、間違っている可能性もあります(文責は僕にあります)。専門的な内容も多いですが、サーッと目をとおして興味のある部分を読んでいただければと思います。

 

●「虐待・トラウマ関連疾患への治療」(小平雅基)
・トラウマによって生じる症状はPTSDの症状だけにとどまらない。行動面では解離、性化行動、物質依存、自傷などを含む。認知面では、非合理的な信念(自分が悪いなど)や他者への不信感がある。感情面では恐怖、うつ、怒り、不安、調節障害などが起こりうる。
・とりわけ認知面の症状が治療上も重要である。「こんな目にあったのは私が悪いことをしたからだ」といった自分に原因を求める考え方(同化)や、「世の中は危険だらけだ。いいことをしたらいい結果になるわけではない」といった世界の公正さを過度に否定する考え方(過剰調整)になりやすい。
・慢性反復性のトラウマの方が、単回性のトラウマよりも複雑な症状を引き起こす。
・小児期の逆境体験には、以下のようなものがある。ネグレクト、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、医療虐待、DVの暴露、親の物質乱用、親の精神疾患、親を亡くすこと、経済的な困窮、災害。
・小児期に経験した逆境体験の種類や数が多いほど、将来的にうつ病、自殺企図、学習や行動上の問題、身体慢性疾患などになりやすくなるというデータがある。
・幼少期にトラウマを受けている子は、適切なケアを受けないと、心理面や社会性の発達がなかなか進みにくい。「エリクソンの心理社会的発達課題」の図式で言えば、一番土台になる「基本的信頼感の形成」がうまくいかないので、その上に積み重なる「自律性の獲得」「自発性の発展」「勤勉性の発揮」「同一性の形成」なども進みにくい。
・児童精神医学における「愛着(アタッチメント)」とは愛情のことではない。大まかに言えば、危機の際に親密な対象に近づいて、いっしょにいることでストレスを減らそうとする対処法のこと。子どもが母親にくっついていることだけでなく、広く見れば大人が思い出の曲を聞いてストレスを減らしたり、ふるさとに帰ってホッとすることなども含む。
・  愛着関係は心理学的・生物学的機能を調整している。物事の習熟、学習、人間関係、認知機能、対処能力、自己評価、感情調節、睡眠の質、痛みの強度など。
・子どもは「安全の基地(両親のもとなど)」で安心が充足すると、外に出ていき遊んだりチャレンジしたりする。疲れたりストレスがたまったりすると、再び安全の基地に戻ってくる。このプロセス(安全感の輪)を何度も何度も繰り返しながら子どもは成長していく。
・安全感の輪のサイクルが安定することが、トラウマや愛着の問題に介入するためにも重要。治療の土台作りが大事だし、治療プログラムのあとにも支援は続いていく。
・アメリカの小児科医Krugmanは虐待防止対策が進んでいく経過についての図式を発表している。ー匆颪狼埖圓梁減澆鯡技襦⊆匆颪虐待の存在に気づく。親から精力的に分離。た討悗了抉腓始まる。ダ的虐待への対応を模索。Φ埖圓糧生予防活動が盛んに。
・トラウマを受けた子どもに対する立証された治療法には以下のものがある。.肇薀Ε涵播晴叔知行動療法(TF−CBT)。家族のための代替案:認知行動療法(AF−CBT)。親子相互交流療法(PCIT)。
・PCITでは親子が遊んでいる様子をミラールームで治療者が観察し、トランシーバーを使って親に声かけをしていく。ほめることが中心。いい点は、親子の様子を直接見て介入できること。欠点は人手や設備の問題で、できる施設が限られていること。
・TF−CBTはいろんな治療技法の要素がバランスよく取り入れられている。明らかなトラウマ症状がある子どもが対象。手順通りに進めることが大切。
・技法以前の基本として、安全・安心の確保がなによりも大切。そのうえで正しい知識を伝えたり、自分の体験を少しだけ離れた視点から観察してもらったりしていく。

 

●「発達障害への治療」(高橋秀俊)
◎自閉スペクトラム症の治療の概要
・自閉スペクトラム症の特性を持つ子どもは軽い子から重い子まで連続的に分布している。診断に至る子どもよりも、「診断に至らないけれど特性がある子ども」の数の方が多い。
・自閉スペクトラム症の有病率は1〜2%。70%以上に医学的・発達的併存症がある。知的発達症〜45%、ADHD28〜44%、チック14〜38%。不安42〜56%、抑うつ12〜70%、強迫症7〜24%、精神病性障害12〜17%、反抗挑発症16〜28%、睡眠障害50〜80%。てんかん8〜30、消化器疾患9〜70%、免疫疾患〜38%。
・ 発達症に対する精神医療の役割には以下のようなものがある。“達的視点に立った的確な診断(治療の方向付け、診断書や意見書、合併精神疾患の有無)。合併症状への治療。精神科的な見守り。ご超調整や地域連携のマネージメント。
・自閉症症状そのものへの治療に有効な薬物は現状ではなく、併存症状の軽減を目的とする。
・就労支援につなげるうえでは、生活リズムの確立と、不安や衝動性のコントロールが大切である。
・地域の専門病院からかかりつけ医へ典型的な軽症例を回していくことで、地域の医療ネットワークを広げていくことができる。
◎医療と教育の連携 過疎地域での取り組みの紹介
・教育や福祉は担当者が変わっていくため、1人が変わっても大丈夫なようにネットワークで支援に当たっていく必要がある。
・行政とのかかわりが大事である。まずは市町村の担当者のところに行き、どんな支援があるのかを聞いてみる。
・担任だけでなく、複数の教員と交流することが大切である。
・東京都大島町(人口約8200人)での取り組み。‖臈膂緡泥札鵐拭爾任糧達外来の開設(月1回、9:30〜13:00、14枠)。医療ー教育連携。年4回の学校訪問(ケース相談・研修会)。年3回の保育園訪問。6軌薜儖会の巡回相談事業。年2回の学校訪問(個別相談)。づ豕都教育庁の専門医派遣事業。高校へ年2回(個別相談・講話)。ジ生貭鯵仍里砲茲觚生貳達相談。
・細々とでもいいので、精神科からの継続的な関わりが大事。
・過疎地域における医療ー教育連携には以下の点が大事である。|楼萋胆を把握し、地域のニーズに応じて、スモール・ステップで継続していく。地域で勤務する職員との継続した連携・情報伝達。H鷯鏘个寮賁膺Δ粒判次
◎初回面接時の対応
・初めての面接では伝えることのポイントを絞る。
・一気にたくさん話すと混乱する人もいる。必要最小限にとどめる。
・相手のニーズを知ることが特に大切。でも畳みかけないことが必要。
・受診を決意した子どもと親をねぎらうことが大切。保護者の対応をいきなり否定しない。
・子どもの精神科初回面接の目標。ー診動機を知る。¬簑蠅どのように起こってきたかを知る。子どもの発達過程を知る。せ劼匹發伐搬欧梁莪谿象をとらえる。ゲ搬牡愀犬陵融劼鬚弔む。子どもの問題とその発生要因についての仮説を組み立てる。Г修慮立てにもとづいて治療・支援を始める。
◎感覚特性について
・自閉スペクトラム症の子どもには感覚の問題があると考えて治療に臨む。
・自閉スペクトラム症児の聴覚性瞬目反射のおける特徴。.圈璽までの時間である潜時が延長。⊆紊げ擦悗糧娠が増大。これらは自閉症特性や情緒・行動の問題と関連している。
・65dBは一般生活でのありうる音のレヴェルだが、自閉スペクトラム症の子どもが反応することがありうる。
・現代は高速道路のすぐそばにも住宅が建つなど、音環境への配慮が少ない。
・オープンプランの保育園では一日中音のレヴェルが高い。

 

●「不安・強迫関連疾患への治療」(松本秀夫)
・「病態水準」は古い概念であるが、現代でも有効である。横断的な精神医学的な症状から診るだけでなくて、人格がどのような状態なのかを明らかにしようとするものである。
◎分離不安症
・分離不安症は保育園児に多く、母親との分離に強い抵抗を示す。
・愛着が健康に形成されている子どもにでもみられることがあるので、その子の精神面がどれだけ育っているのかの評価が大事。
・母親自身も分離に不安を持っていることが多いので、母親に安心感を持ってもらうことが大事である。
・治療は健康度が高ければ母親からの分離が基本である。愛着対象を徐々に保育士や養護教諭へ移行していく。薬物療法を行うことはまれである。
◎選択制緘黙
・ほぼ正常な言語理解能力、十分な表出性言語能力、ほぼ正常な会話能力などがあることが前提。
・発症は幼児期である。
・選択制緘黙は「家ではしゃべれるが、学校や病院ではしゃべれない」といった状態。全緘黙もまれにだが存在する。
・言語発達の遅れや自閉スペクトラム症の併存が多い。
・長期的な予後はさまざまである。粘り強い支持的な関わりと環境調整が大事である。
◎10歳の壁
・10歳は子どもの精神科医療にとって大事な年齢である。
・言語化能力の高まりとともに、死の概念が意識されるようになる。あわせて宇宙、永遠、自分の存在といったことも意識され始める。
・10歳を越えると、子どもの精神疾患が大人のタイプに近づく。おそらく脳の発達と関係していると考えられる。
◎全般不安症
・ここ半年間は出来事や活動への過剰な心配や不安が起こる日の方が起こらない日よりも多い。
・その心配を抑えることが難しい。
・落ち着きのなさ、疲れやすさ、集中困難、イライラ、筋肉の緊張、睡眠障害などを伴う。
・10歳前後から認められ、不登校などの背景になる。
・気づきにくい疾患であり、常に念頭に置くべき。
・子どもでは成人と比べてさらに不安が漠然とするため、言語化が難しい面もある。
・薬物療法はSSRIが基本。
◎限局性不安症
・特定のものへの顕著な恐怖と不安。
・日常生活に支障をきたす程度であるなら、薬物療法や認知行動療法の対象となる。
・自閉スペクトラム症の感覚過敏との区別に注意。特に自閉スペクトラム症の聴覚過敏には成長とともに悪化していくようなケースもあるため注意が必要。
◎社交不安症
・社交場面に対する著しい恐怖や不安。本人は行動や不安症状で否定的な評価を受けるのではと恐れている。
・10歳前後から認められる。
・他者視線恐怖や自己視線恐怖の形式をとることもある。
・自我同一性獲得など青年期の心性と深く関連する疾患であり、不登校や引きこもりなどの背景として認められることが多い。
・薬物療法だけでなく精神療法が不可欠。
◎パニック症
・児童期では診断基準をみたすほどの状態はまれである。
・しかし確かに存在し、10歳頃から認められる。過呼吸症候群との関連が注目される。
◎強迫症
・小児の場合は強迫観念にとどまることはまれであり、行為におよぶことがほとんど。
・母親などの家族を巻き込むことが多い。
・小児では症状が自我親和的であることが多い。内省や病識に乏しいことも多い。
・自閉スペクトラム症、トゥレット症、ADHDなどに伴う場合が多いため、鑑別や併存に注意する必要がある。
・治療は心理教育を含む認知行動療法と薬物療法が重要である。


●症例検討
・強迫症の子どもの診療では、必ず自閉スペクトラム症のチェックが必要。
・自閉スペクトラム症に強迫行為を伴っているケースでは、ー閉スペクトラム症の強迫行動とみなす、⊆閉スペクトラム症に強迫症が合併しているとみなす、のいずれとみるかによって治療の方向性が異なる。
・,任枠辛行動を変えようとはせずに、情緒面の安定をはかることを治療目標とする。薬物療法では抗精神病薬が有効。
・△任鰐棲里紛迫観念がみとめられることが多く、認知行動療法でアプローチする。薬物療法ではSSRIが有効。


写真1 研修会場である九州大学の百年講堂

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2017年1月日録1

1/3(火) 天気が良かったので、僕の母といっしょに子どもたちを公園に連れていった。行った先は熊本県八代市の日奈久(ひなぐ)にある公園「日奈久ドリームランド  シー・湯・遊(しーゆーゆー)」(〒8695138熊本県八代市日奈久平成町、電話0965382039)だ。とても広いグラウンドといっしょに大きな遊具があり、幅広い年齢の子どもたちが遊べる。すぐ目の前に海が広がっており、解放感がある。
   公園で他の女の子がやすみと遊んでくれた。自然とその子のおばあちゃんともお話した。その人たちも温泉に行くとのことで、いっしょに「日奈久温泉センター  ばんぺい湯」(「ばんぺいゆ」は地域特産の果物の名前、〒8695135熊本県八代市日奈久中町316、電話0965380617、ウェブページ)に出かけた。実際に温泉の湯船に果物のばんぺいゆが浮かんでいた。その人の息子さんは熊本県芦北町の海水浴場でペンションをしているそうだ。次の夏にでも行ってみたい。
1/5(木) 吉田病院の子ども支援チームの月例会で、「ペアレントメンター」をされている東理絵さんが話してくださった。ペアレントメンターとは、発達症の子どもを持つ保護者で、研修を受けたうえで後輩の保護者の相談を受けている人のことだ。同じ立場の保護者として共感的に関わり、本人が少しでも安心して子育てをしていけるように支援する。
   実際にお話を聞いてみると、いくつか僕の思い違いがあることがわかった。.撻▲譽鵐肇瓮鵐拭爾老兮嚇に関わる存在ではなく、主に初期対応をする立場と位置付けられている。いろんな問題に振り回されて保護者は混乱していることがよくあり、ペアレントメンターは問題の「交通整理」を手伝う。▲撻▲譽鵐肇瓮鵐拭爾相談依頼を直接受けるのではなく、コーディネーターの人が窓口になる。相談の内容に応じてコーディネーターが最適なペアレントメンターを選ぶ。相談の際にもコーディネーターが立ち会う。コーディネーターは市町村の保健師や療育関係者がなることが多い。コーディネーターになるための研修を受ける。この日はコーディネーターの椎葉浩太郎さんも話してくださった。ぅ撻▲譽鵐肇瓮鵐拭爾牢靄榲にはアドヴァイスはせずに傾聴に徹する。あくまでも本人が答えを見つけていけるように関わる。ここが難しい。ゥ撻▲譽鵐肇瓮鵐拭爾牢袷瓦淵凜ランティアである。Ε撻▲譽鵐肇瓮鵐拭爾砲箸辰童虚な気持ちを持ち続けることが一番大事である。なのでペアレントメンターの研修では厳しい指摘を受けることもある。
1/8(日) 翌日の福岡市での研修会に参加するために家族で福岡県に出かけた。道中にあった「イオンモール筑紫野」で子どもたちを遊ばせることにした。3階にある子どもの遊び場「イオンファンタジーキッズーナ Supported by ボーネルンド筑紫野店」は規模が大きく、かつデザイン的に優れた遊具が多い。5時間の入場券を買ったのだが、子どもたちは疲れないようだった。見守る僕の方はなにもしていないのに、「脳が溶けそうに」なってヘトヘトになった。   
   やすみはお医者さんごっこが好きで、2時間近く「キッズ病院」のスペースで遊んでいた。やすみはお医者さん役で、僕は患者役だ。3分おきぐらいに「次の患者さん、どうぞ」「どこが痛いですか?」と言われるので、「頭が痛いです」とか「腰が痛いです」とか考えないといけない。しばらくすると症状を思い付かなくなってしまった。普段は「医療の世界は広いなぁ」と感じているのだが、やすみと遊んでいると「医療ってこんなに限られたことしかいていないんだなぁ」と感じた。

 

写真1 「日奈久ドリームランド  シー・湯・遊(しーゆーゆー)」にて。海辺にある公園で遊具が豊富だ。

 

写真2 母とお好み焼きパーティーをした。やすみも手伝う。

 

写真3〜4は福岡県筑紫野市にある子どもの遊び場「イオンファンタジーキッズーナ Supported by ボーネルンド筑紫野店」で撮った写真です。


写真3 壁のデザインが色鮮やかだ。

 

写真4 やすみはお店屋さんごっこを知らない子どもたちとしていた。

 

写真5 響は犬のチビのそばで遊ぶのを好む。

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2017年1月日録2

1/11(水) 人吉市の「認知症初期集中支援チーム」の活動が始まった。これは在宅の認知症が疑われる方を対象とする支援チームで、介護や医療にうまくつながっていない場合や、つながっていても問題が起きている場合に、状況を整理して適切な支援につなげることを目標として関わる。中核のメンバーは社会福祉士・保健師・医師だが、他にも多職種が参加して、いろんな角度から状況をアセスメントする。
初回だったので皆さん緊張されていたが、和やかな雰囲気の中で議論が進んで良かった。参加者全員から自由な発言が出てくることが理想で、くつろいで話せる雰囲気を作っていきたい。支援者が個人で難しいケースを抱えてしまうと、「どうしようもない」という絶望的な気持ちになってしまう。大勢で背負えばそこまで切羽詰まった気持ちになることはないし、意外な角度から支援が進んでいく。認知症初期集中支援チームに参加する支援者がリラックスできることがなによりも大切なことではないかと思う。 
保育園に娘のやすみのお迎えに行くと、同じクラスの子どもたちがサッと寄ってきて抱き着いてきてくれる。
子どもたちは抱っこされたがるので、順番に数人を抱っこすることもある。とてもうれしく癒される瞬間だ。僕は比較的最近まで「小さい子どもにはどう接していいかわからない」「小さい子どもは苦手だ」と思ってきた。それが子育てをするなかで苦手意識が消えていき、いまでは発達症の子ども支援までしている。「人生の先のことはわからない」とつくづくと感じる。
1/12(木)  後見制度の勉強会に参加した。後見制度とは、認知症や精神疾患、発達症などがあって金銭管理や手続きができない人のために、後見人が代行する制度のことだ。近年、社会的な必要性が高まっている分野だ。
 勉強会に参加しているのは医療関係者ではなく、弁護士や司法書士など法律関係の人たちだ。僕が普段全然接することのない人たちなので、お話を聞いているだけでとてもためになる。詳しい議論の内容はわからないが、状況をどのように法的に整理してとらえるかが大事で、「適切な見立て」の威力がすごいことはわかる。見立ての力が必要なのは医療でも法律問題でも同じなのだと感じた。
1/16(月) 病院での治療に苦労しているケースで、地域の支援職のおかげで前進できたということが増えてきている。保健師、社会福祉士、計画相談支援員、福祉課、社会福祉協議会といった立場の人たちと知り合うことが増えるにつれ、助けてもらえることも多くなっている。「地域での多職種連携」と言葉で言うのは簡単だが、実現するには長年にわたる地道な「顔の見える関係作り」が求められる。僕は球磨地方に来てからもうすぐ14年になるが、いっしょに支援に当たった地域の方たちが、助けてくださっていると感じる。そして地域連携は精神科領域では特に大きな力を持つ。地域の支援職の皆さんと協力して、オーケストラのような感じで、大きな支援の流れを作っていけたらと思う。
1/17(火) 数日前から美紗さんの体調が悪かったのだが、昨夜とうとう発熱して吐いてしまった。検査を受けるとインフルエンザA型だった。同僚に勧めてもらって僕も検査を受けたのだが、マイナスだったので、予防投与を受けた。子どもたちも熱が出たり機嫌が悪くなってきていて、インフルエンザが移っているみたいだ・・・。
   子どもを持ってみてわかったのだが、感染症の流行の時期は大変だ。子どもはかかりやすいし、保育園や学校などたくさん人がいる場所にいるので、集団発生しやすい。「自分が最初になって病気を持ち込むんじゃないか」という心配のストレスもある。周囲にも白い目で見られる。家族みんなでかかって、家中で寝込むという状態にもなりうる。感染症の破壊力はすごいと思った。

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2017年1月日録3

1/19(木) 湯前中学校と小学校の「健康教育講演会」でストレス対処について話させていただいた。小学5年生から中学3年生まで160人ぐらいが集まってくださった。子どもたちを前に話すのは展開が読めずに緊張するが、やりがいがある。特に子どもたちの質問に答える時間が僕は好きだ。「ドラえもんは好きですか?」といったユニークな質問があるとうれしくなるし、そういった一見精神科と関係のないような質問からの方が本質的な話につながることが多い。多様な背景を持つ子どもたちが楽しんで過ごせるような学校になっていってほしいと思う。
  最近球磨地方の施設や病院に行くと、「人手不足で運営規模を縮小しています」という話をよく聞く。ニーズはあって利用希望者はいるのに、スタッフの確保ができないから、受入数を減らさざるをえないということだ。「少子高齢化で若い人が足らなくなる」と頭ではわかっているつもりだったが、実際にそうなっているんだと驚いた。人吉市よりも周辺町村の方が早く進んでいる印象がある。今後は吉田病院でも同じようになる可能性がほぼ確実だ。地方の市町村ほど早く人口が減っているので、全ての活動の規模を縮小せざるをえないだろう。この変化はいずれは大都市にも及んでいく。
1/21(土) 第1回の「県高合同学習交流会」で話させていただいた。これは球磨地方の教員の方たちの勉強会で、小学校・中学校・高校の先生方が一緒に集まって学ぶところに意義がある。普段はなかなかないそのような貴重な場を提供していただいてありがたかった。
僕は「発達症の支援」について話した。すでにあちこちで話してきているテーマだが、現役の教員の方たちに直接お話しする機会はなかなかない。なのでどんな質問を出してくださるかが楽しみだった。受診につなぐ難しさについての質問が多かったのが印象的だった。
   僕の話の後に、小学校や高校での発達症支援の取り組みの発表があった。僕は普段は高校の先生たちと接する機会がほとんどないので知らなかったが、高校でも「特別支援教育コーディネーター」の先生を中心に手厚い支援をされているとのことだった。これからは高校の先生方ともっと交流して、現場での実践やご苦労について教えていただきたいと思った。 
1/24(火) 相談を受けるために人吉市の「おこば保育園」に出かけた。僕は保育園に行く機会が少ないので、見学もさせていただきたかった。おこば保育園の永田園長とは以前会議でいっしょになり、子どもの発達支援に熱心な方だと知っていたので、永田園長のお話を聞くのも楽しみだった。
   予想通り永田園長も保育士さんたちも個々の子どもの特性に配慮したうえで保育を展開されていた。保護者とも密なやり取りをして、保護者支援もされている。予想外だったのは、20年以上前から肢体不自由や発達症の子どもたちを受け入れてこられた歴史だった。現在ほどには発達症の支援体制が整っていなかったはずで、そのときから地域のニーズを汲み取って保育をされていたのはすばらしい。またいつか吉田病院でもお話していただきたいと思った。
   人吉市立第一中学校の「家庭教育学級」で保護者の方たちを対象に発達症の話をさせていただいた。僕の話の内容はいつもとほぼ同じだが、支援者向けではなくて保護者の方たち向けに話すのは緊張する。60〜80人ぐらい集まってくださったが、皆さん真剣に聞いてくださった。質問を受けれなくて残念だったが、保護者の方たちと直接話し合う機会を作っていきたいと思った。
1/25(水) 球磨地方の教育事務所や学校で、ケース会議4つに参加した。最近は子どもの支援者や学校の先生方とお話する機会が多い。皆さん非常に協力的で、子どもの状態を把握したうえで、いっしょに支援体制を作ってくださる。僕は普段は書面で情報提供しているが、こみ入ったケースではやはり顔を会わせての会議が有効だ。僕のような精神科スタッフは教育がうまく進むように応援する立場だ。どんどん活用していただければと思う。

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若い人と話す 2016年12月24日(土)

  子どもの診療を始めたために業務が増え、休日の講演や相談も多くなりました。最近は業務をこなすだけで精いっぱいといった日常で、読書もなかなかできていませんでした。家にいる時も子どもたちと過ごしていると知らず知らずのうちに時間が過ぎてしまいます。
  そんなあわただしい日常のなかに、ゆっくりとかみしめて考えるような時間が舞い降りました。若い友人K君が遊びに来てくれたのです。高校生の人とじっくりと話す機会はふだんはほとんどないです。また勉強だけでなく生き方においても真剣に取り組んでいる人でしたから、話していて楽しかったのでした。
  K君が悩んだり考えたりしている話を聞きながら、僕はそれに近い本を書庫から取り出してきました。相手のイメージしていることや願いに近い本を見つけてきて勧めるのが、僕の癖なのです。K君には3冊の本を持ってきましたが、それでもK君の問いかけは続きました。4冊5冊6冊と僕の持ってきた本が積みあがっていきました。いろいろ持ってきたのですが、ピタッとかみ合うのがなかったのです。
  最終的に見つかったのが、『会話を楽しむ』(加島祥三著、岩波新書、2004年)という本です。これは僕が故・上島聖好さんに勧められて読んだ本で、読んだのはおそらく14年くらい前ではと思います。楽しい会話のタンタン弾みながら進んでいく感じや、「楽しかったという気持ちだけが残って内容は忘れてしまっている」ところなど、なるほどと思うところが多かったでした。また「こんな深い会話を持ちたいなぁ」と憧れたことを思い出します。
  自分が人生の先輩からもらった本を、こんどは自分よりずっと年下の人に渡すのですから、バトンリレーのような感じです。僕はいままでは人生の先生たちから教えをいただくばかりでしたが、今度は自分が手渡していく番なのだなぁと感じました。普段はほとんど使わずに物置のようになっている「ブック・ルーム」ですが、これからは若い人に活用してもらうための「知恵の貯蔵場」にしないといけないですね。
  僕自身の人生のステージも変わったんだと思いました。学び続けるということはいっしょですが、これからは学んだことを伝えるということも意識しないといけないですね。K君にはいろいろ教えたつもりでいて、実は僕自身が教わったのだと気づきました。
  若い人の探求心には勢いがあるので、僕も引っ張ってもらって考えを深めることができればと思います。それが狭いとらわれのなかにある僕自身を教育することなのでしょう。自分の欠点や短所に気付いていくことに鍵があるのだと思います。以前は僕は欠点を隠そうとしていたのに、いまごろになって今度は自分の欠点を探そうとしているのですから、おかしなものですね。

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思春期支援のポイントのメモ書き 2016年12月25日(日)

  子ども支援の仕事をするなかで、支援のポイントの見取り図のようなものがほしくなりました。自分や仲間のためのメモ書きです。航海をする場合の海図のようなものかもしれません。細かいことではなく、大まかな方向を決めるためのものです。以下に書くものはその最初のヴァージョンで、簡単なものです。今後経験を積みながら書き足していきたいと思います。

●原則
〇劼匹發牢靄榲に成長のための力を持っている。
適切な環境を整えれば、自然と状態は改善していく。
成長を邪魔する要因を取り除くことに力を入れる必要がある。

●支援のテーマと関連するキーワード
\鎖西態の安定
    発達症 不登校 引きこもり ゲーム依存 反応性愛着障害
仲間体験が必要
    エリック・エリクソンの発達課題 退行 ギャング・エイジ 集団力動
親離れ・子離れ
    思春期心性 甘えながらの反発 投影 支援者の巻き込まれ体験
づ亶察進路
    支援員 通級指導教室 特別支援学級 特別支援コーディネーター 別室登校
  夜間登校 通信制高校 フリースクール 多良木学園
コ杏機関との連携
    スクールカウンセラー スクールソーシャルワーカー 保健師 療育 放課後等デイサービス 計画相談支援員
  福祉課 子ども対策課
Φ埖團院璽垢悗梁弍
    疑わしい場合はまずは福祉課に通報 要対協で関わっていく 児童相談所が介入できないケースが大半

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2016年12月日録1

12/3(土) 錦町保健センターで開かれた「球磨圏域 親の会 合同研修会」に参加した。保健所と球磨地方の発達症の親の会の皆さんが主催したもので、療育とはどんなものなのかがテーマの講演会だった。話されたのは楠本敬二さん(熊本県こども総合療育センター 地域療育班 療育長)で、理学療法士の立場から熊本県内の療育機関の指導や育成に当たってきた方だ。
  印象的だったのは楠本さんの話し方だ。ゆっくりと、はっきりと、そして相手を傷つけないように細心の注意を払いながら話される。これは楠本さんが意識的にされているというよりも、長年の経験から自然と身についてしまったものなのではないかと感じた。療育の現場に来る子どもたちは、文章理解が苦手だったり、気が散りやすかったり、対人交流が苦手だったりする。そういった子どもたちと接するなかで、あみだされてきた「伝わりやすい話し方」なのだろう。
  大人を相手にする精神科医ももちろん「伝わりやすい話し方」を工夫する。だが小さい子どもへの言葉とは質的に違うと感じた。ゆっくりと、イメージしやすい内容を、繰り返しを含みながら話していかれる感じだ。僕も子どもの診療をすることが増えてきたので、今後は語りかけ方を学んでいきたいと思った。
12/4(日) 人吉市にある多目的アートスペース「ひとよし森のホール」(〒8680058熊本県人吉市駒井田町190-6、電話0966224007、ウェブページ)で開かれた「アンパンマンコンサート」に参加した。熊本の震災復興支援の一環として、演奏家集団である「森田良平ストリングス」が来てくださったそうだ。この日はヴァイオリン2、ヴィオラ1、コントラバス1という編成だった。アニメ「アンパンマン」の曲を中心に、子どもたちにも聞きやすい曲が演奏された。
  すばらしいと思ったのは、乳児から入場可能で、しかも子どもたちが自由に過ごせたことだ。床に寝っ転がる子もいれば、走り回る子もいる。なかには前に行って演奏者の服に触る子どももいた。それでも演奏者の皆さんは笑顔で楽しそうに演奏しておられた。はじめっから動き回る子どもたちを想定されているのがわかった。ずっと椅子に座ってのコンサート鑑賞は、小さい子どもには難しい。「何をしてもいいよ」という雰囲気のあるコンサートがあるのは非常にありがたいことだと思った。
12/6(火) 美紗さんの実家に行った際に、美紗さんのお母さんといっしょに鹿児島市内に出かけた。大都市は子どもの遊び場が充実しているので助かる。やすみは水族館に行きたがっていたので、2日続けて出かけたのだが、残念ながら年に1回だけの掃除のための4日連続休業だった(早めに教えてほしかった)。代わりに公園や観覧車、動物園に行った。子どもの遊び場というのは子ども以外にはあまり役に立たなさそうだが、意外と大人が楽しんでいる。あまりに「有用なもの」ばかりに囲まれて暮らしていると息が詰まるので、「無用なもの」である遊び場が、大人にとってもほっとできる場所なのだと思う。

 

写真1〜2は「アンパンマン コンサート」の際に撮った写真です。「ひとよし森のホール」で開かれました。


写真1 コンサートのなかでコントラバスを弾かせてもらう子ども。

 

写真2 演奏会のあとで、僕も弾かせてもらえた。弦に軽くさわるだけで音が出るので不思議だった。

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2016年12月日録2

12/13(火) 水上村・湯前町・多良木町は合同で「認知症初期集中支援チーム」を運営している。「なかなか小規模な自治体での認知症初期集中支援チーム設置が進まない」との動機で、厚生労働省の方が視察に来られた。いわゆる官僚かと思い「話しにくそうだな」というイメージを持っていたが、実際に来られたのはもともと保健師の方たちで、話しやすくて安心した。
  認知症初期集中支援チームが機能するためには、いくつか条件があると思う。/邑規模が適切であること。あまりに人口が多いと、件数が多すぎて混乱する。その一方であまりに少なすぎると、会議を開いてもケースが上がらずという状態になってしまう。僕たちの経験からすると、1万人〜1万5千人程度は少なくともあった方がいいのではないかと思う。それ以下の市町村も多いが、ぜひ合同でチームを作るという方向で進めていただきたいと思う。▲繊璽牋のメンバー同士が互いに敬意を持っていること。最低限の構成メンバーは社会福祉士・保健師・医師だが、似ているようで業務が全然違う。特に医師は地域支援に関わらない限り、なかなか保健師や社会福祉士の役割について知る機会が少ないと思う。チーム員研修は医師には必須ではないことになっているが、ぜひチーム員といっしょに研修に参加して交流を深めてほしいと思う。0綮佞仕切り過ぎないこと。医師の頭の中には基本的には「症状把握⇒検査⇒診断⇒治療」という流れがあり、これを暗黙の前提としてしまいがちである。でも地域で支援活動に当たってみてわかることは、「いろんな角度からの情報収集⇒いろんな角度から意見を出し合っての検討⇒多方向からの支援⇒結果的に事態が改善する」というのが実際の流れであることだ。医療モデルにくらべて「あいまいな事態にいろんな角度からアプローチすること」が重要になってくる。この点をよく頭に入れておかないと、医師の前で他のメンバーが誰も意見を言えないという状態になってしまう。っ楼茲隆慙機関の協力を得られること。初期集中支援チームの狭い意味での目的は「適切な支援につなぐ」だが、広い意味での目的は「地域の関連職の連携を強め、全体としてより質の高い支援を提供すること」にあると思う。地域全体が育っていくことを目指して、チーム員が動くことが大切だと思う。
  同年代の友人たちとの小さな食事会が4年前に始まった。ちょうど娘のやすみが産まれる頃だったので、「やすみ=ジャスミン」ということで「ジャスミンの会」という名前になった。友人たちの尽力でいまなお継続・発展し、大きな食事会になっている。初期のメンバー間で必ずしもたくさん話すわけでもなく、ゆるい集まりなのだが、僕にとっては貴重な異業種交流の場となっている。特に教育現場の人たちと話せることがありがたい。
  今月のジャスミンの会のなかでやすみの4歳の誕生日も祝ってくださった。やすみはケーキのろうそくを吹き消したり、プレゼントをいただいたりして興奮していた。家族でもお祝いはするのだが、家族以外の人たちからのお祝いの方がやすみにも深く届くようだ。子どもは両親だけでは育てられない。関わってくれる仲間がいることはほんとうにありがたいことだと思う。
12/14(水) 美紗さんのかかりつけの産婦人科である「河野産婦人科医院」に出かけた。おそらく男の子か女の子かがわかると聞いていたので、ドキドキした。結果は「ほぼ女の子でしょう」とのことだった。以前から美紗さんと「女の子だったら名前はしずくちゃんにしよう」と決めていたので、この瞬間にしずくにすることが決まった。生まれてくる2017年の5月からは、家のなかがいっそう散らかりそうだ。
  仲間たちと療育について話し合う場があるのだが、地域の療育機関のセンターのようなものを吉田病院で立ち上げてもいいんですよと教えてもらった。僕は療育分野には素人なので詳しくわからないが、発達症の症状が強いケースや精神症状の重なっているケースなどでは、精神科病院に療育機関がある方が対処しやすいだろう。漠然とした願いに過ぎないが、「いつか療育センターも作りたい」と心から思った。
12/18(日) 娘のやすみは「さざなみ保育園」に通っている。やすみの初めての「お遊戯音楽発表会」があった。やすみは4月に登園を始めたころ、親から離れるときに泣いていた。また大勢人のいる場で泣くこともあった。「対人緊張が強いのかな?」と思ってきたので、そんなやすみが大勢の観客の前ではたして演技できるのかが心配だった。
  でも実際に見ると、他の子よりも緊張していない感じで歌や踊りをしていた。舞台のうえで演技するのには向き不向きがあると思うが、比較的向いているのだろうと思う。僕は「意外だなぁ」と思ったのだが、隣の美紗さんはやすみの成長にただただ感動しているようだった。まわりの子は一切目に入らず、やすみの動画を撮影するのに必死だったそうだ。同じ親でも、子どもへの思いの深さには大きな違いがあるなぁと感じた。

 

写真3〜4はあさぎり町にあるハワイアンカフェ「525CAFE」(8680408熊本県球磨郡あさぎり町免田1694-17、電話0966451512)で撮った写真です。


写真3 外観。白さが目に留まる。

 

写真4 なかはまさに異国。小さいものにまでこだわって店作りをされている。料理もとてもおいしい。

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2016年12月日録3

12/20(火) 息子の響の1歳8カ月健診があったので、美紗さんと人吉市の保健センターに出かけた。普段幼児と触れ合う機会が少ないので、息子と同じくらいの年頃の子どもたちがどんな感じなのかを知る貴重な機会でもある。ボールを追いかけたり、歩き回ったりして遊ぶ子どもたちを見ているのは楽しかった。「まだ子どもどうしで遊びあう年齢ではなく、基本的には個人個人で遊ぶことが多い」ということもいまでは知っているが、長女のやすみのときには知らなかったので、「対人交流しないんじゃないか?」と心配したことを思い出した。
  検査は医師や歯科医の診察のほかに、精神発達をみる保健師さんの検査もあった。木のキューブを積み重ねたり、枠に丸い板をはめ込んだりする。響は普段は全くしたことがないのに、意外とよくできた。ただできなかった子どもの親御さんは心配そうだった。日常生活とかけ離れた検査の活動を、急に知らない場面で知らない人を相手にするのは、大変なのだなぁとわかった。僕は子どもを相手に検査をすることもあるので、気を付けないといけないと思った。よく知り合ってから、くつろいだ状態のなかでしないと、正確な検査にならないと思う。
  僕は地域で仕事をするようになってから、保健師さんたちの業務の広さと重要性について知った。地域住民の健康問題の窓口としての保健師さんの意義はとてつもなく大きい。保健師さんたちがつないでくれるおかげで、病院の仕事が成り立っているとも言える。その保健師業務のなかでも、乳幼児と保護者への支援はとりわけ重要だと思う。保健師さんが支援に入ってくれていると、学童期・青壮年期・老年期とあとあと支援がスムースに入りやすい。なので健診で伝えるメッセージの第一番目は、「なにかあったら保健師にご相談ください。私たちが応援していますよ」というものであってほしい。発達の度合いをみることも大事だが、それ以上に保健師さんという頼りになる存在がいることを知ってもらうことが重要だと思う。
  子ども支援の仕組み作りにあたっている人たちと話し合う機会があった。発達症の医療的な支援については、残念ながらまだ整然としたシステムができていない。認知症の支援のように、「かかりつけ医(診療所型) ⇒ 認知症疾患医療センター(地域型) ⇒ 拠点病院(基幹型)」と3段階で診療していく仕組みができればいいと思う。そうでないと重症で難しい子どもを診療所で診てしまったり、逆に比較的シンプルな発達症の子どもを拠点病院で診てしまったりすることになる。結果として各施設の持ち味が十分に生かせなくなってしまうと思う。
12/21(水) 相良村の「こころの相談」で保健師さんと訪問相談をした。その人の家に出向いてお話を聞くのは、医療の原点だと思う。もちろん話し合いがうまく進む場合ばかりではないが、少なくとも知り合うことはできる。「あなたのことを心配している人が地域にはいますよ」というメッセージだけでもお伝えできれば成功だと思う。そして病院で仕事をする場合にも同じ気持ちが必要だ。病院にいると「医療システムにうまく乗ってくれない人は面倒だ」といった気持ちになりがちなために、気を付けないといけないと思う。
12/23(金) 美紗さんが子どもたちへのクリスマスプレゼントとして、おもちゃと新しく作った「遊びスペース」を前もって用意してくれていた。朝にサンタさんの格好に着替えて2回でドシンドシンと足踏みをすると、美紗さんと子どもたちが2回に上がってきた。新しく作った遊びの部屋にサンタがいたので、子どもたちはかなりびっくりしていた。以前は「パパがサンタをしている」と言っていたやすみも、ほんとうにサンタが来たと思ったようだ。びっくりさせることができて美紗さんと僕はとてもうれしかった。子どもたちが小さいうちだけにできることだ。大人にできることは、子どもたちが生きている神話的な世界を壊さずに育てる手伝いではないかと思う。

 

写真5 錦町にある公園「錦・くらんど公園」にて。池の鯉にエサをやることができる。

 

写真6 鹿児島市にある「中央公園」にて。大きなオブジェが印象的だ。「子どもの遊具があったらいいのにね」と美紗さんと話した。

 

写真7 鹿児島市親子つどいの広場「なかまっち」にて。子どもの遊びのためのスペースであるだけでなく、研修会なども活発に行われている。無料で楽しむことができる。

 

写真8〜9は鹿児島市にある「平川動物公園」に行った際に撮ったものです。


写真8 キリンが間近に来てくれた。キリンの鼻は意外と柔らかかった。

 

写真9 ホワイトタイガーがうなり声を上げながら歩いてくれたので、やすみは大興奮。

 

写真10 あさぎり町にある「岡留(おかどめ)公園」にて。響は小さなすべり台を滑れるようになった。

 

写真11 「ジャスミンの会」にて。友人たちがやすみの誕生日を祝ってくれた。

 

写真12 「さざなみ保育園」の「お遊戯音楽発表会」にて。前列の一番左がやすみ。意外と緊張せずに踊っていた。

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